私的図書館

本好き人の365日

君がくれたもの…

2011-08-19 11:45:00 | 本と日常
久しぶりにかつて自分が通っていた高校の近くまで行く機会がありました。

歩道にそって伸びる工場の緑色の柵も昔のまま。
その途中にあるバス停の位置も少しも変わっていませんでした。

三年間歩いた通学路。
バス停から駅側にすこし歩いた場所で二十年以上前、部活が同じだった同級生の女の子が交通事故で亡くなりました。
部活を終えての帰り道で、その数分前まで、一緒に練習していました。

そういう場所って不思議と忘れませんね。
二十年たっても十七歳の同級生の顔がその場所を見るとよみがえってきます。
いまは多少ぼんやりとしか思い出せないのが哀しいですが。

交通事故や川の事故のニュースを聞くと、その関係者が一生抱えて生きることになるその重さをつい考えてしまいます。
幸いというか、そういう立場に立ったことがない私なんかが軽率に言葉にできるようなことではないんでしょうが。

お盆だからというわけではありませんが、ちょっと感傷的になってしまいました。

小、中学校と同級生だった女の子が白血病で亡くなったのはまだ二十代の時でした。
長い黒髪の似合うかわいい子でした。
小学生の時は一緒にキャンプに行き、プールで泳ぎ、修学旅行も一緒でした。

その子が亡くなって数年後、小学生の時に埋めたタイムカプセルを掘り出すというイベントがあり、久しぶりに同級生と集ってそのタイムカプセルを開けたのですが、そこには亡くなった女の子と仲の良かった親友のYちゃんも同席していました。

みんな自分が入れた作文や絵を見て笑い合い、からかったりしてふざけていたのですが、その中から白血病で亡くなった女の子の小学生の時の作文も出て来たので、Yちゃんが代表して読みました。

「〇〇年後もずっとYちゃんと友達でいたいです」

そこには幼い字でそう書かれていました。
「こんなの見せられたら泣いてしまうわ」とYちゃんは涙をボロボロこぼしながら笑っていました。

亡くなってしまった人はもう生き返らないけれど、いまも私に影響を与え続け、私の生き方を助けてくれています。

川面に流れる灯籠の明かりやお盆の送り火を見ていて、ちょっとそんなことを思ってしまいました。

夏も終わりですね。







      ―アニメ「あの花」ED「secret base ~君がくれたもの~」を聞きながら―

      →http://www.youtube.com/watch?v=kFU2l0EHmmE&feature=fvst