徘徊老人のひとりごと 熱海日乗（令和４年５月１４日、土曜日、雨のち晴れ）

　　　　昨日からの激しい雨に午後６時に災害レベル３の「高齢者避難」発令が出された
　　　　熱海は今朝も雨だったが
　　　　　　　　
　　　　　　　　朝の６時過ぎからは小雨になり雨雲が消えて熱海駅前の高層マンションも
　　　　　　　　うっすらと姿を現し、午前１１時には避難発令は解除された。

　　　風呂に行くと、金曜日の夜に東京から帰って来るSさんが居て
　　　「このマンションでコロナ感染者が出たことを知ってる？」と訊かれた。
　　　「えっ！？知らない」とワタシ。
　　　コロナに感染したのは、もうひとりのSさんだと言う。
　　　Sさんは飲食店関係業界の役員をしていて、つい先日のゴールデンウイークでは
　　　「熱海ビール祭り」が開催され壇上でスピーチをしている写真がネット新聞に載っていた。
　　　付き合いが多いからそこから感染したかご自分が経営しているお店からかもしれない。
　　　規制が解除され都会からの観光客がもたらしたものかもしれない。
　　　笑ってはいけないがSさんは役員を退任した後は飲食店業界のコロナ対策委員長さんだ。
　　　その人がな～～～～。
　　　コロナへの対策はほどこしようがないのだヨネ。
　　　熱海の人口は３万人だ。そして今日までのコロナ感染者の累計１５００名を越えた。
　　　つまり熱海の人口の５％が感染したことになるし、２０人に１人が感染したことになると
　　　考えれば、このマンションの定住者は約４０人だから、２人くらいは感染しても
　　　おかしくない。
　　　「そう言えば、最近Sさんを見なかったな～～」と言うと、
　　　「えっ、驚かないの？上海だったらマンション封鎖だぜ」と。
　　　まあ、自分で気を付けなければな～～～。
　　　それにしても毎日マンションに居るワタシが知らないのは他人と没交渉だからだ。
　　　管理人さんも知らなかったと。

　　　外は雲が取れて来た。
　　　激しい雨の時は雑木林に避難していたヒヨドリが
　　　　　　　　　
　　　　　　　　　山桜の花ビラを口に遊びだした。

　　　ワタシは今日も風車作りだ。
　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　３０円引きクーポン券で買ったキリンのノンアルコールビールで
　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　ペットボトルで
　　　　　　　　　　　　　

　　　　　午後、いつもの徘徊に出かけた。
　　　　　戻る途中で下から上がって来る少年に出会った。
　　　　　少年はワタシに「駅はどっちですか？」と訊いてきた。
　　　　　「駅は正反対のほうだよ」と言うと
　　　　　「僕、清水区（静岡県の静岡市清水区）から来たんです。帰ろうと思って
　　　　　　駅に行きたいんです」と。
　　　　　でも、なんだか変なのだ。
　　　　　「テレビで熱海プリンがおいしいと言ってたんで食べにきたんです。
　　　　　　でも清水まで帰るお金がないんです」と言い出した。
　　　　　　熱海プリンの売っているのは熱海駅前だし、なんでこんなところに居るんだ？！
　　　　　　電車代を出してあげたいが、散歩に出たのでお金など持っていない。
　　　　　「交番はどこですか？」と訊くので
　　　　　「なんで？」と訊くと
　　　　　「交番に行ってお巡りさんにお金をかりたい」と。
　　　　　「駅の近くに警察署があるから行きなさい」
　　　　　途中まで道案内した。
　　　　　梅園交差点の近くまで来ると少年のスマホから音声が流れて来た。
　　　　　「梅園交差点を左です」と。
　　　　　「君、スマホ持ってるの？！左に行ったら箱根の山だよ。そしたら永遠に
　　　　　　清水区などには帰れないよ！交差点を右に行けば左手に来宮駅、まっすぐ行くと
　　　　　　右手に警察署があるから」とそこで別れた。
　　　　　考えてみればますます不可解な少年だった。
　　　　　スマホのグーグルで行き先をどこに設定していたのだろう？
　　　　　清水までの電車賃は１１７０円だが１０７０円しかないと言っていた。
　　　　　不足分の１００円だけあげる人はいないだろう。
　　　　　５００円玉か千円を上げるのが普通だろう。
　　　　　その小銭狙いの徘徊少年なのかな～～？
　　　　　運賃が不足しているのなら１０７０円の切符で清水駅まで行って
　　　　　駅員に訳を話すか、スマホがあるなら家に電話してお金を持って来てもらえば
　　　　　いいはずだ。
　　　　　む～～～～、訳が分からない。

　　　　　夜、今夜も花火があった。