ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

尾瀬のマイナーコースを歩いて来ました――2日目

2013年05月13日 | 雪山/尾瀬

2013/5/4  いよいよ2日目です。今日が今回の山行の核心日。富士見峠~白尾山~皿伏山~大清水平 の僕が未体験のコースを歩くのです。1日目のコースは10人前後の登山者と行き交いました。尾瀬ヶ原~富士見峠~アヤメ平~鳩待峠 と歩く登山者が多いようです。でも、今日のコースはあまり歩く登山者はいないと思います。自分でルート読みをしなければなりません。

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▲早朝4:30ころです。陽はまだ昇っていません。テントの中から覗いた、外の風景です。左の山はもちろん燧ケ岳2356m。

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▲外に出てみました。4:38ころ。

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▲朝日が昇って来ました。4:59ころです。

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▲今朝の朝食もK嶋さん担当です。ラーメン、なんと! チャーシューとゆで卵入り! 重い食材を担ぎ上げてくれて感謝です。6:28ころ。
今回の山行は徹底的にのんびり! 4時過ぎには目覚めていたのに、凍りついているテント内をバーナーの熱で暖めてから、ゆっくりとティータイム。それからぼちぼちと朝食作りをしました。

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▲朝食を終え、食後のお茶を飲み、やっと片づけ始めます。テントをたたんで、それを持つ僕はそれからのパッキング。出発の準備が出来てから、アヤメ平の北方へ3人で散歩に出かけました。8:53ころ。
写真をクリックすると、山名を書いた小さな文字が読めると思います。この山々の山頂は踏んだことがあります(赤倉岳だけは直前まで)。最左端に見えている尾根の一部は至仏山の北尾根。その右の山々はどこなのでしょう。魅力的な純白の山々ですね。

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▲望遠でのぞいた景鶴山と平ヶ岳です。8:54ころ。

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▲ザックを置いてある場所まで戻る二人。8:56ころ。

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▲同じく、戻る二人。左の山は日光白根山。8:58ころ。

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▲いよいよ出発です。アヤメ平は吹きっさらしで雪が飛んでしまうのでしょう。木道の一部が見えていました。前方の山は燧ケ岳。9:05ころ。

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▲道標がありました。ここがアヤメ平の最高地点なのでしょうか。1969mだそうです。9:06ころ。

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▲地図で確認すると、左に見える山頂が平らな山が白尾山2003m、中央少し右の三角形のすっきりした山は荷鞍山2024.0mのようですね。9:07ころ。

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▲富士見田代でほとんどの足跡は北の尾瀬ヶ原へ続いていました。富士見峠へトラバースする途中に富士見小屋が見えます。この小屋はGW中もお休み。9:36ころ。
誰もこのコースには入っていないかも、と覚悟していたのですが、スキーと壺足の一人ずつが入っていました。残念な気持ちもありますが、本音は少しホッとしています。
前方に平らな山容の白尾山が見えています。朝はほとんどの空を覆っていた雲もだいぶん少なくなり、どんどん快晴へと近づきつつあります。

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▲富士見峠を過ぎ、後ろを振り返るとアヤメ平の稜線が見えています。テント横の樹林の先には出ないようにしていましたが、正解ですね。雪庇が発達していました。10:06ころ。

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▲昨日まで低温でしたが、今日からは気温が上がるようです。雪も腐れ始め、ザックの重い僕は足がときおり潜り始めます。
この冬痛めた右膝も、思えば雪に深く足が潜ったからです。何の前触れもなしに突然足が深く潜ると、足にはかなりの力がかかるようです。また、足を捻ったりしたら大変と、僕だけワカンを履きました。10:33ころ。

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▲2000m近くに標高も上がって来たので、背後の至仏山がよく見えるようになりました。至仏山の右下手前には昨晩泊まったアヤメ平も見えます。11:06ころ。

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▲白尾山2003mに着きました。11:14ころ。
燧ケ岳の右下手前に見えている平らな山が次の目的地の皿伏山1916.8mです。燧ケ岳の右麓にチラチラと白く見えているのが尾瀬沼です。北と南の両端だけが見えています。尾瀬沼のすぐ手前、山中にある小さな白い部分が分かるでしょうか? おそらくそこが今日の最終目的地の大清水平でしょう。

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▲白尾山から東方面を眺めています。谷の底には大清水バス停もあるはず。写真の右側に三角に尖った山がありますが、それが物見山2113mでしょう。その向こう側には鬼怒沼湿原があり、左に鬼怒沼山2140.8mがあります。写真中央少し左側に見える平らな山が黒岩山なのだと思います。2009年GWには物見山~鬼怒沼山~黒岩山~尾瀬沼と歩いたのです。
物見山の右下の谷の中には僕の遡行した大薙沢や湯沢の流れもあります。

