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本好き人の365日

『言の葉の庭』

2014-01-20 00:34:28 | 映画

新海誠監督の最新作、2013年公開の作品『言の葉の庭』を観ました。

『ほしのこえ』という、ほとんど一人で全部作ったという作品を観てからずっと追いかけている監督さんですが、代表作『秒速5センチメートル』は今でもトラウマになっているくらい印象的な作品。

大成建設のTVCMも作っているので、名前は知らなくてもその作品は見たことがあるかも知れません(ボスポラス海峡トンネル篇とかです)。

 

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価格:¥ 3,360(税込)
発売日:2013-06-21

 

雨に濡れる新宿御苑。

そこの東屋で偶然出会った高校生の男の子と、OLらしき女性。



新海監督の特徴は、その緻密な描写と、独特の青春を背負いきれていない内向的なストーリー。

今回、特に「雨」の描写が素晴らしかったです!

リアルを追求していながら、リアル以上の色彩と動きで画面に映し出される自然描写は、アニメーションでしか描けない、どこにもないけれどリアルな世界!

高感度カメラで撮ったような雨が、リアルタイムで降り続くんです!

いやぁ、面白いもの見せてもらった♪

 

技術的な挑戦も見ていてすごく面白かったのですが、物語も新海節が出ていて心に残りました。

特に男の子が、勝ち負けじゃなくて、向かっていかなきゃいけないものにちゃんと向かっていくシーンが好きです。

それも息を整えて!

人間なんてそんなに強くなくて、迷ったり不安になったり、そんな揺れ動くもので、しっかり向かっていく男の子を描いているからこそ、次の場面で不安に揺れ動く様が観客の心をつかむんだと思います。

この共感性はすごい。

 

新海監督の作品って、どこか「決心」のドラマなんですよね。

登場人物が心の内で何かを決める。

それを中心に物語が描かれる。

だからこんなに心に響くのかな?

 

雨や虫の声を雑音ととらえるか、そこに音以外の何かを感じるか。

それはもう感性の問題。

46分という劇場用作品としては短い作品ですが、短さを感じさせない充実の内容でした。

よかった~

次回作も期待です。

 



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