ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

日陰名栗沢の遡行は僕にとっての山体力復活作戦の第2ステージです

2022年06月21日 | 沢登り/多摩川日原川水系

昨年の11月からスタートした僕の山体力復活作戦。11月21日ゴンザス尾根~本仁田山~大休場尾根が最初でした。それから7ヶ月近く経ちました。自分自身の山体力の復活レベルですけれど、最盛期の自分と比べたら5割くらいだと思います。でも、加齢による必然的な衰えもあるでしょうから、7割くらいまでは戻ったのかもしれません。まだまだ後3割はアップさせねばなりませんね。

沢登りシーズンに入りましたから、一般登山道を『標準コースタイムで歩く』シリーズ№6までで止まったままです。ただ、コースタイムで、否、それ以下で歩くことは出来るようになったと感じています。ですから、僕は次のステージに進むことにしました。それは「これまでよりもコースタイムが長いコースを歩く」ことです。これまではコースタイム数時間のコースがほとんどでした。それを7~9時間に長くしてみたいのです。それをコースタイムとあまり変わらない時間で歩きたいのです。

『少し長い距離を歩く』シリーズ№1に選んたのは日陰名栗沢でした。アプローチが2時間、沢中3時間30分、下山2時間30分で、トータル8時間です。

同行してくれるYYDの仲間3人も屈強なメンバーばかり。マラソンを最近になって何十回と完走しているSRさん、トレラン得意なS上さん、地図読み名人のT橋さんです。T橋さんは今年の1月8日湯久保尾根~御前山(登頂できず)~境橋を誘ってくれました。その時はコースタイム4時間40分7時間20分(休憩込み)もかかっています。

 

2022年6月18日(土) 東日原~日陰名栗沢~峰谷

▲9:48。東日原バス停を9時ころにスタートし、途中のトイレを利用しました。前方の橋は八丁橋ですが、ここまでのコースタイムは1時間です。T橋さん(左)とSRさん。

 

▲10:00。マタタビです。蕾が葉の下に隠れていました。白い花は2cmほどの綺麗な花ですが、葉の下で下向きに咲くので目立ちません。目立たない花の代わりに、この白い葉で昆虫などを呼び寄せているのだそうです。

 

▲10:19。日陰名栗沢への下降点の目印がこの距離標識です。これは日原林道の起点からの距離だと思います。林道が右にカーブしていますが、そこから左へ下っていくのです。

 

▲10:19。下降点にはカーブミラーもあります。

 

▲10:20。山側にはこの看板も付いています。昔昔、40年近く前になりますが、日陰名栗沢への下降点を間違えて、ずっと下流に下りてしまったことがありました。出合まで日原川を遡行し、何とかその日のうちに日陰名栗沢を遡行したことがありました。

 

▲10:20。カーブミラーの左には明瞭な踏み跡があります。

 

▲10:31。でも、途中から踏み跡はあるもののとんでもない急降下になってしまいます。今回の下降ルートが今までで一番シビアだったような気がします。(撮影:S上)

 

▲10:34。日原川本流の小さな広場に降りました。写真はS上さんですね。

 

▲10:59。この岩のことを光石と呼ぶのでしょうか? いよいよ遡行スタート。

 

▲11:00。光石のほんの少し上流に日陰名栗沢の出合があります。この日は梅雨シーズンなのに水量は特に多くはないようでした。

 

▲11:05。日陰名栗沢は日本庭園のように美しい沢です。大滝はなく、小滝ばかりです。しかも、ナメやナメ滝が多いのです。岩はを纏い、緑に輝いています。

 

▲11:18。今日のメンバーは僕の『少し長い距離を歩く』シリーズを理解してくれています。長い距離を歩くということは、僕にとっては少し速いペースで歩くということでもあります。僕が自分なりのペースで歩けるように、僕が先頭を歩くことを優先してくれています。右から、T橋さん、S上さん、SRさん。SRさんはほとんどの山行で先頭を行くのですが、この日はラストで歩いてくれています。

 

▲11:19。2条の小滝ですね。

 

▲11:26。綺麗な滝です。どこからでも登れそうですね。

 

▲11:27。左から登ったようです。

 

▲11:30。SRさんが滝の上に立っています。

 

