くまさん宅を訪ねて～「丁度よい」

　一か月半ほど前にくまさんのご主人の訃報を新聞で知った。葬儀終了の文字を見てお悔やみだけ送り、いずれお参りに行きましょうと友達と話し合っていた。１１月に入ってからようこ姫さんと二人で訪ねた。お寺だった広い家はガランとして、久しぶりに行った私たちには寂しい印象を与えたが、ピアノがあるいつもの部屋は暖かくくまさんはにこやかに迎えてくださった。

　仏壇にお参りした後、その部屋で話を聞き思いのほか長居をしてしまった。
　「秋晴れの爽やかな午後、あっという間にあの世に旅立ちました。あまり周りに迷惑もかけず見習いたいです。」とメールをいただいた通り、病院で透析中だったとのこと。皆に見守られて…と言うことだった。

　👇は、くまさんの腹話術の相棒、なっちゃん。ラインのプロフィールにもなっている。

　帰りに、玄関に飾ってある良寛様の額の「丁度よい」と言う言葉をお土産にもらったので紹介します。

　『丁度良い』

　　お前はお前で丁度良い
　　顔も体も名前も姓も、それはお前に丁度良い
　　貧も富も親も子も、息子の嫁もその孫も
　　それはお前に丁度良い

　　幸も不幸も喜びも、悲しみさえも丁度良い
　　歩いたお前の人生は、悪くもなければ良くもない
　　お前にとって丁度良い
　　地獄へ行こうと極楽へ行こうと、行ったところが丁度良い

　　うぬぼれる要も無く卑下する要も無い
　　上も無ければ下も無い、死ぬ月日さえも丁度良い
　　御仏と二人連れのこの人生が
　　丁度良くないはずが無い

 　　お前にそれは丁度良い