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ジェホンを一目見て、グムスンは孫だと思いました。
全く疑いは持たなかったようです。
別れた夫にそっくりだと思ったのかしら?それとも、サンチョルを信じ切っていたから
ジェホンとユニは、“家族”と顔を合わせました。
勿論、前もってサンチョルから彼らについての知識は得ています。
彼らが自分たちのことをすぐに信じるとは期待していません。
グムスンの残された人生を幸せにするために請け負った仕事です。彼らとの仲がこじれたり争ったりすることは望んでいません。最期まで、問題なく任務を全うしたい、ただそれだけです。報酬は十分受け取っているのですしね。
財産目当てだと疑われても当然だと思ったので、最初にジェホンは言いました。
「おばあちゃんと過ごしたことがないから、正直、家族と言えるほどの情はありません。でも、お祖母ちゃんは唯一の家族です。亡くなるまで、孫として孝行したいんです。」
ユニも言いました。
「最期を見届けたら、私たちは帰ります。ですから、お気になさらずに。」
セギュは、これを聞いて、態度を変えました。
まったく、現金なモノです
でも、セヨンは言いました。
「ずっとこの家で暮らしてほしい。」
ジェホンとユニは驚き、戸惑い、慌てました。
セジュンとセギュ、そしてセジュンの妻ジウォンは驚きました。
グムスンは、それまで弱々しかった姿は嘘のように食事の支度をしました。
そして、クッパを作りました。
南に逃れて来たグムスンが、1人で生きて行くために始めたのが、クッパ屋でした。
それが、繁盛したことが現在のホテル業へとつながったのです。
そのクッパを、ジェホンは感動したように食べました。
グムスンは心から喜び、セヨンもジウォンも嬉しそうでした。ジェホンと言う人間に好感を抱いたようです。
しかし、その雰囲気に水を差すように、セジュンが質問しました。
「韓国にはどうやって来たんだ?」
確かに、北朝鮮から出国することは、無知な私が考えても難しいと思えますもんね。
ジェホンは、サンチョルが全て手配してくれたと言いました。
国家情報院の調査は?と、さらにセジュンが聞きました。
ここで、ユニが答えました。
「北朝鮮では多くの人が世帯登録をしていません。私は中国の朝鮮族で、結婚後、夫も中国籍になりました。だから、韓国に来られたんです。皆さんが誰にも言わなければ何も問題はありません。」
ほっとしたのも束の間、次はグムスンから昔の話をされました。
最後に会った時の話です。
その時、なんて話をしたか、覚えてる?と。
焦りました、ジェホン。
で、正直に言いました、覚えていない・・・と。
でも、一つだけ覚えてる・・・と言いました。怖かった・・・と。
「お祖母ちゃんの温かい手を離した途端、行きかう大勢の人が大きく見えて怖くなった。俺は小さかったから。遠ざかるお祖母ちゃんの後姿を見て“また手を握ってほしい”そう思ったけど、言えなかった。それだけは覚えてる。」
グムスンは涙がこぼれて来ました。ジェホンの手を取って、何度も頷きました。
流石役者と思ったのですが、それは、ジェホンが経験した思い出だったようです。
実際、ジェホンは母親に捨てられてしまったようですね。遊園地で・・・。
だから、リアルだったのでしょう。
セジュン、セギュ、そしてセヨン、ジウォン、家政婦のジョンスクにとって、グムスンのこんな嬉しそうな顔を見るのは初めてだったようです。
サンチョルも久しぶりだったようですね。
それだけでも、成功と言わざるを得ない気がしたようです。
用意された部屋に入って、ジェホンとユニは初めてほっとしました。
何とか、初対面のシーンをやり遂げた感がありました。
翌日、セヨンがジェホンを引っ張り出しました。
初めての韓国なんだからと、あちこち連れまわしたのです。
これも、前もってサンチョルから予想されていた行動の一つです。
セジュンとセジュは、受け入れるのは難しいだろうが、セヨンはいろんな事情から、ジェホンに近づくと思うとサンチョルはあらかじめジェホンとユニに説明しておいたのです。
ユニは、三兄妹とグムスンはジェホンが相手をし、自分は家にとどまってジョンスクと親しくなろうと考えました。
ジョンスクはもう30年もの間、グムスンに仕えている人で、グムスンが一番信頼している人と言えます。
柔らかく親しみ深いジョンスクですが、観察眼もしっかりあるようで。
ユニの手が綺麗なのを見て、夫に大切にされている証拠だと言いました。
北朝鮮で苦労したら、こんなに綺麗な手ではいられないってことですよね。
ジョンスクは、特に変に思ってはいないようですが、ユニは、焦りました。
ジェホンとユニが心配なのは、自分たちが北朝鮮の現状を殆ど知らないと言う事です。
生活習慣とか、流行りとか。
でも、考えようによっちゃ、彼らだけじゃなく、誰も本当のところは知らないわけで。
だから、自分たちのやり方が即ち、現在の北朝鮮だと思わせる事が出来ると思いました。
それで少し気が楽になったのですが・・・。
でも、ちょっとの油断が後々響く大きなミスに繋がる可能性もあるわけです。
ジェホンは、セヨンとソウルの街中でカフェに入った時、つい、口走っちゃったんですよ。
「アイスアメリカーノ。」
って。
北朝鮮にもあるの?と、セヨンに聞かれ、顔が強張るジェホンでした。
セヨンは、ジェホンを楽しませたくて、ソウル案内をしたのですが、自分の方が楽しませてもらった事に気が付きました。
ジェホンといると、とても心穏やかで、自然でいられます。
セジュンは、サンチョルに、自分がジェホンを疑っている事を隠そうとしません。
ジェホンの目的が何なのかと、サンチョルに聞きました。
言ってたじゃないですか、孫として孝行したいと・・・と、サンチョル。
「私が忠実なのは、ホテルではなく、会長にです。ムンソン坊ちゃまは客人ですから、元の場所に帰ります。心配無用です。」
セジュンがイマイチ、ホテルに対しても、グムスンに対しても愛情を感じてるように見えないのは、グムスン自身の心のあり様に原因があるようです。
グムスンの体は南にあって自分たちと一緒にいるけれど、心は北に残して来た家族の元にあるとセジュンはずっと感じてきていたようですね。
ホテルの大株主の一人を説得しようと、セヨンは連絡を取りました。
ホテル売却を阻止しようと必死なのです。
ところが、それはドンジェだったんです。
セヨンは、株を買い戻そうと考えました。とにかく、ドンジェとは縁を切りたいようです。
ドンジェはよりを戻そうと考えています。
だから、セヨンの提案を拒否しました。
一方、グムスンの本当の孫ムンソンは、中国で必死に生きています。
お金を稼いでいるのは、祖母に会いに行くためかも。
グムスンの情報は、ちゃんと知っているようです。
セヨンがジェホンにホテルを案内すると言いました。
そこで、偶然、ドンジュに会いました。
セヨンが見た事も無いような笑顔で話しているのを見て、嫉妬したようですね、ドンジュ。
三角関係の予感