5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

あしながさん募集

2007-10-21 22:06:59 | Weblog

駅前でパンフを渡された。「遺児の奨学金を応援してください」とある。電車に乗ってから、パンフを開いてみた。発行は、あしなが学生募金事務局、「募金の全額をあしなが育英会に寄付し、遺児の奨学金にあてます」と書かれている。



あしなが育英会は1967年に開始されている。もう少し早くからあったような気がするが、当時はウエブスターの「あしながおじさん」が学校推薦図書だったから、その記憶があってのことかもしれない。学生募金事務局はそれより少し遅れ、1970年に交通遺児の高校進学支援募金としてスタート、時とともに、災害遺児、病気遺児へと拡大して現在に至る学生ボランティア組織のようだ。現在まで37年間に延198万人が参加し、83億1300万を集めたとあるから、単純に計算してひとり4200円を集めたことになる。立派なことだ。パンフを渡してくれた彼も学生だったのだろうか。



「奨学金が遺児家庭の命綱」と書かれたパンフの中身はかなりキビシイ。ここでも「ワーキングプア」とか「格差社会」というキーワードが見受けられる。2006年の母子遺児家庭の平均勤労年収は145万円、一方で一般家庭の平均は439万円とあるから、ほぼ3分の1しか定収入がないということになる。平均でこれなのだから、もっと収入の少ない母子家庭も多いわけだ。そこへ、税制改正の追い討ちがかかって、NET収入がさらに減る傾向にあるわけだから、奨学金は命綱というのもオーバーな表現ではない。



必然的に奨学金を希望する学生数は増加し、2000年にくらべ、希望者は1.7倍に昇るという。最近の傾向として、父親の自殺による遺児家庭が増加していると書かれ、2006年では全体の17%近くが自死遺児だという。これも「社会のズレ現象」をあらわしていて哀しい。



パンフには、あしながさん募集中とあるが、股下の短い年金フリーターとしては、躊躇せざるを得ない。欧米のように寄付行為が控除の対象で節税に結びつくような社会システムでもあれば、もう少し積極的に参加もできようとおもうのだが。



それより、ODAや海外派兵で使われる膨大な税金の一部でも、国内や海外の教育支援に転用できることにでもなれば、その社会効果は計り知れない。福田政権の立派なPRになるのではないか。






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