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コードギアス 反逆のルルーシュR2 第24話『ダモクレス の 空』

2008-09-26 00:12:40 | コードギアスR2
エンタメ的にも、これまで積み重ねてきたお話の集大成という意味でも、非常に熱かったラスト直前の「ダモクレスの空」。

思えばシュナイゼル、というキャラクターに集約された記号というか、作中のメッセージは凄く面白い、というのがここ数話の僕の感想。

ルルーシュもシュナイゼルも基本は同じ。
他人の気持ちを理解したり共感したりすることは(ほぼ)無く、他人とはチェスの駒と同じで、こういう情報を与えればこう動く、こう動くからこう手を差し伸べてやれば良い、そうすれば結果的に思い通りに動いてくれる、という気持ちの双方向理解どころか、思いっきり一方通行なキャラとして記号化されていたわけです。

詰まるところ、シュナイゼル的世界というのは、自分の中で完結してしまった世界で、他者を必要としない、非常に狭い世界になってしまっているわけです。
この狭い世界の中、つまり自分の世界の中では思うとおりに事が進む、自分の世界なのだからその世界は優しい、という感じに。

しかしながら、コードギアスの世界というのは、(日常生活においても)世界というものは基本的に厳しいものなんだ、というところからスタートしていて、自由意志を奪うという万能の能力を有するはずのルルーシュでさえままならないことばかりが続く。

だからその(実は世界は厳しいもので、その世界が広がれば広がるほど厳しいものなんだという)ギャップを乗り越えていかないといけない、というのがルルーシュに課せられた宿題、というか宿命のようなものになっていると思うんです。

それってつまりは、中学生から高校生くらいにかけて、また社会人になって、接する世界が広がって、実は自分が想像していた世界(自分の中で完結していた世界)と、現実世界はギャップがあって、いろんな人と交わりながら、そういう厳しい中で生きていかないといけない、ということに気がついて成長していく、ということと同義なんじゃないの?という感じなんですよね。

作中で、唯一ナナリーだけが、最初からハンデを負っていて、世界とはかくも厳しいものだから、独りで生きていくことはできない、だから助けてくれた人にはせめてもの笑顔で返そう、という独りゴールに最初からいる大人キャラだった、という凄い設定なんだよね。たぶん。
#だから優しい世界、というのは他人に優しくなれる世界、のことなんだよね。


ルルーシュ的にはそういうままならない世界の中で、それでももがき続けて、抑圧された中から本当のブレイクスルーに至る、というのを体現した、というのがエンタメ的要素としても非常に熱かった、と思うわけです。

それがシュナイゼルに対して、論理で初めて勝った、というところにつながったんじゃないかなぁ。

過去、現在を求めたシャルルとシュナイゼル。

対して、ベースは彼らと同じところにあったルルーシュだけれども、結果としていろんな世界を経験して、ままならない苦い思いを積み重ねてきた結果、未来を渇望するようになった(生来、彼は未来を渇望していたのかもしれない)。

それが自分の世界のための未来ではなく、これまで関わってきた人たちの未来も含むようになった=ルルーシュの世界が広がって、厳しい世界の中でももがき続けた、というところがこの物語の肝になったんじゃないかと思います。


たとえ万人に嫌われたとしても、俺はこの道を通す、というような抑圧とプレッシャーの中からのブレイクスルーというのも、この作品の大事にしていた部分だったと思うので、その辺は最後にゼロレクイエムという形で結実するんじゃないか、と思っています。


あとは、ルルーシュ、スザク、ナナリー、C.C.というこの四人で、最終話を飾って欲しいところです。
どんな結末になるのか、これはもう終末=週末を待つしかないでしょう。

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