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コードギアス 反逆のルルーシュ 第21話『学 園 祭 宣 言 !』

2007-03-18 02:19:29 | コードギアス
その手があったか!!

と思わず僕も思ってしまった第21話。

日常シーンでのんびりと、かと思っていたらとんでもない、むしろ色んな関係者のニアミス、ニアミスで、見てるこっちがハラハラ、そして極めつけはユフィのあの宣言、まさにその手があったか!!です。

いろんなテーマなんかもすごく内包されているので、実は超・密度濃かったです。

■行政特区“日本”
いやー、最後の最後にこんな爆弾を用意してくるとは思ってもみませんでした。こっちもビックリ。
これは本当にルルーシュの言うとおり、行政特区に参加する=黒の騎士団は武力を持つ必要性を失い自然解体を余儀なくされる、行政特区に参加しない=ここ最近出てきているスザクを対象とした民衆の希望や、それらを望む日本人を敵に回す、ひいては民衆の希望ではなく単なるエゴ、テロリズムとして認識され瓦解、どちらを選んでも黒の騎士団には、というか黒の騎士団の内部にもそれを望む人もいるかもしれないので、そういう意味ではゼロにとって、これほど逃げ場の無いチェックメイトは無い、ということなんですよね。厳しいな~、第三皇女殿下は。

無邪気な善意に勝てるものなし、かもです。

でもこの無邪気の善意を利用している人は悪意は無くても腹黒いですね、シュナイゼル殿下。

これってシュナイゼル殿下的には、ユフィの提案を見た瞬間、ああこれならどちらに転んでも黒の騎士団を無力化できる、と考えたからユフィの行動を、というかこの無邪気な善意を利用したわけですよね。
黒いなぁ、この人。

これってやっぱり前回、優先順位をつけてスザクとゼロを相打ちにさせようとしたりしたところから考えても、今回の件で(ブリタニア民衆から反感を買ったりして)失敗しても、またユフィが狙われることになったとしても、ユフィを切れば問題ない、というかむしろ善意の塊のようなユフィを失ったことは「諸君らが愛したユーフェミアは死んだ!!何故だ!!」ばりの演説ができるわけで、これもまた美味しい。
#その後にラクシャータさんが「小娘だからさ」とか言うとか、言わないとか(殴)。

ブリタニア民衆からはどう映るか、というと、「恋人がイレブンだから」という見え方もするわけでやっぱり難しい案でもありますね。
当然、良い面としては、なんと寛大な、とか、普通に考えたら反ブリタニア勢力のガス抜きになるんだから、起死回生の策であることには変わりないんですけどね。

それでもここで多分一番言いたいこととしては、現状、差別意識が根深くあって、そんな中で発生する独立行政特区、それを選ぶのか?と言う点と、民衆がゼロを支持している表現の中にあったように、独立の道を選ぶのか?ここは様々な意見が出てくる(作中での明確な回答はしない気もするけど)と思うし、それを視聴者サイドでも考えてね、みたいな感じじゃないでしょうか。


で、当のゼロ=ルルーシュとして問題なのは、この行政特区にいたとしても、ルルーシュとナナリーという、本来ならば存在を抹消されている二人にとっては未来が無いことに変わりなく、そこにユフィがいるから大丈夫、とは思えないわけですよね。
#そりゃ永遠にその体制が続くわけじゃないし、何よりアンコントローラブルなわけですから。

ユフィにはブリタニアを恨んでいるからルルーシュが黒の騎士団を創ったと映っているのかもしれないけれど、実はそうではなく、ルルーシュとしてはナナリーが平和に暮らせる空間を作ること、それが第一義になっている、ブリタニアの支配下ではそれはできない、それが分かっていない、なんですよね。
ユフィはまだブリタニアサイドから現時点ではモノを見て発言してるんですよね。

あとタイミングが悪いというか、何と言うか、この発表のタイミングでスザクとユフィが恋人同士になったことをナナリーの口から知ってしまうという点ですね。
これがルルーシュ的にはいただけない、超・いただけない。

