蒼穹のぺうげおっと

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マクロスF 第20話 「ダイアモンド・クレバス」 感想

2008-08-24 15:56:01 | マクロスF
タイトルが「ダイアモンド・クレバス」であるということと、状況から考えてかなりの惨劇になりそうな気配があったので、もしかしたら主要キャラの中で、「こんな別れが来るとは思わなかった」的な状態になるメンバーがでるのかもしれない、なんて思いながら観ていたら、まさか・・・って感じでした。

誰もが絶望していく中で、一足先に絶望の淵にいたシェリルが、アルトからの言葉もあって、そこで再び歌い始めるシーンは作中の言葉に代表されるとおり、本当に綺麗でした。

絶望の中でも歌ってみせるってのはかっこよかった(涙)。


そしてミシェルとクラン、お互いにこれまで本当の気持ちを伝えられなかった二人が、別れの直前に本当の気持ちを伝え合う。

でも、それを分かつのは・・・。

最期の瞬間、クランとミシェルの間を隔てるマイクローン化装置のひび割れたガラスが、それこそ「ダイアモンド・クレバス」のように深い溝となって二人を永遠に分けてしまったかのような演出。

絶望の淵から歌い上げるシェリルの歌声はそのまま、今回のたくさんの絶望を飲み込んで、悲しく、そしてそれでもなお美しく響いていく、そんなエンディングにまたしても涙。


ミシェルの最期に嘘だろ・・・?と信じられない思いもあって、彼は一応ゼントラン?(ゾラ人)の血を引いているはずなので、個人的には生きていて欲しいなぁ。


■シェリル

文字通りの死刑宣告を受けていたシェリルを精神的に救ったのはやっぱりアルト。

シェリルというアイドル=偶像が先行する中で、作中ほとんど唯一といっていいほどシェリルをシェリルとしてみていたアルトだけが、唯一彼女を肯定してあげることができた。

絶望の淵にいて、歌うこと=生きることさえ辞めようとしていたシェリルにとって、この肯定ほど救いになった言葉は無かったんじゃないかと思わせるくらい。

たとえシェリルという存在が(きっかけはどうあれ)作られた存在で、アイドル=偶像であったとしても、そこまでに歌われたきたシェリルの歌声は本物で、そしてそれが人々の胸に届くのも、シェリルの歌がまぎれも無い本物の歌で、感動を促す力を持っているからなんだ、とストレートにいわれたならば、そりゃあのシェリルでも人前で泣いてしまうというものです。

以前アルトと初めてデートしたとき「スター・デイト」で、人は何故空を飛ぶんだろう、という言葉に、シェリルがそんなの決まっている、飛びたいからだ、と答えた回答がそのままシェリルに戻ってきた感じ。

歌いたいからだ、と。

この短いやり取りは凄く良かったですね。

だからこそ、この後にランカを打つシーンがあるんだけれども、歌うには気持ちが必要なのは分かる、というシェリルの言葉は重いんだよね。


そして圧巻はこの後。

目の前にはナナセが傷ついて倒れ、(シェリルは知らないけれども)カナリアの家族がいて、みんながおびえて、希望を失って、絶望に瀕しているときに、一人決意して、絶望の中でも歌ってみせる、と言って歌い始めたシーンはもう感動的として言いようが無かったです。

初代マクロスでも、かなりコミカルな部分はあったにせよ、それでも、ミス・マクロスとしてリン・ミンメイがマクロス艦内のスターとして、人気を博したのは、ゼントラーディとの絶望的な戦争に突入して、自分たちはフォールド航行の影響でとんでもなく地球から遠く離れたとこに飛ばされて、どん底に沈んでいたような状況だったわけですよ。

それでも民間人を街ごとのみこんでスタートしたマクロスの強さというか、生きていく人たちの強さが、ミス・マクロスを生み出して、歌を通じてみんなが危機を乗り越えてきたわけですよ。

アイドルとしても、人間としても死刑宣告を受けたシェリル。

その絶望の淵にいたシェリルが、「自分にできることをしなさい」とランカに言ったように、今自分ができることを、絶望の中で、歌の力でみんなの絶望を和らげようとする。

歌でこの絶望を乗り越えようとする。
これをマクロス的といわずして何と言おう。

いやー、待ってました。
というか、さらに人間的に一歩強くなったシェリルの再スタートはここから切られたと言っても過言ではないんじゃない?

このまま続いていく「ダイアモンド・クレバス」はほんとにしびれたなぁ。
美しかったです。


■クラン&ミシェル

今回のアイキャッチがかっこよすぎるところで、ちょっと嫌な予感がしていたんですよ。

でもさ、それが初代マクロス時のマックスとミリアみたいでかっこよかったもんだから、やっぱりこの二人は鉄板なのかな、とも思ったわけですよ。

それがルカが「バルキリーの兵装ならある」みたいなこと言ったときから、あれ、そうなるとクランがゼントラ化して使うってことだよね、と思うわけで、あれ、それって何フラグ?とか思いながら、クランのキスになってしまうわけじゃないですか。

死ぬのが怖くて恋ができるかー!

って思わず笑ってしまいましたが、あれで先週ミシェルが自分が臆病で、自分はいつ死んでもおかしくないパイロットだから、本当に好きになることを避けたり、好きになられることすらも避けてきた、という告白にリンク。

ああ、凄い切ない。

本当に自分の気持ちに正直になれたのが死の間際だなんて・・・。

シェリルの「ダイアモンド・クレバス」がまるでミシェルの鎮魂歌のように響いて、ミシェルとクランの間にあるマイクローン化装置の砕けたガラスが、それこそ二人を永遠に分かつダイアモンド・クレバスのようで、凄く切ない。

というか、もうショック。・゜・(ノД`)・゜・。

ミシェルはゾラ人の血を引いてるらしいので、何か漫画的展開で生きていてくれないだろうか・・・。

ああ、もうほんと切ねー。


■ランカちゃん

ランカちゃんの歌は、ランカちゃんの感情に伴ってバジュラに作用する、というのが判明。
静かな気持ちで歌えばバジュラは平静に、そして今回のように、「痛いよ」という気持ちが乗って歌が届くと、バジュラはおそらくクイーンを守らなきゃ、と思って活動を活発化させた、とみるべきでしょうか。

そうだよね、今からアルトに告白しよう、というテンション最高潮のところに、アルトとシェリルが抱き合ってる場面に出くわしたんだから、そりゃ、もうパニックだし、もう死んじゃいたい、と思うよね・・・。

ランカちゃん、二度目の谷になるのかもしれないけれども、彼女も記憶が全部戻って、自分がどういう存在なのか、というのを受け入れるときに、ランカ・リーの再スタートがあるかもしれないですね。
#でもそれは本当のクライマックスに近い場面なのかもしれない。


うわー、レオンはクーデータ起こすわ、グレイスにも計算違いが起きてるわで、あと残り話数も少ない中、どんな展開になっていくんでしょうか。
#初代みたいに3クールくらいやってくれないだろうか・・・。

いやー、それにしても今回のミシェルにはショックでした。・゜・(ノД`)・゜・。

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ブルーレイ版、ゲットしました。でも、まだブルーレイレコーダーをゲットしてません(笑)。

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やばい、これは買ってしまいそう。2008年11月発売だそうです。