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サンチョルは、グムスンの傍でずっと支えて来たようです。
元総支配人として、そして、最側近として。
だから、グムスンがどれほど孫のムンソンと会いたがっているかを知っています。
海の傍に高い灯台のようなホテルを建てたいと考えていたのもムンソンがすぐにわかるようにと思ったからでした。
しかし、ヨンフンが死に、消息が分からなくなってから随分時間が経った上に、余命3カ月となってしまった今、もう再会の可能性は無いと思えました。
サンチョルは、グムスンに悔いを残して死んでほしくないのでしょうね。
誰にもムンソンを探していることを言わず、長い年月、探し続けて来たようです。
ジェホンを見つけたのは、偶然だったのかもしれません。
が、彼ほどムンソンを演じるのにぴったりな人物はいないと思ったようです。
突然の思いもよらない依頼を聞いたジェホンは、何度も確認しました。
ある老女の最期の願いが、北朝鮮にいる孫に会う事。しかし、孫を韓国に連れてくることができない。だから、その孫になりきれる人を探していること。
そして、サンチョルがジェホンに依頼しようと思った理由を話しました。
孫と歳が近く、北朝鮮の訛りを話す役者だということ。小さな劇団に所属する無名の役者だということ。人生を変えるためなら、なんでもしそうな役者だということ・・・と。
依頼の内容は理解出来たジェホン。
しかし、それは詐欺ではないかと気になりました。
「誰かの幸せのためにつく嘘が、犯罪や詐欺に当たるだろうか。」
と、サンチョルは言いました。
期間は3カ月。報酬は十分払うと言いました。1か月1億Wと聞いて、ジェホンは心が動きました。
セヨンは、兄のセジュンがホテルを売却する意思を変えようとはしないのが不安でなりません。
次兄のセジュを味方につけようと思いましたが、元々セジュはホテル経営に全く興味が無く、ずっと前に議決権を放棄したくらいです。
遊び人ではありますが、家族を愛していて、兄妹との仲が悪くなるのを嫌がっています。今のまま、楽しくお気楽に、そして家族と共に幸せに暮らしたい、それだけのようですね。
だから、セヨンに味方して、ホテル売却に反対の手を揚げる気はありません。どちらかにつく気は無いのです。
グムスンは、セジュンと話をしました。
ホテルが、自分たち家族を守って来たとグムスンは言いました。
しかし、セジュンはそうは思っていない様子。
ホテルが幸せな記憶を思い出させてくれると考えているセヨンやグムスンとは違い、悲しい記憶に繋がるもののようですね、セジュンにとっては。
「お前には時間がある。そんなに急いで考える事はない。」
グムスンは、そう、セジュンに言いました。
決して強引にセジュンの考えを否定するようなことはしませんでした。
この作品の良い所は、グムスンの家族がそれぞれに冷静で感情的に話をしないところです。
考え方が違うと、感情的になって大声で口論したりするのが韓国ドラマの財閥のあるあるですが、今のところ、そういう嫌なシーンがありません。
グムスンの余命を家族全員が知ってて、その間、グムスンに心穏やかに過ごしてもらいたいと思っているのが、感じられます。
グムスンが如何に優しく孫たちを育てて来たかが、分かるような気がします。
ただ、今後、ジェホンが加わる事で、その穏やかな水面に波風が立つようになるんでしょうね。
ところで、常に冷静沈着で感情を露わにしないセジュンですが、決して冷たい人間ではありません。
家政婦のジョンスクに対しては、とても優しく温かい態度を示しています。
もしかしたら、両親を亡くした後、母親代わりに育ててくれたのかもしれませんね。
ジョンスクも、グムスンをはじめとした家族全員に誠実に仕えています。
ジェホンは役者以外にもアルバイトをしています。
それが、恋人代行のようなこと。
今回、ヒョジンと言う女性の依頼で、しつこくアプローチする男性を追い払うために、恋人に成りすましました。
このヒョジン、実は、セヨンの後輩です。
後々、ややこしくなりそうですね。
ジェホンは、まだサンチョルの依頼に返事していません。
しかし、受けたオーディションは落ちるし、このままでは、今の生活から抜け出すことは困難と思われました。
「観客がたった一人でも、俺の演技で幸せになる人がいれば、それが理想の演技で真の役者だと思う。」
と、サンチョルに言いました。
「俺の演技で老女の最期を幸せにできるなら、引き受けます、その演技。」
その答えを聞いたら、今度は言い出しっぺのサンチョルの方が不安になって来ました。
本当に上手くいくんだろうかとね。
とにかく、この芝居は、観客に“芝居”だと気付かれてはいけません。
ホテルの1泊2000万Wと言うVVIPルームに3カ月と言う長期滞在の予約が入りました。
セヨンは、その客に挨拶に行きました。やっぱり大切にしておかなくてはいけませんよね、そんな顧客。
チョン・ジュヨンと言う名前の女性かと思いきや、なんと、実際に宿泊するのは、ぺ・ドンジェ=クォン・サンウssiと言う男性。
ドンジェは、セヨンの元婚約者だそうです。
まだセヨンに未練がた~っぷり残ってるようですね。
セヨンは全く吹っ切れてるようですが。
サンチョルは、“芝居”のお膳立てを始めました。
まずは、ジェホンがムンソンだと言うパスポート等の偽造を、ムンソン探しを依頼していた興信所のテジュに依頼。ムンソンを探していたことは絶対に口外するなと念を押す事も忘れませんでした。
ムンソンには妻のジンスクがいると言う設定です。
ジンスクは、ジェホンの劇団仲間のユニに依頼しました。
ユニは、元々法学部の学生で、アメリカの大学に在籍しているようですね。
母親が弁護士と言う恵まれた家庭に育ったようですが、あまり娘の生活に関心が無さそうです。
ユニは、新しい芝居をするから、3カ月はアメリカに戻れないと母親に言いました。
本物の、リ・ムンソンは一人中国にいました。
グムスンに、ムンソンを見つけたと、サンチョルが報告したことから、計画は動き始めました。
即、グムスンは、家族を集めて言いました。
北朝鮮に残して来た孫が見つかった、自分が生きてる間、この家で一緒に暮らす・・・と。
特に大きな反応はありません。
セジュンもセヨンも至って平静な態度です。
以前から、北朝鮮に孫がいると言う事は、聞かされてきたようですから。
驚いて興奮し、戸惑いの態度を示したのは、セギュだけでした。
セヨンは自分より年下の従弟と言う事で、ちょっと嬉しそうです。
セジュンは、このタイミングで孫が見つかったと言うのが、気になっていました。
そして晴れたある日、ジェホンとユニが、ムンソンとジンスクとしてグムスンたちの前に現れたのです。