▲11:32。直登できなくもなさそうですが・・・・

 

▲11:37。高巻くことにしたようですね。

 

▲11:40。休憩するのかな? (撮影:S上)

 

▲11:48。最初の休憩ですね。(撮影:S上)

 

▲この写真の撮影時刻は分かりません。でも、僕の遡行中の写真は珍しいので、掲載させてもらいました。右上はT橋さん、左は上から僕、S上さん。(撮影:SR)

 

▲11:56。岩にはもちろん、流木にもむしています。

 

▲12:05。一ヵ所、沢の右岸が崩壊していました。

 

▲12:20。ちょっとシビアな高巻きをしました。沢床に降りる直前です。皆、倒木を伝って慎重に降りて来ましたが、ラストのSRさんはカモシカのように山の斜面を飛び跳ねて降りて来ました。

 

▲12:27。T橋さんが切り傷を作ったみたいで、S上さんがテープで止めてあげています。

 

▲12:36。沢登りの好きな風景。もちろん水の風景は第一かもしれませんが、僕は沢の途中で見る森の美しさが大好きです。

 

▲12:43。むす風景と巨樹の存在感。

 

▲12:46。巨樹の正体がこれです。カツラの樹でしょうか?

 

▲13:30。支流の水を飲むSRさん。

 

▲13:44。ワサビ田の跡が出て来ました。

 

▲13:47。おそらくここに作業小屋が建っていたのでしょうね。幾つもワサビ田跡がありましたからね。

 

▲13:55。そこが二俣だと思います。標高1380mくらいでしょうか? はこの二俣を左に入ったものです。左の方が沢床が低く(水はすでにほとんど流れていません)、沢の名前が日陰名栗沢ですから、どうしても日陰名栗山のある方へ引き寄せられていきますよね。すると、上部での猛烈な笹藪漕ぎが待ち受けているのです。しかも、笹藪漕ぎ前半は山腹をトラバースするように進まなくてはなりませんから、笹を束ねて掴み、滑りやすい笹竹の上を歩くのです。発表されていた遡行図がそうなっていましたから、「右俣に入ったらもっと大変なんだろうな」と思い込んでいたんです。その後、右に入る遡行図も発表され、「あれ? 右に入ると楽みたいだ」と思ったものです。実際、藪漕ぎもなく、実に楽なんですよね。

 

▲14:05。すでに源流と言ってもいい場所なんですが、傾斜が緩やかですね。

 

▲14:13。水は伏流しています。沢の上流を眺めると、時々低い位置にが見え始めます。

 

▲14:24。伏流していた水が姿を現わすこともあります。飲むと冷たくて美味しい水ですよ。

 

▲14:30。普通の沢なら最後の詰めの急登になっても可笑しくないのに、まだなだらかです。

 

▲14:45。石尾根登山道がある稜線がはっきりと見えて来ました。

 

▲14:48。すぐそこです。

 

▲14:51。S上さんが駆け上がって行きました。

 

▲14:52。SRさんも駆け上がって行きました。この日陰名栗沢は超短い駆け上がり斜面ですけれど、沢登りの最後の詰めで駆け上がれるだけの体力があることが大切だと僕は思っています。ちなみに僕自身はというと、駆け上がれる体力は残っていませんでした。もっと体力つけねば!

 

▲14:53。最後に稜線に出たのは当然僕でした。3人とも座り込んでいますね。心地よい草地だということもありますが、やっぱり体力使いましたからね。(僕は疲労困憊ですが)。14時30分にここに着いていれば最高だったのですが、遅くても14時台と考えていましたから、ギリギリ許容範囲でした。急いで装備解除して、15時05分に下山開始。

 

▲15:18。いつ来てもこの辺りの景色には感動します。水墨画のような山並みが美しいのです。

 

▲15:19。本当は巻き道を通りたかったのですが、尾根通しの登山道を歩きました。その結果、日陰名栗山1725mに登頂です。僕はピークに拘らない人間なんですが、とりあえず記念撮影。右からT橋さん、SRさん、僕。(撮影:S上)

 

▲15:20。僕のカメラでも記念撮影。左からSRさん、S上さん、T橋さん。

 

