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機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 2ndシーズン 第18話 「交錯する思い」 感想

2009-02-10 02:21:28 | ガンダム00(ダブルオー)2ndシーズン
ガンダムダブルオーは(特に2ndシーズンは)戦闘シーンが少ないほうが実は物語的にはかなり面白いんじゃないか、というのを本気で思ってしまったくらい、今回は登場人物たちの気持ちがまさしく「交錯する思い」だった第18話。

いやー、まじで僕の中でどんどんガンダムダブルオーは傑作化している気がします。
めちゃめちゃ面白いです。


特に今回は本作の重要テーマであるところの「対話」について、ある意味の答えが提示されたという感じがしました。
イノベイターの、いや、リボンズの言うところの「対話」というのが依然明確にならないので、それが果たしてどんな意味を持つのか分かりませんが、逆に本来的な「対話」の重要性が高まったというのがここ最近のお話の中で浮かび上がったんじゃないかなぁ。

僕はこの物語自体は、裏主人公として沙慈とルイスの物語になっていて、平和で幸せなカップルだった二人が、戦争に否応なく巻き込まれて離れ離れになり、そして意図せず銃を向け合う間柄になってしまった、そんなすれ違っていく二人が、再び寄り添っていくことに希望を託したというか、視聴者的にもそこに否応なく関心が集まる、そうであってほしいと願う物語になってきていると思うんですよね。

そのためには超えなくちゃいけない壁がたくさんあって、しかもそれは戦争の真っ只中で、愛が憎しみに変わっちゃって、という非情な状況の中で、それでも沙慈はルイスに対して何ができるのだろうと苦悩しながらも、彼女に叫び続けるしかない、という答えを導いていく=それが沙慈の戦いになっていて、どんなに辛い状況でも、困難でも、気持ちを伝えなければ伝わらないんだよ、というそういうテーマを堂々と体現しているんだと。

日経ビジネスオンラインの水島監督のインタビューでも、「人と人のつながり」が監督のテーマであって、面倒を避けて人を知ることは出来ない的なコメントがあって、やはりそれはガンダムダブルオーの中でもまさにこれから描かれようとしているところなんじゃないかと思うんですよね。

沙慈とルイス。

この二人の物語がやはりこのダブルオーでの真のクライマックスだと思うな。

そう思うと、前回、セルゲイ大佐が散っていくというのも非情に大きな意味があって、前回の感想で書いたけれども、心を閉ざした息子のアンドレイにどう接して良いか分からず、心を開くための努力を怠っていたと本人が(アンドレイと、そしておそらくホリーに)懺悔するのですが、これはやはり対話を諦めてしまった結果が招いた、沙慈とルイスのIFの関係になっているかもしれず、そういったところを示唆したんじゃないかと思えるんですよ。

だから今回、沙慈がルイスに対して叫び続けることしかできないけれども、自分の意思で、自分の本心で、自分のためにオーライザーに搭乗していく、というところにぐっと来てしまうんですよね。

きっとマリーとアレルヤについても、もう一度本当の対話や、相手を理解したいと思うイベントが来るはず。
大佐の死は無駄じゃない、たぶん、きっと。

そのほか、ものすごく語りたいこともたくさんあるんだけれども(ライルとアニューとか、マネキンさんとか)、あとひとつだけ。


ラッセさんは1stシーズンラストで瀕死の重傷をやっぱり負ってて、きっとそれが擬似GNドライブによるもので、それが彼の寿命を縮めている(そういう意味ではブシドーの人もそうなのかも)だけれども、刹那の場合は何か違う要因が働いていて進行速度が遅いらしい。

これってやっぱりツインドライヴによるGN粒子の∞の輪による影響なんだろうか。

残り話数も少なくなってきたけれども、ダブルオー自身が最終兵器というか、最後の希望のような形になってきたという雰囲気が非情にかっこいいかも。

イノベイターであるリボンズも、自身が理解できていないことに対する畏怖や、上位種である自分が人間に劣るかもしれないという恐怖、そうしたものを抱えているかもしれず、それこそが上位に立ちたいと思う根源、見下ろす構図になる根源なんじゃないか、とも思うわけで、実は非情に人間臭いと思うんですよね。

こういった構図を全部キャンセルするのが「対話」であって、今回は登場人物たちが様々な問題を抱えながらも、心情を吐露しつつ、徐々にお互いをさらけ出すモードに入ってきたような気がします。
つまりイノベイターが目指す「対話」とは異なる、本当の、単純な、理解しあうための「対話」みたいな。

これがダブルオーのツインドライヴが描く∞の輪の中で、気持ちをダイレクトに伝えていくことが出来たなら、それこそ破壊兵器としてのダブルオーではなく、創り出すことができるツールとしてのダブルオー=∞の可能性、というかっこよさにつながって欲しい、なんて個人的期待度満載にしながら思ってしまうところ。

うはー、ダブルオーマジで面白いっす。

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