私的図書館

本好き人の365日

外部被爆検査を受けてきました

2011-08-09 23:41:00 | 伝えたいこと

京都の大文字焼きとして知られる五山の送り火で、東日本大震災によってなぎ倒された岩手県陸前高田市の松で作られた薪を燃やすという計画があったそうですが、「放射能に汚染されいていたらどうする」という何の根拠もない地元の反対で取りやめになったそうです。

薪には被災地の方の思いが書かれていたとニュースで見ました。
検査の結果、放射性物質は検出されていないとも。

陸前高田市には私もボランティアの一員としてお手伝いにうかがいました。
自分の家も津波の被害に遭いながら、温かい汁物をごちそうしてくれたご夫婦の顔が忘れられません。

自分の理解できないものはとりあえず排除する…

現地のことを知らず、放射能についてもよくわからないという無知が人間を不安にさせるんですね。

偶然ですが、先日外部被爆検査を受けて来ました。
陸前高田市で数日間、ドロとヘドロにまみれた長靴や手袋なども持ち込み、それも検査してもらいましたが、異常な放射線は検出されませんでした。
私自身も正常の範囲内で健康への影響はなし。

京都の地元の方を一方的に責めるつもりは私にはありません。連日の原発事故による放射能汚染のニュース。食品への影響。誰だって不安になりますよね。

私も自治体の発表する地元の環境放射線測定結果というのをチェックしていますが、自分が現在どのくらいの放射線をあびているのか正直わからないというのが気持ち悪いと思っていました。

気になったらとりあえず確かめて見るのが一番。
私の住んでいる岐阜県は、福島原発からは約400㎞離れていますが、県内で放射線検査の受けられるところを探してみました。

まず地元の総合病院に訊いたところ、被災地に派遣された自治体職員や病院スタッフの検査は行っているが一般市民の検査はやっていないという答え。

内心(そりゃないだろ~)とも思いましたが、いち職員に文句を言ってもしかたないので、今度は岐阜県庁の東日本大震災健康相談窓口というところに問い合わせてみました。

そこの職員によると県内に内部被爆を検査する機械はなく、外部被爆の検査は県庁と他2ヶ所の比較的大きな保健所で受けられるとのこと。
県内に3ヶ所だけ!?
それもかなり遠い場所だったので思わず「いったい健康相談ってどんな仕事をしているんですか?」とちょっと嫌味を言うと「ちょっと待って下さい」といって、「あぁ、この病院でもやってくれるかも知れません」とやはり少し遠いものの先ほどの保健所よりは近い総合病院を教えてくれました。

何とか力になろうとしてくれたのか、案外真面目な公務員さんなのかも☆

それでさっそく折り返しその市立の総合病院に問い合わせてみました。
対応してくれた放射線科の人はきさくな感じで「大丈夫ですよ。今日は検査がこの時間に終るのでその後なら時間があります」とその日のうちになんと検査を受けられることに。通常の仕事の合間にやってくれるとのことで、費用を訊ねると「ボランティアでやっているので無料です」と笑って答えてくれました。

まだまだいい人もたくさんいますね。

それで岩手県でボランティアをしていた時の道具を持ち込み、私自身も放射性物質の測定をしてもらいました。
耳の穴や鼻の穴も測定されました。
それでも実質10分もかかりません。
検査員の方が防護服(?)を着る時間や私が必要事項を書き込む時間を合わせても20分程度です。
放射線測定器の実物を初めて見ました。
検査結果はその場で見せてくれて、上記のような結果になったのですが、検査員の人が「よかったですね」と声をかけてくれたので、放射能についてや被災地の様子について少し話もしました。

「放射能は目に見えないから不安になる…」

本当にその通り。
知らないから不安になる。
知ることで人間って行動も変わってきますからね。
風評被害とか本当にやめて欲しい。
国民全員とはいわないけれど、せめて地元の役所に放射線測定器を一台置いて、誰でも利用できるようにすればみんなの不安も解消すると思うんですけど。
難しいのかな?

うちの地元の市立の総合病院、自治体職員と病院スタッフだけなんていわないで、使わない時は市民にも使わせてくれてもいいだろうに…融通が利かないったら。
原発事故の現場から離れているもんだから緊迫感がないんでしょうね。
病院や自治体によって対応がずいぶん違います。

8月9日は66回目の長崎原爆の日でした。

無知と無関心が一番怖い。

五山の送り火で使われなかった陸前高田市の薪は、8日の夜、お盆の迎え火として地元で燃やされたそうです。
鎮魂と復興への決意を込めて…



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