▲15:22。時間があれば、近寄って綺麗に撮りたかったのですが、ヤマツツジ2株、咲いていました。もう少し雲取山寄りにはヤマツツジの群生している場所もあります。

 

▲15:23。鷹ノ巣山1736.6mが見えています。その直下の鷹ノ巣山避難小屋から石尾根を離れ、浅間尾根を右へ下っていくのです。

 

▲15:35。鷹ノ巣山避難小屋。2、3度泊まったことがあります。なかなか良い避難小屋です。奥多摩に点在する避難小屋は自由に泊まってもいいのだそうです。以前、東京都の避難小屋を管轄している部署に電話をして聞いたことがあります。「最初から宿泊目的で使用してもいいですよ」と言われました。

 

▲15:56。浅間尾根の途中で巨大な椎茸の栽培場が広がっていました。登山道脇だけでも、写真の広さの10倍以上あったと思います。ほだ木が並べられ、種菌がほだ木に打ち込まれていました。

 

▲16:25。峰谷の奥集落に出て来ました。東京都でいちばん標高の高い集落です。

 

ここまでも山道を時々走って降りて来ました。可能なら、峰谷バス停発16時55分に間に合いたいのです。そのバス停からは午後はその1本しかありません。それを逃すと、車道を40分ほど先まで歩いた峰谷橋バス停まで行かなければなりません。そこで18時08分のバスに乗ることになります。

峰谷バス停にはこの写真の場所からもまだ3km以上あります。それを30分で行かなければなりません。山道でもそうでしたが、僕が一番足が遅い訳ですから、僕が間に合えば皆が間に合います。3人とも僕に気を遣ってくれて、「無理はしないでくださいね」と言ってくれます。無理はしていないのですが、頑張りどころです。

舗装道路になると、少しきつい下り坂は走ると膝への衝撃が激しくて、走るのは無理です。緩やかな坂道が走り易いのですが、それでも100mも走ると疲れてしまいます。昔だったら何kmでも走ったものですけどね。早歩き、ちょっと小走りの繰り返し。まだ、上の写真から2度ほどは山道に入ったりします。その山道は谷側が崖なので走れません。車道はくねくねとしていて、長いですしね。

S上さんがトイレに行きたいというので、峰谷バス停にトイレがあることを教えてあげました。S上さんはひとり走って先行します。彼女はトレランもしますから、走るのは得意なんですね。SRさんもその後、先行しました。「先に行って、バスに待っていてもらうよう頼む」と言います。

でも、途中でSRさんが道端でザックを置いて佇んでいました。「間に合わない。無理だよ」と言います。後、5分もなかったと思います。僕は最後の力を振り絞って、スピードは遅いですけれど、走りました。

すると、前方に建物が見えて来ました。そして、バスがいます。T橋さんが走って向かいます。16時54分に乗車。16時50分に着いたというS上さんも乗車。16時55分に僕とSRさんが乗車。バスはほぼ同時に発車しました。

ふ~~う、ふ~~う、ふ~~う! はあ、はあ、はあ! いつまでも荒い息が終わりません。でも、SRさんとS上さんは全然息が上がっていません。普通の呼吸です。凄いですね。

まさか間に合うとは思っていなかった16時55分のバスに乗ることが出来ました。東日原バス停が9時ころ、峰谷バス停が16時55分。8時間かかりませんでした。休憩等込みで、コースタイムと同じ時間で歩き切ることが出来ました。僕にとっては予想外の好結果です。

 

▲17:37。奥多摩駅前の天益にて。僕は焼酎のオンザロック、SRさんはコーラと梅酒です。下山後の天益でのひと時は本当に心が落ち着きます。(撮影:S上)

 

▲17:41。天益名物の餃子。今の女将さんのお母さんの時代から僕は天益のお世話になっています。お母さんの時は、メニューは餃子と冷奴だけでした。それで十分でした。餃子を何皿も何皿も食べました。中国仕込みの餃子なので、ニンニクが入っていませんから、いくらでも食べられます。今は女将さんがいろいろと他の料理も作ってくれます。この日も臭みのない新鮮なレバニラや肉野菜炒め、大根とキュウリの糠漬け、みんな美味しかったです。(撮影:S上)


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