Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

音楽劇「射水の海」~《海はいつでも見守っている》

2010-10-25 | 音楽
 10/24(日)、〈射水市誕生5周年記念〉を祝う音楽劇を聴きに行った。 3年前からの企画だそうなので、2年目からもう取り組んだということだ。 元気な町だな~と改めて思う。 高周波文化ホール(新湊中央文化会館)大ホールは超満員、熱気がムンムンしている。 

 私達、合唱団MiTUのメンバーが6名出演された。 最初は10名以上練習に通っておられたが、練習回数が増え出席できなくなり、断念した人も多い。 さすがに、素晴らしい出来栄えだった。 合唱団もソリストも、もちろんオケも。 
 
 指揮:宮丸 勝、  演出:近江 養、  台本:大谷美智浩、  作曲:梶 俊男

 「海」をテーマにしたオリジナルオペラ である。
 射水の海の浜辺、主人公の潮海義人(しおみよしひと)は、都会の生活を追われ故郷の海の岸壁にやってくる。 そこは、かつて両親と過ごした思い出のある海。   
          ♪ この故郷の海で 僕の人生が リセットできるなら ♪  と歌う。
            

 放生津の城、鎌倉末期の戦乱の中に迷い込んだ義人は、捕えられそうになるが、放生津城城主名越時有に助けられる。 が、名越一族は戦いに敗れ、奈呉の浦の海に消える。 両側はコロス(合唱)、ソプラノ、アルト、テノール、バス、と並ぶ。
                

 江戸時代、放生津の魚市場の漁師たちの姿。 活気ある魚市場。 だが、問屋の横暴が漁師たちを苦しめていた。 
     ♪ えいやれ えいやれ えいやれや  加賀の前田の殿様に お送り申す 御用鰤 
      上は金沢登り魚 中は高岡魚問屋  残りの魚は振り売り勝手 放生津者の才覚次第 ♪
と、振りをつけて合唱が歌う。  だが、6軒問屋の悪徳商法に困り、奉行所に直訴する。 そのうちの二人が捕えられ処刑される。 「漁民義人塚」として今も残る。 「時の旅人」3人のヤオが時代の流れを語り、主人公をも導く。
                           

                   休憩(15分間)

 「偉人達の夜」と言う舞台で、伊能忠敬と石黒信由が登場、無窮の天を語り、歌う。
 そして
時代は天平。 越中国司、大伴家持が登場する。 日照り続きの雨乞い、八幡神への祈り、宇佐八幡宮の謂われなどが語られる。 そして、子どもたちの歌う「黄金歌」。 
 
                

 この後、家持と義人の問答歌があり、義人は、次第に自分の人生を見つめ直して行く。 
      ♪ 海はいつでも 受け止めてくれる 海はいつでも抱きしめてくれる   
        海はいつでも そこにある 海はいつでも 見守っている・・・
        僕は誰の奴隷でもない 僕の人生は 誰にでも 渡しはしない ♪
 エピローグ。 現代の海、穏やかな波の音。 射水の海が広がっている…。
                 

 上はフィナーレ。 真ん中は指揮者の宮丸さん。 プログラムの扉に、演出の近江さんが次のように書いておられる。
 「…稽古の現場で何ヶ月も、仕事や勉強や他の活動と調整しながらいつも明るく我慢して音楽稽古から立ち稽古まで欠かさず出席されていた合唱出演者、ソリストの皆さん。 皆さんの粘り強い努力と創造力には心から感謝するばかりです。…」
 まさにその通りだ。 大変な努力だっただろう。 そして射水市の人達(特に新湊の)にとってこの成功はこの上ない喜びだろう。

 3時間半に及ぶ長丁場、欠かせぬ史実が盛りだくさんで後半は冗漫に延びた感があった。 それと家持の描き方が今一つわかりにくいように思えたが…。
 熱演ご苦労様でした。 また、最後まで読んでいただきありがとうございました。                 

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6 コメント

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Unknown (森のくまさん)
2010-10-25 14:07:16
清姫さま
出演された方もいい経験になったでしょう。
新しい試みだから夫々大きいエネルギーがいったでしょう。
合唱も歌うだけでなく動きもあり衣装もありで
みなさんがんばられましたね。成功されてよかったです。
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Unknown (清姫)
2010-10-25 18:59:07
くまさん
ほんとにそうですね。
3年間かけて上演に漕ぎつけるまでのご苦労は並大抵ではなかったでしょうね。
喜びもひとしおでしょう。MiTUの人達から感想を聞きたいものです。 
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Unknown (風子)
2010-10-25 21:37:05
清姫さん
射水市になってもう5年なんですね。
読んでいて越中万葉夢幻譚を思い起こしました。これからも何年おきでもいいから上演されるといいですね。

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Unknown ()
2010-10-26 00:21:03
高岡に「大空へ飛べ」というのがありませんでしたか。
見た事はなかったのですが、それと同じもののようですね。
無から有を作り出す。それも、大勢の人を巻き込んで・・
それぞれのパートでも大変だったでしょうが、主になった人は、どれだけの苦労と時間を費やしたことか・・
成功の喜びはひとしおでしょうね。
市民のパワー、すごいですね。
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Unknown (清姫)
2010-10-26 07:42:26
風子さん
そうですね。
私は、夢幻譚は見たことがないのですが、歴史を扱っているドラマだったのですね。
屋内と屋外の違いでよく似ているかも。
あれも市制100年かなんか、でしたね。
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Unknown (清姫)
2010-10-26 07:46:03
姫ちゃん
「大空…」は何度も見たし、出演もしました。
今でもふれあいセンターで毎年上演しておられます。
アレも素晴らしいけど、やはり子どもたちのためのもので若い先生たちの手作りのよさ。
コレは出演者は素人ですが、制作はプロの人達。目標は高かったと思います。
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