私的図書館

本好き人の365日

『上を向いて歩こう』

2011-08-02 21:26:00 | 本と日常
昨夜テレビを見ていたら突然の地震速報。
あわてて立ち上がり、とりあえずテレビが倒れないように押さえていたら、1分もたたずにけっこう大きく揺れだしました。

怖かった~
ついに東海大地震?
と一瞬頭に浮かびました。

震源地は駿河湾で最大震度は5弱だったそうです。
地震速報を初めて便利だと思いました。

最近読んだ本の中に、東日本大震災をあつかった物があります。
絵本作家であり、NHKの「みんなのうた」などで活躍されている、のぶみさんが描かれたマンガエッセイ。

*(キラキラ)*『上を向いて歩こう』*(キラキラ)*(講談社)

東日本大震災の二週間後から宮城県石巻市に入り、テントで寝起きしながらボランティア活動に参加、そこで見聞きした被災地の現実を絵と文章で綴った本。

女優の水野美紀さんがボランティアとして現地の様子をブログに書いてみえたのは知っていて、私もそれをずっと読んでいたのですが、この本にその水野美紀さんが登場したのには驚きました。
のぶみさんは水野さんと共に活動されていたお仲間だそうです。

厳しい現実がそのまま描かれているので、ちょっとショッキングに感じる人がいるかも知れません。

ヘドロの沼に長い棒を差し込む警察官。
ギリギリの精神状態。
荒らされた自販機。

水野美紀さんが圧死した猫を何のちゅうちょもなく抱き上げたと聞き、その行為に胸が熱くなって涙がこぼれそうになりました。

詳しくは書きませんが、この本には作者が目にした「死」も書かれています。
新聞やテレビではわからない現実…
目をそむけてはいけない現実…
私はこういうことを語り伝えて行くことも大切だと感じました。

作者が出会った様々な人々。
避難所の子どもたち。
のり工場の青年。
地元石巻の人は、泥だらけになりながら働くボランティアさんに「復興したら必ず来てくれ、その時は新鮮な魚や美味しいカキをたくさんごちそうするからな」といってくれたそうです。

人間って…♪♪♪

ボランティアにもいろいろな人がいます。
女優なのにスッピンで力仕事もこなし、雪の降る中テントで寝起きし活動されたという水野美紀さん。
小さな女の子に頼まれてサインを書いたそうですが、そこにはこんな言葉も書いてみえたそうです。

負けるな!

のぶみさんの飾らない絵も、その目線も、とても好感が持てました。


忌野清志郎「サマータイムブルース」

2011-08-01 20:30:00 | 本と日常
今日から八月。

うちのアパートはすぐ隣が墓地なんですが、昨夜は近所の子ども会の「きもだめし大会」が行われて、あっちこっちで悲鳴が上がっていました(苦笑)

毎年この時期の風物詩です♪

夏休みの宿題は大丈夫なのかな?

私はというと、2009年に亡くなった忌野清志郎さんの歌を聴いていました。
反原発をうたった「サマータイムブルース」
反核ソング「ラブミーテンダー」



♪ それでもテレビは言っている
♪「日本の原発は安全です」
♪ さっぱりわかんねえ、根拠がねえ
♪ これが最後のサマータイムブルース

     ―「サマータイムブルース」作詞 忌野清志郎―



YouTube でライブ映像が見られますが、やっぱりカッコイイ!!
福島の原発事故以後、再生回数が大幅に増えたといいますが、清志郎は20年も前から歌っていたのにね~
やっぱり安全なんてウソだった…



「直ちに健康への影響はない」



♪ 何言ってんだ ふざけんじゃねえ 核など要らねえ
♪ 何言ってんだ よせよ 騙せりゃあしねえ
♪ 何言ってんだ やめときな いくら理屈をこねても ほんの少し考えりゃ 俺にもわかるさ
♪ 放射能は要らねえ 牛乳を飲みてえ

      ―「ラブミーテンダー」作詞 忌野清志郎―



現実に原発が爆発しても、メルトダウンが起きても、この瞬間も放射線が漏れ続けているっていうのに、きっとこの歌がテレビで流れることはないんでしょうね。

でも詩の力ってすごいなぁ。
テレビで偉そうな専門家がどれだけ口舌を弄して一般庶民を惑わそうとやっきになっても、この歌を聴けばどっちが真実かわかる。

いろんな考え方の人がいるのが世の中なのに、一番許せないのは自分に都合の悪い意見を聞こうとしない態度。
何のために生物が多様性を選んで進化してきたと思っているの?
誰かが間違えた時に対応するためじゃん。自分以外の意見を黙殺してしまったら、たった1回のミスで全部が滅んじゃうんだよ?

忌野清志郎さんの歌を聴いていると、つい自分もいいたいことが言いたくなってしまいます。
映画を観て自分が強くなったような気がする、あれみたい(苦笑)

来年も子どもたちの元気な悲鳴が聞きたいなぁ~☆



 一体、祖国を愛するとは、どういうことか。愛国的に活動するとはどういうことか。ある詩人が、有害な偏見と戦い、偏狭な見解を除き、国民の精神を啓発し、その趣味を浄化し、心の持ちようと考え方を高尚にするために終生努力したとすると、それ以上のことがどうしてできよう? これ以上愛国的な行為がどこにあろう。…
 私は拙劣を罪悪のように憎む。特に政治に関することの拙劣を憎む。それは数千、数百万の人にただ禍をもたらすだけだからである。(エッカーマン「ゲーテとの対話」から)

                  ―「ゲーテ格言集」―