ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

第13回山行μ・阿蘇の南外輪山・大矢野岳を歩く 1/2 ――― 素晴らしい森が地蔵峠から駒返峠まで続く

2015年06月16日 | ハイキング/山行μや山行χ

2015/5/27  おふくろの三回忌で熊本に帰りました。しばらくは5月に熊本へ行くこともなくなるでしょう。登山の観点からはいい季節だったのですが、それもまあ仕方がありません。

5月とはいえ、九州はすでに暑い季節ですから、ある程度は標高の高い山を選ばなければなりません。交通の便がいいのは阿蘇周辺なのですが、阿蘇中岳の火山活動が活発です。少し心配ではありましたが、噴火警戒レベルは火口周辺規制の「2」なので、外輪山なら余裕で大丈夫でしょう。


▲「阿蘇下田城ふれあい温泉駅」です。8:26ころ。

Mちゃんの登山力が上がってきています。歩く距離もだんだん長くなってきています。今回のコースもガイドブックによれば5時間30分くらいのコースタイムですから、歩き始めを早くしなければなりません。これまでは家を8時台に出発することも多かったのですが、今日は阿蘇のこの駅にすでに到着しています。家を6時台には出発したのです。
そういう面でもMちゃんの登山力は向上していますね。早起きができるようになったのです!
登山は早い出発と早い下山が基本ですから、このくらいのスタートが普通になっていくことでしょう。
地方の路線ですし、次の列車に乗ると、なんと! 1時間30分も後になってしまいます。必然的にこのスケジュールになるという訳。


▲阿蘇下田城駅からここ地蔵峠登山口にはタクシーで来ました。運転手さんが阿蘇の噴火の様子をいろいろと教えてくれました。僕は四六時中阿蘇の火口からは噴煙が上がっていて、風向き次第では降灰があるものと考えていました。でも、そうじゃなくて、爆発があったときだけ降灰もあるのだそうです。それに爆発も最近はほとんどないのだとか。ひと安心です。8:58ころ。


▲いつものことですが、スミレの同定はお手上げ! ハズレを介さず言ってみますが、ツボスミレかな? とても小さな花でした。9:09ころ。


▲地蔵峠1086mです。峠というより広場のような場所でした。9:10ころ。


▲地蔵峠の名の由来となった地蔵尊です。この峠を行き交う人々の道中安全を祈ったり、遭難者の霊魂の安らかなることを願ったりする地蔵尊だったのでしょう。9:11ころ。
九州電力の名前の入った前掛けが見えますが、これにも戦後の物語があるそうです。
昭和二十二年三月、九州電力浜町保線所員が地獄温泉での療養を終えてこの峠にかかった折、天候急変。その所員と息子さんの二人が遭難死してしまったのです。その後輩所員がここを通るたびに、このお地蔵様へ花や線香を手向け、先輩の冥福を祈っていたのだそうです。この姿に接した当時の熊本支店長さんが地蔵尊を祭る御堂の建立を呼びかけ、自らも地蔵尊一体を寄進し、昭和三十年に完成したのだとか。


▲赤い実でもなっていたら一発で分かるのですが。どうやらグミのようです。こんな花なんですね。9:13ころ


▲振り返ってみました。左端のピークは冠ヶ岳1154.3mでしょうか? 9:27ころ。


▲ニガナかその仲間だと思います。9:29ころ。


▲ハルリンドウだと思います。9:31ころ。


▲阿蘇五岳がよく見えます。
右から根子岳1433m、高岳1592.3m、中岳1506m、烏帽子岳1337.2m、杵島岳1270m。中岳山頂は高岳に近いところにありますが、中岳と言われてイメージするのはやっぱり大きな火口ですよね。僕はまだ根子岳には登ったことがありません。9:39ころ。


▲タニウツギです。9:42ころ。


▲大矢岳山頂には立派な山名標識が立っています。裏側にはKENGO.NODAと作成者名が記されていました。な、な、な、なんと! その本人が僕たちと前後して歩いておられたのです。中高年の身軽そうな方でした。9:43ころ。


▲また振り返ってみました。左のピークは冠ヶ岳でしょうが、右のピークは? 9:44ころ。


▲この辺りまでは九州の山に多い、日当たりガンガンの山道でした。S子が歩いています。その前方には小さくMちゃんが。9:50ころ。


▲群生してはいませんし、数も多くはありませんでしたが、ミヤマキリシマがところどころで咲いていました。9:51ころ。


▲この木は何でしょうね。関東ならばアセビ林なんでしょうけれど。森の木陰の中を歩く涼しい山道になってきました。10:16ころ。


▲迫力のある木、人に語りかけてくる何ものかを抱いている木。そんな木のある森は佳い森です。10:24ころ。


▲大矢野岳1236m山頂で記念撮影。この山名標識も先ほどの方の製作。10:27ころ。


▲心地の良い日陰の山道がずうっと続いています。10:40ころ。


▲ブナの木も生えています。九州でもブナが生きているんですね。10:51ころ。

アップダウンもほとんどない、豊かな森の中を汗をかくこともなく歩く山道が続きました。


▲ブナの巨樹も姿を現わしてくれました。11:45ころ。


▲同じような山道が続きます。11:51ころ。


▲九州自然歩道になっているのですね。地蔵峠から5.5km、駒返峠まで1.7kmの地点です。11:57ころ。


▲背丈の低い笹の広がる森もあります。12:05ころ。


▲その後、笹の背丈が人の背を越えるようになり、目の前に峠の広場が近づいてきました。駒返峠です。12:48ころ。

地蔵峠から駒返峠までコースタイムは3時間30分(昭文社の山と高原地図では3時間)です。それを休憩込みで3時間40分ほどで歩きました。ほぼコースタイム通りだと言ってよいでしょう。Mちゃんのペースは大人のペースと遜色ありません。実際のところ、このペースはS子のペースであって、Mちゃんのペースはもっと速いのかもしれませんね。

それにしても、このコースは素晴らしい森のコースでした。夏でも涼しい山道でした。森の綺麗な山道は僕の好きなコースです。この先も素晴らしい森が続くのでしょうか。清水峠、高森峠、黒岩峠などへも行ってみたいものです。

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