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この一件は、ユミの人生において、忘れられない恥ずかしい事件になりました。
ユミの気持ちを察して、ウンは上手く話を合わせてくれました。
こういう優しさがウンの長所の一つですよね。
ウンは、ウギがユミをこっぴどく振った相手だと言う事も察していました。
正直に状況を話すユミを、ウンはちゃんと理解しているような表情で見つめました。
どうしてこんなに理解が早くて、思いやりがあるんでしょう、ウンは。
とにかく、ユミはウンが来てくれたお陰で友人たちに紹介も出来たし、ウギよりカッコ良いと言う評価も貰えたし、何より、ウギに対してプライドを保つことが出来たわけです。
ただ、思いもよらない余波が広がりました。
ユミがついた嘘がそのまま拡散されてしまったのです。
あちこちの知り合いから祝福のメールが届き始めたのです。
ウンの友人の方のウギもその噂を耳にしまして、ウンに確かめに来ました。
ウンは、ノーコメントだと言いました。
耳にしたセイは、またも苛立っています。
ユミに嘘をつかせたのは、感性細胞。リアクション1号と言う細胞を無断で使用し、嘘を吐かせたのです。
細胞村で裁判が開かれ、感性細胞は有罪。1か月の独房入りとなりました。
ユミの信用を落としてしまう結果となり、ウンとの別れる恐れのある危険な行動をしたと言う理由です。
リアクション1号は無期限で使用禁止となり、埋められてしまいました。
この結果、ユミの細胞村の掲示板には、たくさんの同じ内容のメモが貼られました。
『ウンと結婚したくなった』
一方、ウンの細胞村の深い海底に沈んだままだった結婚願望の箱が、動き始めましたよ。
浮上するの
この事件は、今後起こる重要な二つの事件の切っ掛けとなったと、40年後のユミの細胞が後輩細胞たちに話していました。
何
ユミはマラソン大会に出る決心をしました。
だから、ウンと会えない時や暇な時、トレーニングに励み始めたのです。
これは、二つの事件のうちの一つで、結婚に執着しないクールなイメージのためでした。
そしてもう一つは、セイが自分の気持ちに気が付いたことでした。
セイがウンと同じマンションの下の階に引っ越して来ました。
初めての1人暮らしだからと、何かとウンに手助けを求めたり、道具を借りたりしています。
この話をユミにしておこうと思ったウンですが、ユミに要らぬ不安を抱かせるかもしれないと思ったのでしょうね、話すのを止めました。
ユミがマラソンの練習を始めたことが、また次の出来事に発展しました。
練習コースで一人の男性と知り合いになったのです。
ユ・ボビーと言う同じ会社の男性で、最近異動してきた人でした。
とてもカッコ良いと言う評判なのですが、ユミは全く気に留めませんでした。
今現在、ユミの中の男性偵察団の細胞たちが長期休暇に入っているからです。ウンがいるから。
どんなカッコ良い人を見ても、まったく意識に残らないのです。
男性偵察団が休暇に入る代わりに、ユミ守備隊が復帰しました。
知らない男性に声をかけられたりすると、すぐに心の門に鍵をかけて警戒態勢を取らせます。
練習コースで呼び止められた時、守備隊が活動を開始しました。
それが、ユ・ボビーでした。会社で見かけたことがあると言いました。
それに、ユミが失くした傘を拾ってくれていたのです。傘に名前が書いてあったとか。
大切にしていた傘だったので、ユミは大喜びでした。
その時初めて、ユミの意識にボビーの姿がインプットされました。
ボビーには恋人がいると言っていました。ある意味、安心して話せる相手ではありますよね。変な期待とかしないで済むような。
だからと言って、すぐに親しく振舞うような性格じゃ無いユミ。
練習中に偶然会って、少しずつ話をするようになりましたが、あくまでも同僚として・・・です。
ただ、行動パターンが似ているので、あちこちで偶然顔を合わす事も多くなりました。
守備隊は、ボビーの言葉に、少々疑いを抱いたりしていますが、恋人がいると公言しているので、考えすぎか?・・・とも、思っています。
ウンの仕事が忙しく、週末だと言うのに、なかなか会えないユミ。
その夜も、会えないまま終わろうとしていました。
そんな時、ウンが帰宅しているとメールを送って来ました。
愛細胞が、良い案を思いつきました。
ウンにもう寝ると嘘をついて、サプライズで会いに行こうと思ったのです。
翌日が月曜ということで、出社用の洋服も準備して、ワクワクしながらウンのマンションに行ったユミ。
なんとそこで、セイとバッタリ会っちゃった。
セイは、エレベーターに5階から乗り込んで来ました。
理由が分からないユミの当惑した表情を見て、セイはまたもマウントを取って言いました。
ここに引っ越して来たの、聞いてませんか?って
ユミ、呆然としてしまいました。不安が募りました。
そんなユミに追い打ちをかけるように、セイが言いました。
「1人暮らしが初めてだから、ウンにいろいろ借りてるの。」
ドアを開けるなり、ウンが言いました。
「ワイングラスくらい買えよ。」
つまり、セイはまた、ワイングラスを借りに来たってことです。何かと理由をつけて。
ウンの驚いた顔とユミの強張った顔、それに対して、セイの嬉しそうな意地悪そうな顔
ウンとユミの仲がぎくしゃくするのを、楽しんでいる表情です。
めっちゃ腹立つ
ユミは、何も言わずにウンの部屋に入りました。
でも、今にも泣きそうな表情です。
ウンは、ユミの気持ちが分かってるようです。だから、いつもと同じようにユミを招き入れようとしました。
何でもない事なんだと、ユミが心配するような事じゃないんだと言いたげです。
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