ルルーシュはナナリーが密かにスザクのことを想っていたことを知っていたわけだし、ナナリーの騎士になって欲しいと思っていたほどなのに、そのスザクをナナリーから奪ってしまった。

奪われる。

これが何よりルルーシュは嫌で、それが最も奪われたくないもの=ナナリーに関する、しかも非常に重要な心の部分であった、というのが更に悪い。

あの無人島での一件があったので、ひょっとしたらユフィとルルーシュは表には出さないけど協調関係を歩むか?なんて思ったけど、瞬く間に真逆の関係に陥りそうな状況に。

つか、今回最後にルルーシュ、ユーフェミアって言ったよ!!
もうユフィじゃないのね……。


個人的にはこの展開、ユフィにもルルーシュにもそれぞれ理想に対して窮地に陥る、もしくは挫折する展開になると思ってて、ここでの反目は第2部があるならばそれも有りかな、つか、それをこのタイミングでやるってことは、反目→挫折→足掻く→共闘、の流れになるんじゃないかと、何となく思っているんですが。
そういう意味で今回、ユフィに必要なのは挫折と思うんだが、如何に。


つか、僕としてはスザクとルルーシュが「二人が組んで出来なかったことはない」という台詞を、お互いが正体を知って後に聞きたいので、そこにユフィが居ない、ということはありえず、カレンもこの流れから行けば合流しそうな気もするし、反目→挫折→足掻く→共闘を上手く演出して欲しい、と切に願っております(そうなるかどうかは分からないけど)。

この後全く想像つかないので、ほんとに楽しみです。


■ニアミス連発 学園祭
一瞬普通に日常パートかと思ったけど、そんなわけないですよね。
つか、こんな戦闘シーンもないのに、ゼロが駆け引きしているわけでもないのに、なんでこんなにドキドキなんだ!!

あまりに関係性が複雑になっていたので、自分のあたまの整理を兼ねて、相関図にまとめるとこんな感じ。





なんか線が多くて分かりづらい(笑)。

四角く囲んであるあたりのニアミスはかなりドキドキ。
つか、ヴィレッタさん、シャーリー、ルルーシュの三人の鉢合わせって、一体どうなるのよ!!みたいな。

ここはお互い記憶を失っているとはいえ、ルルーシュ=ゼロの正体を知っている二人だからねー。修羅場だ。

でも、まだ明かさない。

やっぱりルルーシュ=ゼロの正体バレイベントは最大の見せ場になるはずなので、徐々に徐々に、その見せ場への臨界点をあげていってる感じです。
見てるこっちがヒヤヒヤします。

ピザ失敗のときのC.C.の表情に笑ってしまった。
先週の予告のあの意味深な表情はアレだったのかよ!!
狙ってるなぁ~。


そんな中で、ひとつだけホッとするシーンが。

スザクとカレンの会話です。

あれだけルールに厳格だったスザクがルールを曲げてでも説得する、という道を選んでいます。
確実に変わりました。

やはりあの孤島での一件と、キュウシュウでのゼロからのエナジーフィラー供給のイベントを経て、というかルルーシュによって「生きろ」と命じられ、ユフィによって「生きて欲しい」と願われた=自分を初めて認めてくれた、ことを経て頑なだった心境に変化が訪れています。

これは凄いなー。
やっぱり物語的にもスザクが変化していって、ルルーシュも変化していく。
で、結果も大事だし、過程も大事。
この二人が組むことでそれが証明される、そういう流れを作ってる気がするんだよなぁ。
だから、前述のユフィ(今言うならばルルーシュ的にはユーフェミア)とゼロ=ルルーシュの反目をとりなすのがスザクであって欲しいんだよなぁ。
やっぱり風向きが変わってきたので、素直にスザクに期待しちゃうなぁ。


