私的図書館

本好き人の365日

宮崎駿が語る児童文学 『本へのとびら』

2012-05-16 19:44:56 | 日本人作家

いろいろ同時進行しているので何だか忙しい…

仕事も、プライベートも、図書館の本とか、買わなきゃいけない物なんかもあって。

読書なら同時進行でも5、6冊は平気なんですけどね♪

週末に宮城県でボランティア活動に参加してこようと思っているので、その準備なんかで。

今回は寝袋の必要もなく、去年に比べたら恵まれた条件なんですが、やっぱりグルグル考えてしまい、落ち付かないんです。ダメですね。頭なんか放っておいて、飛び込まないと。

図書館で借りた本も、返却期限が気になってちょっと無理矢理読んでいる感じ。

これも慣れなんでしょうが、夏休みの宿題みたいに、期限が限られちゃうととたんに読む気が無くなるみたいです(苦笑)

図書館で借りた本があるのに、本屋さんで買ってしまったのは、映画監督、宮崎駿さんが児童文学のオススメ名作50冊について推薦文を書いた、

 

『本へのとびら ―岩波少年文庫を語る』 (岩波新書)

 

 

 

 

 

 

 

 

サッカレイの『バラとゆびわ』、ジャンニ・ロダーリの『チポリーノの冒険』、映画「借り暮らしのアリエッティ」の原作『床下の小人たち』や、アニメで有名な『ハイジ』、『日本霊異記』、韓国の民話を集めた『ネギをうえた人』

その他、翻訳家の石井桃子さんや、「グリとグラ」でおなじみの中川李枝子さんについても語ってみえます。

アニメ監督だけあって、挿絵にも詳しいのですが、私が一目で気に入ったのは、ファージョンの『ムギと王さま』で紹介されている絵。

大きな本棚のある部屋で、月の光(?)に照れされながら、子供が顔をうずめるように本を読んでいる挿絵が紹介されているのですが、それがとってもいい♪

 

 児童文学とは…「生まれてきてよかったんだ」というもの。

 

そう語る宮崎監督ですが、東日本大震災の後に出版されたこともあり、「三月一一日のあとに」という章では、自分の父親や戦争体験を語りながら、生きていくのに困難な時代の風が吹き始めた、と書いています。

 

 そのなかで、自分たちは正気を失わずに生活をしていかなければなりません。

 

以前の生活を取り戻すことはもう出来ない、という覚悟。

放射能を含んだ風が木々をゆらし、世界を駆け巡っていく現実。

「正常に戻るんだ」「もとに戻るんだ」とさかんに叫ぶどこかの政府は、まだ現実が受け入れられないでいる。

だから必死になって再び原発を動かそうとする。そうすれば世界が元に戻るとでも思っているかのように。

「子どもにむかって絶望を説くな」

生まれてきてよかったんだ。

生きててよかったんだ。

生きていいんだ。

というメッセージを、子どもに対してのエールとしておくりたい。

「この子たちが生まれてきたのを無駄だと言いたくない」

宮崎監督の、こんな言葉が印象に残りました。

 

 子どもが周りにいないと、そういう気持ちをすぐ忘れてしまうんですが…(中略)

 …子どもたちが正気にしてくれるんです。

 

『ホビットの冒険』『ゲド戦記』『ツバメ号とアマゾン号』『長い冬』といった、私も読んだことのある作品から、まだ読んだことのない作品まで。あらすじというより、宮崎監督の感想で紹介されている名作の数々。

宮崎監督がこの本を読んでオランダに行きたくなったという、ドッジの『ハンス・ブリンガー』なんてとっても読んでみたくなりました☆

児童文学の多くは「やり直しのきく物語」なんだそうです。

人間は、間違いも多いけれど、間違ったら、その間違いを繰り返さないようにやり直す。

次の世代が、新しい世の中を作っていけるように、間違いを彼らに残さないようにするのが今を生きている者の責任…

忙しいのにまた読みたい本が増えてしまいました(苦笑)

 



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