一般的に良く出来たスピーカーシステムとは、
フラットな特性で、音色に癖が無いものが良い、と言われていますが
私は何度か書いてきましたが、音の良いスピーカーの条件とは
より多くの空気を、乱れなく歪なく奇麗に動かすことが出来ることが絶対条件だと思っています
ダイレクト型のユニットでは動く振動板に対して
振動板で動かされる空気もほぼ同様の面積です、ほぼ1:1の関係ですが
コンプレッションドライバーとホーンの組み合わせでは
小さな面積の振動板で歪の無い音の波を作り、それをホーンロードによって波を大きくして
1:2にも、1:10にも、1:100も可能な多くの空気を動かすことが出来る理想的な方式だと思っています
しかも、音の良し悪しを語るうえで大きな要素の「音圧」が掛かっていますので
音の芯が有り、力強い躍動感あふれるサウンドを奏でます
圧縮されて圧力が強く、ロードが長ければ長いほど
より多くの帯域の空気を上手く動かせ、効率も音も良いのです
そのホーン形状も様々な構造が考えられ、
その形状や素材によっても音は変わってきます
ホーン開口部が丸い形状が「一番癖が無い音で」すが
しかし癖が無い分面、白味も実は有りません
チョットへそ曲がりないい音だけを楽しむのでは無い私としては
丸よりも四角や楕円の変形したホーンが好きです(笑)
この変形ホーンは置き方やホーンの向きでも音は大きく変わります
湾曲していない真っ直ぐな形状の、ストレートなものが癖が無いように思われますが、
私が聴く限り、真っ直ぐなスロート形状のものは、音がこもる傾向になる気がします
ストレートな形状のホーンより理論通り湾曲したほうが、抜けもよく綺麗な音色を奏でると思います
そんな理にかなったホーンスピーカーは、クリアーで鮮やかな音色で、特徴的なサウンドを奏でるとも云われています
一般的に語られているホーンスピーカーの奏でる音の特徴は
・スケールが大きくホール感が出る
・ふわっと声が浮き立ち
・弦楽器の響きが豊かで聞き易い
等々が語られていますが、「スケールが大きい」「声が奇麗に浮き立つ」「弦の豊かな響き」
実はこれらの音の正体は、各ユニットのタイムアライメントのズレによる「エコーサウンド」です
カラオケに行った時も適度にエコーをかけると、聞き易く綺麗に聞こえますが
これと同じで、このエコーの掛かった音が、一般的なホーンの音と言われ
「キツく無い、奇麗な音の正体」です
勿論ボーカルだけの音楽を愉しむならこのエコー現象は問題無いと思います
むしろ、音の角が取れて、尖りが無くなりますから、どんなにキツ激しい音楽をかけても
エコーのお陰で、聞き易い音楽に変えてしまいます
western Electricではこの声だけを拡声したシステム、ワイドレンジシーズ等がこれに当たり
代表的なのが13Aや15Aや16A等の比較的ロードの長いホーンを使いますが
勿論このホーンだけを使うなら、音のズレは生じませんからエコーはかかりません
15Aを555Wのフルレンジで使って聞く音楽はとても魅力的でこれ以上の音は無いと言っても過言では無いと思います
が
高域、低域、どちらを足しても、足した瞬間に音のズレが起きてエコー現象や膨らみ豊かな響きを奏でます
勿論その響きを楽しむのも自由ですが、私は・・・・
WEなら、タイムアライメントの揃ったミラフォニックシリーズが良いと思っています
元々ホーンは指向性が強く、狭いエリアにしか音が届けられません
なのでたくさんホーンを付け様々な方向に向ければどれか当たるだろうと思って作ったのが
マルチセルホーンです、家庭で使うにはまったく意味の無いホーンだと思っています
さて、本題です
先程ホーンの特徴的な音を何点か挙げましたが
実はこの音を奏でている方がは、まだまだ調整不足
WEを使えば音色が良いですから、これで騙されちゃうのだと思いますが・・・
そこからさらにホーンスピーカーを研究し自らの音を追及してある域に辿り着かた方々に、
お話を聞くと
辿りつた先にはどんな素晴らしい音になったのですか?
と尋ねると
「意外に普通の音だよ」
との回答が帰ってきます
当たり前ですが、タイムアライメントが揃って、ある程度各ユニットの音色の違和感が無くなり
トータルのバランス良く鳴り始めれば
普通に音の良いスピーカーとなるのだと思います
私の音?
いったんは普通の音になったけどね・・・・
今は・・・・凄いよ(笑)