ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

復活登山の第2弾は奥多摩の天地山から鋸山。山仲間に声をかけてもらって歩いて来ました

2021年12月08日 | ハイキング/奥多摩

12月5日の日曜日、同じ山岳会のK野さんに誘われて、奥多摩の天地山へ行きました。山の仲間というのは実に有難い存在ですね。感謝しかありません。

 

最初の計画では天地山~鋸山~鞘口山~江戸小屋山~九竜山、と言ったコースだったのですが、おそらくそれでは僕が大変だろうと、変更してくれたんだと思います。鋸山から鋸尾根を直接奥多摩駅に下山することになりました。鞘口山を回れば、僕の足ではほぼ確実に日没後の下山になってしまいそうですからね。

 

それにしても山仲間と歩くのは実に1年9ヶ月ぶりのことです。それだけでも、心がウキウキしますね。1年9ヶ月前はSS木さんとS子と3人で歩き、茅ヶ崎ロックに下山し、岩トレしていた仲間に合流したんです。

 

朝も久し振りに早い電車(と言っても以前はこれが普通だったのですが)で奥多摩へ向かいました。電車内は登山者で溢れていて、これも久し振りのことですね。奥多摩駅に着き、駅前広場へ出ると、K野さんとT原さんが声を掛けてくれました。1本前の電車で来たんだそうです。それからW泉さんやS上さんとも合流しました。本当に懐かしく、嬉しいですね。SS木さんも参加する予定だったのですが、今朝起きると微熱があったとのことで、急遽不参加。残念です。 

 

▲8:32。奥多摩駅前の商店街から海沢方面へと出発です。

 

▲8:58。後方に見える尾根は前回僕がひとりで登ったゴンザス尾根です。(K野さん撮影)

 

▲9:07。この日の奥多摩の最低気温はマイナス3度とありました。まだ日陰ではが残っています。

 

▲9:13。前方の山の斜面に建っているのは東京多摩学園。天地山へは学園の前を左へ進みます。

 

▲9:20。学園前を左へ進むと、天地山への標識がありました。この標識がなかったころはこのまま左へ進んで、適当な場所から尾根に取り付いていたと思います。

 

▲9:34。多分、途中で左へ進まずにまっすぐ行った方が良かったんだと思います。確かにそこでは左の方がいいかな、と思えたんですがね。こちらはそのうち踏み跡も消え、完全な藪漕ぎになってしまいました。それだけならいいのですが、棘の多い植物も混ざっていたので、掴むと痛い! 半袖の元気者K野さんはなおさら被害を受けてましたね。

 

▲9:57。藪漕ぎを抜けて、尾根に出ました。そこからは明瞭な踏み跡が付いています。

 

▲10:29。寝転がって居たいような落ち葉の斜面です。

 

▲10:46。クマの爪痕でしょうか?

 

▲11:21。天地山に到着。(W泉さん撮影)

 

松浦隆康氏の『バリエーションルートを楽しむ』(新ハイキング社)にこの天地山にまつわる言い伝えがよく纏められていますから、抜粋して掲載したいと思います。

「『海沢村地誌』には、天地山のことを「割山(さけやま)」とか「天地の割山」と表記されており、割山という名前は、海沢の昇竜伝説と係わりがある。

昔、海沢一帯は沼であり、地底に一匹の竜が棲んでいた。ある時、竜が沼底を揺るがして天に昇り、その時の地鳴りで向雲寺と海沢神社との間で沼が決壊した。天地山は、昇竜によって天地が割れた山という意味を持つ。天に昇った竜は再び地に舞い降りたが、向雲寺裏山の神路山頂で岩に化したという。ちなみに向雲寺の山号は竜岩山である。」

ちなみに、奥多摩の山を愛する者たちにとってのバイブルとも言われている宮内敏雄著『奥多摩』には今の鋸山のことを天地山だとしている。天地山のことは高岩山と呼んでいる。どちらが正しいかの確証はないが、個人的には現在の呼称どおりがいいのではと思います。その理由ですが、今の天地山の方が昇竜伝説の持つ神秘的なイメージに近い感じがするからですね。

 

▲元気者のK野さんは天地山山頂にあった木の枝で懸垂を始めました。何回もやってます。顎もずいぶん高くまで持ち上がっています。(W泉さん撮影)

 

▲他のメンバーもチャレンジしました。僕もやってみましたが、1回だけしたら疲れてしまって、2回目をする気にはなれません。(W泉さん撮影)

 

▲11:27。天地山山頂南西斜面は岩場の急斜面でした。2014年4月にS子とふたりで天地山に来ていますが、ここの下りでS子が大変だった記憶が残っています。もう、こういう山は無理だな、と感じた記憶があります。

 

▲11:32。ロープが付いている箇所もありました。

 

▲12:05。踏み跡通りに辿って来ました。鋸尾根が見えています。登山者の声も聞こえてきます。

 