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▲どんどん気温が上昇し、とうとうS子とK嶋さんもワカンを履くことになりました。12:28ころ。

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▲白尾山の先も一人の登山者のトレースが付いています。ずっとそうでしたが、その足跡には頼らずに自分のルートファインディングで歩いて来ました。でも、少し不安になると、その足跡の存在はすごく安心感を与えてくれます。トレースがあるはずの方向へ近づいて行き、それが見つかるとホッとするのです。
白尾山からの下りもそうでした。どの方向へもなだらかな下りが続きますから、間違えやすい下りです。途中の1821m標高点がなかなか出て来ません。この頃から高度計を持って来なかったことを悔やみ始めていました。
それでも無事に白尾山と皿伏山のコル、セン沢田代に到着。ここからは登りです。久し振りの登りと暑さでちょっとぐったりするS子。13:14ころ。

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▲この木は何の木でしょうか? ダケカンバでしょうか? 立派な木がたくさんありました。登りが続きますが、まだこの辺りはさほど急登ではありません。13:35ころ。

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▲急登になって来ました。登り易い箇所を探してトップの僕は右に左に探しながら登ります。13:55ころ。

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▲皿伏山山頂には14:20ころ到着。山頂には反対側から登って来たスキーヤーが一人休憩していました。我々も少し休み、山頂を後にしたのがこの写真の14:38ころ。
標識はありませんでしたが、この写真のあたりが山頂でしょう。

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▲この写真ではすでに大清水平に到着しています。手前に雪を踏み固めた部分が見えていますが、ここにテントを張りました。15:57ころです。
山頂を出てから1時間20分ほど経過しています。無雪期のコースタイムは40分ですから倍ほどかかっています。皿伏山からの北から次第に北東方向へ延びている尾根は丸く広がったなだらかな尾根。どこを下っても顕著な尾根型にはなっていません。移動した距離感覚も大いにずれていたようです。後で分かることですが、実際に移動している距離よりも多く移動していると勘違いしていたのです。その結果、「どうしてまだ、◎◆▲な地形が出てこないのだろう?」と、自分の現在地把握とのずれに悩み始めていたのです。地形図に出ていない小さな湿原を地形図に出ている湿原だと誤って認識したりと、自分の誤った現在地把握を裏付けるような情報もあったりするので、ますます混乱して来ます。やっぱり、高度計は持ってくるべきだったと、ここでも反省しきり。
ただ、燧ケ岳がときおり顔をのぞかせますし、だいたいの方角さえ間違えなければ、大清水平には行き着かなくても尾瀬沼には出ることは分かっていたので、それほど心配はしていませんでした。それに幸運なことに大清水平が近づいて来て、離れてしまっていたトレースにも再び出会い、本当にホッとしました。

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▲中央少し左に僕たちのテントが見えています。テントを張り終えて、僕は水作りのための雪を取りに出ました。16:33ころ。
湿原中央部は雪が綺麗なはずだからと歩いて行くと・・・・

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▲湿原の一箇所が融けて地面を見せていました。ラッキー! 雪を溶かして水を作るのと、最初から水があるのとでは労力も燃料消費量もぜんぜん違います。
ほんの僅か色が付いていますが、無味無臭でいい水でした。16:50ころ。

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▲K嶋さんはどれだけ大量の食材を持って来たのでしょう! 今日の食当はS子ですが、フライパンで炒めている食材はすべてK嶋さんが背負って来たもの。行者ニンニクはまだたっぷり、昨晩と違うのは竹輪がたっぷり入ったこと。18:17ころ。

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▲今晩のメインディッシュは豚汁。お肉たっぷりです。手前の白いのは鰯のジャコ天、オツな酒の肴です。19:09ころ。

2日目の今日のコースは歩いている最中は結構ハードに感じていましたが、歩き終えると、さほど疲れてはいませんでした。のんびり山行を予定していた割にはハードだったというだけで、アップダウンもさほどありませんし、風もなく寒くもなく(暑いくらいですから)、ちょうど心地よい疲労感です。僕は食欲も旺盛で、酒もすすみ、楽しい夜。
テントの裏手は西方向なのですが、北側もともに山を背負った天場なので風はまったく吹いて来ません。昨晩とは大違いです。実に静かな夜です。
外に出てみました。広い湿原の真上に開けた漆黒の闇夜に満天の星空が広がっていました。ほぼ真上に大きな北斗七星が輝いています。S子もK嶋さんもこの星空には感動していました。写真が撮れなかったのが残念です。   

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