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ソン・インは激怒しても、感情的にはならない人なんですねぇ。
サン拉致事件も、ウォンを陥れる罠だったのです。
サンが自分に拉致されたと知ったら、そして目の前で気を失ったサンを他の男に抱きしめられているのを見たら、ウォンの性格じゃ絶対に感情が爆発してしまうと読んだのです。
だから、敢えてサンの拉致を見せつけるようにしたのです。
案の定、ウォンは、忠烈王の寝所に乗り込み、大声でサンを探しました。
無礼な・・・と叱った忠烈王。
「高麗を戦乱の世から太平の世に導いたのは私だ」
と、叫ぶ忠烈王。でもその方法というのは、元に対して服従の姿勢を示すことでした。それによって、ウォンソン公主を妃に迎え、常に皇帝の威光に頭が上がらない状況を作り上げてしまったのです。
そんな方法でも自分が取ったからこそ、高麗は他の周辺国のように消えてしまう事無く、続いているのだと忠烈王は言いました。
ウォンは、我慢しようと思いました。
でもね、母の事を愛人であるプヨンの前でおとしめられるのは、耐えられませんでした。
奸臣の言葉だけを信じ、忠ある者の言葉に耳を貸さない父に、ウォンはもう怒りを抑えきれませんでした。
忠烈王に詰め寄り言ったのです。
「殺されるのが怖いのなら、現状で満足すべきでした。息をひそめているべきでした。私と皇帝陛下である祖父の顔色を見ながら。」
「とうとう本性を現したか」
「はい。」
サンは、奥の部屋で、一部始終を聞いていました。
自分の所為で、父と息子が争っているのは、本当に辛かったでしょう。
ウォンが退出し、世子廃位を忠烈王が口にした時、もう、我慢できなくなりました。
で、忠烈王の前に飛び出し、跪き、王を騙しているのは、ソン・インたち側近だと訴えたのです。
でも、激している忠烈王は、ウォンの廃位を取り消すことはありませんでした。
イ・スンヒュは、これは罠だとウォンに言いました。
思い当たることは多々ありました。ウォン、頭を抱えてしまいました。
リンはサンの情報を掴むために、ソン・インたちの動きを見張っていました。
隙あらば、奪い返そうと言うことです。
リンは、後悔している事がありました。これまでの人生で、後悔するなんてことは無かったのに。
それは、サンにウォンの想いを伝えたことです。
自分の想いを封印し、ただ、主君であるウォンの想いを伝えた事を、ずっと後悔しています。自分の想いを伝えなかった事か、あるいは、ウォンの想いも伝える必要は無かったということなのか・・・。
サンは、リンの兄ジョンに預けられました。
ジョンがウォンからサンを救いだした・・・等という筋書きにするつもりのようです。まーなんとでもなるのね、この時代
でもねぇ、サン、ジョンなんぞに抑えられるわけありません。
縛られていた縄を切り、ジョンを縛りあげ、逃げ出しましたよ。
追っ手に捕まりそうになった時、手を取ったのは、リン。
リンは、怪我をしてるサンを見て、思わず抱きしめてしまいました。
助けられないかと、不安だった・・・と。
リンはサンを、自分の屋敷に連れて行きました。で、ダンの部屋に匿ったのです。
ダンはサンに薬を持って来ました。
そして、ウォンを助けるためにしてくれたことだから・・・と礼を言いました。私の夫になる方ですから・・・そうですよね?と。
縋るようにサンを見つめるダン。
ここで、自分の立場を明らかにしておきたいし、サンからも認めてもらいたいという気持ちが表れていました。
サンもそれに気付き、笑顔で答えました。そうですね・・・と。
ダンはその言葉にほっとしたようです。
ウォンソン公主は、随分穏やかになりました。ウォンが自分を頼ってくれ、志を同じくしてくれた所為でしょうね。
ウォンソン公主は、ウォンが不憫でもありました。
これほどまでに愛しているサンは、ウォンを選びそうにありませんから。
運命の糸がこんがらがってタイミングが合わないということもありますが、サン自身がウォンとリンとの深い友情を壊したくないと思っているのが分かったからです。
翌朝、ウォンがサンの前に現れました。
「世子の座を差し出そうか?そして私たち二人で遊んで暮らそうか?それを聞きに来た。」
サンは、一瞬、心が動いたのかもしれません。勿論、それではいけないと思っています。
でも、ウォンの必死の眼差しを見ると、無下に断る事も出来ませんでしたし、一緒に行きたいという気持ちもあったのでしょう。
その時、遠くの木の陰に人の姿を見つけました。
ダンです。
ダンを裏切ることは出来ませんでした。
「“世子の心が揺らぐのはこの国の不幸だ”先生がそうおっしゃり、私に頼みました。“揺るがぬよう支えてさしあげろ”と。」
そうするつもりです・・・とサンは言いました。
ウォンはがっくりしました。
「なら、戦おう。お前の力を借りる。」
そう言って歩きだしました。
ウォンは分かっていたのでしょう、サンが断ることを。
ウォンは、忠烈王の軍を除く軍を、支配下に収めました。
そして、それらの軍で忠烈王側の軍を動けないようにしておいて、忠烈王の前に進み出たのです。
王宮は兵に包囲させておきました。
充分な威圧です。
忠烈王は怯えました。とうとうウォンが自分を殺して王座に就こうと謀反を起こした・・・と。
で、この時になって自分は父親だぞと叫ぶのです。
廃位の上表分を抱え込み、うろたえまくる忠烈王。
側近のソン・パンヨンも、結局、途中で王を置いて逃げ出す始末。
でもね、ウォンは謀反を起こしたわけじゃないのです。
彼が差し出したのは、ウォンに帝王学を学ばせることを、元皇帝に報告する文書だったのです。
てっきり自分を廃してウォンを王座に付けると言う内容だと思っていた忠烈王は、驚き、唖然としました。
でもね、王座をしばらく明け渡し、ウォンに帝王学を学ばせるという内容なので、譲位したと同じ事になるのかな?
ウォンは王宮全部を・・・いえ、国中をサンの為の鳥かごにしようと考えているようです。
小さな鳥かごには収まりきれないと思っているからです。そうしてまで、サンを手放したくはないと思っているし、サンの為には全てを失ってもかまわないとまで思っているのです。
ほんのひとときの穏やかな時間でした。
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