「○○道」。日本には、そんな歴史のある文化がある。その文化について考える機会に遭遇したので、そのことを書いてみたい。
知人の息子さんが剣道七段の昇段試験に挑み、合格したという。この試験には、全国から多くの受験者が参加。その中には、著名大会の優勝者もいたらしい。 しかし、その優勝者もこの試験には落ちたという。
知人にその理由を聞くと、剣道の勝ち方をしてないからだという。その理由を尋ねたところ、知人はこう答えた。「剣道は真剣勝負、瞬きする間に勝負が決まる。剣と剣が対峙して、一瞬の閃き、精神と精神のぶつかり合いが、勝負を左右する。それが基本。勝つための剣道、相手に油断をさせて勝つたという勝ち方では、試験をパスすることはできない。剣道への姿勢と基本が重要であり、目先のテクニックだけでは勝てない」と話してくれた。
一方、受験者は、どのように剣道を捉えているのか。
剣の道を、精神と技で究めようとするものだけに、段位を与えるという考え方に、剣道の奥の深さをみたように思う。また、真摯な剣への姿勢や、その瞬間のために、数百倍、数千倍の時間を費やして、道を究めようとする生き方に、大切な何かに気付かされたように思う。