対して、ユフィの宣言とは別にハッとするのは扇とヴィレッタさん。

ヴィレッタさんは元々は純血派の人なんです。

その人が「イレブンになってもいい」と言ったわけです。

しかもどっちが幸せか?という究極の問いかけ。

第1話の感想のときに書いたんですが、この作品ってきっと色んな価値観があって、それについてどれが正しい正しくない、というのは作中きっと表現しなくて、その中で、君はどう思うか?みたいなところを問いかける、アイデンティティについて問いかける、国を、名前を奪われるってことはそれを取り戻す=アイデンティティの確立を促すってことで、そこが狙いなんじゃないかって思ってて、こういうLOVE?なシーンにもその辺を埋め込んでるのはマジで感心しちゃうな、ほんと。


■ナイトメアフレーム開発史
今回、アッシュフォード家寄贈でナイトメアフレーム「ガニメデ」が登場してましたが、これについてはまず公式HPのナイトメアフレーム開発史を読むことをお勧めいたします。

アッシュフォード家がもともとナイトメアフレーム開発に携わっていて、ガニメデはアッシュフォード家の隆盛を象徴するもの。
ニーナのアインシュタイン家もガニメデ開発携わっていたのは作中でも語られていました(ってあれ?DVDのピクチャードラマだっけ?)。
#だからミレイさんとニーナは幼馴染なのね。

ここでそのパイロットが死亡する、という事件が発生してガニメデとともに、アッシュフォード家は失脚し、学園経営の才能もあったアッシュフォード家はなんとか生き延びる、ということなんですね。
#だからミレイさんはお家の復興を真剣に考えてるし、ロイド伯爵との結婚もそのため。

じゃあ、このパイロットって誰なの?というのがポイント。

今回直球で答えが出てましたが、

そのパイロットは「閃光」と呼ばれていた。
「閃光」という言葉は、コーネリアさまに向けてシュナイゼルが語ったことばですが、これは「誰か」を指していて、まるでその人のようだという意味(照れるコーネリアさまがかわいい)。
先週、コーネリアさまの憧れの人は、ルルーシュの母だったということが発覚。
ガニメデの色は青、この色のドレスを着ていた人がいた。

つまり、ルルーシュの母、マリアンヌとロイドさんがばっちし答えてくれました。

ここで少し考えてみると、マリアンヌさんが殺された背景って、きっと諸説あるにせよ、ナイトメアフレーム開発の黒歴史的に、今のグラスゴーとか開発しているところがしかけた、とか考えることもできるよね。
#まあ、でも他にも説は色々と考えられると思うけども。

一番気になったのは、このタイミングであえて「ガニメデ」を見せてきたこと。
#ミレイさんが、じゃなくて、制作サイドが、という意味。

アッシュフォード家復興に関する動きは今のところミレイさんの結婚話しかないわけですが、他のキャラが二面性を十分に発揮している中で、まだミレイさんは二面性を発揮していない。
ここで、ロイドさんとミレイさんが繋がるわけだから、ナイトメアフレームという線でも繋がる、というのは無くもない。
アッシュフォード家がまだナイトメアフレーム開発を諦めていない、という伏線は大いにありかな、とも思いますよ。

この辺もまだまだ語られてない部分なんで、第2部でやってくれるのかな?楽しみです。


■逆襲のオレンジ
DVD第2巻のオーディオコメンタリーにはジェレミア・オレンジ・ゴットハルト役の成田さんが出演されているのですが、このトークが面白い。
成田さんの人柄がこのジェレミアを引き立てているといっても過言ではありませんね。

そんなジェレミアさん、超・お久しぶりに登場!!

おおおー、ギアスの効かない超人として復活??

スーパーオレンジとして、活躍を期待します。
やっぱりバーサーカー的なキャラ付けになるんでしょうか?
藤堂のカウンターパート的に大・活・躍!!しそうな予感です。
超・強敵になりそうですね。

コードギアス 反逆のルルーシュ DVD2巻


第2話~第4話を収録。
ジェレミアの勇姿を活目して見よ!!
オーディオコメンタリーは成田さん@ジェレミアです(笑)。
あと、ピクチャードラマは必見!!

コードギアス反逆のルルーシュ DVD3巻