低音の拘りは皆さん凄いです
オーディオマニアにとって夢の「オールホールシステム」
厄介なのは、やはり低音です
励磁型ホーンスピーの音の良さは
聴いた方ならだれでも一度でその魅力に惚れこんでしまう
魅惑のサウンドを奏でるスピーカーです
オールホールシステムと一口に言っても
低音までホーンで鳴らすは、
実はとても大変な事なんです
私もそうですが、大抵の方が高域・中域はホーンで
低域は紙のコーン型ウーハーを使っています
低域のコンプレッションドライバーは、とても大きく重く
ホーンも長く大きくなってしまい、
一般的には殆ど使う事が出来ない夢のスピーカなんです
紙のコーンスピーカーとの組み合わせは、いわば手間を省いた
簡易方式の組み合わせなんです
音色も音圧も全く合わない
アンバランスなスピーカーユニットの組み合わせなんです
JBLやALTECなどのメジャーなスピーカーメーカーが
この方式を有名にして定番となってしまいましたが
中高域の金属振動板による透き通った
力強いコンプレッションドラバーのサウンドと
低域のふんずまった「紙のウーハー」のコンビが奏でる
アンバランスサウンド
異色な音色のユニットが同じ音を奏でるのですから
楽しい音楽を奏でるには、かなり難しい事なんです
このサウンドに違和感を覚える方は多くいらっしゃると思います
違和感を覚えた方は
やむを得ず、違和感を持ったまま
「これでいいんだ」と自分に言い聞かせ、そのまま使う
やめてフルレンジにするか
低音の無い音楽を楽しむか
それが嫌なら
低音ホーンを作るしかないんです
オーディオ仲間のKIMさんは
スケールの大きなサウンドを奏でるオーディオマニア
そのKIMさんが低音ホーンを入れることになり、お手伝い?にお邪魔しました
KIMさんのメインスピーカーはWE15A+WE555W
おおらかな音楽を楽しむKIMさんはこれだけでも十分だが
やはり現代の音楽を楽しむには、高域・低域共に不足を感じ、付け足している
低域はALTEC515Bを励磁に改良したものだが
やはりWE15Aホーンの低域を補うのに、紙のコーン紙が発する音は違和感たっぷりで
その音色を合わせるために今回の低音ドライバーとなったとの事
まずALTECの515と282BOXに付いたバッフルを取り外し
運びだしたのだが、これがとんでもなく「重い」
なんでも、ALTECの箱鳴きが嫌で砂を入れたとの事
やっぱり低音に拘る方がは半端ではない(笑)
運び出すのは若手に任せて、現場監督たちは頑張れーと掛け声だけ
後で聞いた話では、とにかくあの箱が一番重くて大変だったとの事
さて紙のウーハーが運び出されていよいよ、ホーンの搬入
合計6ッ個に分割してあるが、とにかく大きいい
専用車を使い二階の窓から搬入、大騒ぎです
組み立て設置は制作したSプロにお任せ、
既に数セットを設置した実績があり手慣れたもの
このホーンはかつてYL社が販売していたものをモデファイして
かなり厚手の合板で作られた特注品
ホーンを作るのも職人技で大変だったと思うが、何といっても大変なのが
低音コンプレッションドライバー、
制作者は勿論T氏
実はこのコンプレッションドライバーは
一からすべてT氏が手作りで作り上げたもの
励磁で作ることも可能だが、電磁コイルは何といっても重くなり
とても手作業では作れないと諦め
アルニコマグネットの外磁方式をとっている
アルニコだからと言って半端なことは嫌いなT氏
このドライバーを完成させるために
何と着磁機まで購入したというのだから、
低音ドライバーに対する、
その執念は凄まじいものがある
振動板に至ってはアルミをT氏がへらで「なめして」作り上げた
まさに職人技で作り上げたの芸術作品
木工職人S氏と、TオーディのT氏の、
「恐るべき執念」で作り上げられた究極の低音ホーン
さあいよいよ音出しです、T氏も真剣にセッティング
奏でる音は
言葉にすれば
「とても優雅で気持いい」
スケールの大きいKIMサウンド
男のロマンをかなえた人が、また一人・・・