▲12:10。鋸尾根の登山道へ出て来ました。

 

鋸山(1109m)山頂での記念撮影。

 

▲ここでもK野さんはトレーニング。足をこの位置まで持ち上げられるのは凄いですね! コロナ禍で山へ長い期間行けなかったK野さんですが、筋トレはしっかりやっていたようです。

 

▲13:04。鋸尾根下降中、木の間から天地山が見えました。奥多摩の槍とも呼ばれているそうですが、確かにそうですね。

 

▲13:30。左からK野さん、W泉さん、S上さん、T原さん。後方の山は石尾根だと思います。

 

▲13:42。鋸尾根途中のクサリ場。K野さんは鎖に頼らずにクライムダウンして来ました。

 

▲14:28。愛宕神社の鳥居です。

 

愛宕神社というのは火伏せ(防火)の神様を祀っているんだそうです。修験道の祖とされる役小角が関わっているので、行者たちが修行を重ねる岩山に愛宕神社が祀られることが多かったようです。奥多摩の愛宕山も岩山。元来、麓の地名にもある登計(とけ)山と呼ばれていたようで、登計はトケ→トッケであって、つまりトッキ、突起なんですね。

詳細は忘れましたけれど、僕は昔こんな実話を聞いたことがあります。

「今のむかし道にある白髭神社を火事で焼失させてしまった(放火ではなく過失だったと思います)男がいました。そのまま逃げたのですが、愛宕神社の神様が夢の中に繰り返し出て来て、彼を苦しめたんだそうです。数日後、彼は自首し、心は楽になりました。その火事の跡は今の白髭神社の脇の石灰岩の岩壁に黒く残っています。この事件はそれほど古い時代のことではないようですね。明治時代以降のことだと思います」

 

▲鋸尾根最後に待ち受けている関門がこの188段の階段。みんなにけしかけられてK野さんが階段ダッシュをしました。元気ですね! 降りて来たばかりの階段を、再度上って下って来るのです。さすがのK野さんも疲れたようで、上部で足が止まってましたね。

 

▲14:55。鋸尾根の下山完了です。(K野さん撮影)

 

▲14:56。これから駅へ向かいます。

 

▲14:57。昭和橋上から氷川の町を見る。写真中央上部に見える白い岩場は氷川屏風岩。また行ってみたい岩場ですね。

 

▲15:07。2020年に駅前の公衆トイレを新しくしたんだそうです。綺麗になっていました。左には多機能トイレも設置されていました。

 

みんな天益に行きたかったんですが、鋸尾根の途中から電話を入れた際、今日の天益は予約の客だけで手一杯だということでした。降りて来て店を見ると、すでに終了との札が出ていました。鍵も掛かっています。

 

天益の代わりに『むら㐂』に入ることにしました。カウンターに我々5名が入って独占です。

 

▲左からT原さん、K野さん、僕、S上さん、W泉さん。複数の人と居酒屋さんで飲食を共にするのも1年9ヶ月ぶりです。ちょっと嬉しくてお酒を飲み過ぎたかもしれません。芋焼酎お湯割りを3、4杯、日本酒を1杯飲みました。普段飲む量の数倍飲んでしまいました。山仲間と山の話をする。堪えられない悦びですね。(W泉さん撮影)

 

▲酔っ払いが電車の床で寝落ちしているわけではありません。僕が30代40代の頃は、帰りの車内がトレーニングジム化していたとの話題の一環で片腕腕立て伏せを始めたのはいいのですが、筋力低下の影響か、それとも単なる酔い過ぎか、1度も出来ずにこの有り様。写真に撮られているとは思いませんでしたが。(W泉さん撮影)

 

▲そのW泉さんもチャレンジ。これは誰が撮影したんだろう?

 

もちろん、乗客が増えてくると、僕たちも大人しくしていました。こんな馬鹿なことが出来るのも山仲間だからです。

 

僕にとっての2回目の復活登山。1回目は単独でしたから、自分のペースでゆっくりと歩きました。今回は仲間と一緒なので、そのペースにある程度は無理しない範囲で合わせて歩きます。ですから、自分だけのペースよりもほんの少しですが速くなります。休憩も少なくなります。先頭を歩いていたK野さんは僕のことも考えて少しゆっくりなペースで歩いてくれたんだと思います。彼は2リットルのペットボトル4本に水を入れてザックに入れていました。他にもザイルや金具の登攀器具を入れていましたから、ザックの重さは20kg前後はあったようです。とは言え、特に遅れることなくみんなと一緒に歩けたことは少しだけ自信につながりました。

 

ですが、下山の翌々日から肉体へのダメージが現われ始めました。筋肉痛です。久し振りに腰も痛くなっています。今の僕にとってはハードな山行だったようです。このレベルの山行をして、肉体を傷めつけ、そこから回復し、そんなことを繰り返すことで、山体力が復活していくんだと思います。

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