goo blog サービス終了のお知らせ 

私的図書館

本好き人の365日

『ライ麦畑でつかまえて』

2012-07-16 22:22:05 | 本と日常

今日は7月16日。

A・D・サリンジャーの小説『ライ麦畑でつかまえて』が発刊されたのが、ちょうど61年前の1951年7月16日なんだそうです。

その情報を聞いた時は「へ~」と思ったものの、たいして気にもとめなかったので、夕飯の準備や何やかやとやっているうちに、すっかり忘れてしまっていました。

夕飯も食べ終わってお風呂も沸いて、さて今日はお風呂で何を読もうかな、と何気に手に取ったのは、中村航さんの『あなたがここにいて欲しい』(角川文庫)

 

角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010-01-23

 

 

 

 

 

 

岐阜県出身の中村航さん。

「街に行く」という言葉が、大垣駅前に行くことを指していた中学時代。

アシュラマンや北斗神拳で盛り上がる同級生を尻目に、中学というワクからちょっと浮いた女の子が登場します。

その子は名古屋まで洋楽のコンサートに行ったり、仲間と地べたに座ってだべったり、サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』なんかを読んでいる…

 

おぉ、サリンジャーの「ライ麦畑」!!

 

一日に2回もその名を聞くとは!

それもたくさんある蔵書の中から、たまたま手に取った本の中にサリンジャーの名前が出てきたので、驚きました。

偶然って重なるものなんですね~

何だか偶然の中に別の意味を感じてしまいそう♪

何かを決断するとか?

いやぁ、ジョン・レノンを暗殺した犯人が愛読していたという「ライ麦」なだけに、ちょっと不穏な想像が頭に浮かんでしまいまいした。

危ない危ない。

感受性が高くて勘違いしやすい年齢だったら本一冊で人生が狂うところだった(苦笑)

幸い私は一度も「ライ麦」を読んだことがありません☆

 

最近読んでいるのは、ブラジル生まれの作家パウロ・コエーリョの初期の作品。

『ブリーダ』(角川文庫)

 

角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2012-04-25

 

 

 

 

 

 

「魔術を習いたいんです」

現代の女子大生ブリーダは、スピリチュアルな物にひかれ、魔術師と呼ばれる者たちの門をたたく。

私は信仰心の薄い人間なので(家は一応仏教です)、スピリチュアルな物に対する理解が間違っているかも知れませんが、ようするに、自分と向かい合うことの大切さが書かれているんだと思います。

この作者の作品、『アルケミスト』はすごく好きだったんですけどね~

 

偶然といえば、スーパーのレジでレシートをもらう時、買い物の合計が777円だったりすると、すっごくラッキーな気がしてしまうのはどうしてでしょう?

それだけお金を払わなきゃいけないのにねえ。

 


良寛さんと、マンガ「会いにいくよ」

2012-07-11 23:21:41 | 本と日常

このところちょっと忙しくて、パソコンを開く時間もありませんでした。

まぁ、このご時勢ですから、ありがたいといえばありがたいんですけどね。

 

しかし人間の体も心も休養は必要。

肉体的な疲れは食べて寝ればまだなんとかなりますが(岩盤浴にも行って来ました♪)、精神的な疲れは意識して栄養と休息を与えてやらないと。

というわけでもないのですが、今日は『蓮(はちす)の露』の中に書き留められている「良寛戒語」というのを読んでいました。

蓮(はちす)というのは、「ハス」のこと。

「良寛さん」と親しみを込めて呼ばれるこの人は、江戸時代に越後の国で暮らしたお坊さんで、その弟子、貞心尼(出家した女性)によって『蓮の露』は書かれました。

29歳の貞心尼が良寛さんの門をたたいた時、良寛さんは70歳。

美貌の未亡人だったと今に伝わる貞心尼と、70歳をこえた良寛さんが一緒に過ごした時間は4年足らず。

二人の関係も気になるところですが、今日は良寛さんの言葉として、貞心尼が書き残した「戒語」について。

 

まあ、簡単にいうと「こういうことはしてはいけないよ」というようなことが、90以上も書いてあるのですが、その一つ一つが、21世紀に生きる自分にもすごく当てはまって、「そうだよなぁ~」と納得してしまいます。

簡単に紹介すると。

 

「しないほうがよいこと」

・言葉の多き

・話の長き

・表裏口

・客の前に人を叱る

・憎き心もちて人を叱る

・人の嫌がるおどけ

・人の傷つくことをいう

・自慢話

・減らず口

・人のもの言い切らぬうちにものをいう

・あなどること

・親切らしくものいう

・よく物の講釈をしたがる

・よく知らぬことを憚(はばか)りなくいう

などなど。

 

すげぇわかる(苦笑)

自分にあてはまるものや、他人がやっていて不快に感じたことがあるものばかり!

人間って、いつの時代も変わらないのかも知れませんね☆

自慢話はひかえよう…(笑)

 

良寛さんは、死ぬまで自分の寺は持たず、必要な物は托鉢でわけてもらっていたそうです。

それでも十分生きてはいける。

天衣無縫。

過去にとらわれず、未来を恐れず、小さき童のように、無心に遊びに興じるように生きる。

我を捨てる。

それは己の心のままに行動することではなくて、己を律してコントロールしなければできないこと。

相手の立場に立つこと。

利害関係やどちらが正義で正義ではないかが問題なのではなく、理屈で考えた小さな考えを抜け出して、それを乗り越えて初めてその立場に立てる。

正しいからって、それを主張するだけなら、動物にだってできますからね。

ライオンはシマウマを食べるのに躊躇なんかしません。

相手のミスを鬼の首を取ったかのように攻め立てて相手を追い詰めても、それは所詮自分が正しいと主張したいという自分の「欲」に支配されているだけのこと、人間だけが相手の立場に立って物を考えることができる…

と、斉藤茂太さんの『豆腐の如く』(ちくま文庫)という本に書いてありました(苦笑)

 

実際に実行するのはなかなか大変ですけどね。

 

現在発売されている週刊誌、「週刊少年マガジン」に、この「私的図書館」でも紹介した、絵本作家”のぶみ”さんの東日本大震災直後のボランティア活動を描いた『上を向いて歩こう』、その本を原作にしたマンガ「会いにいくよ」が掲載されています。

現場の空気感、臭い、作業、どれも実際の体験をもとに描かれていて、ボランティアを経験した私にもとても伝わるものがありました。

もっとも、掲載にあたって、さすがに原作にあるような衝撃的な内容まではマンガでは描かれていませんでした。ここに書くのも憚れます。

興味のわいた方は、原作であるのぶみさんの『上を向いて歩こう』を読んでいただければ、マンガに描けなかった部分がどこなのか、わかってもらえると思います。

マンガを描いておられる作家さんたちも、実際に何度も現地でボランティア活動をされているのを、ブログやニュースで見て知っているので、このマンガを一人でも多くの人に読んでもらいたいと思いました。

コンビニで立ち読みでもいいです(苦笑)

手に取ってもらえたら嬉しいです☆

 


神は老獪にして悪意を持たず

2012-06-18 22:54:43 | 本と日常

6月19日は太宰治を偲ぶ「桜桃忌」ですね。

山崎富栄とともに玉川上水に入水自殺した太宰が発見されたのが6月19日。

奇しくもこの日は太宰の誕生日でもありました。

 

私も久しぶりに太宰の小説『桜桃』を読んでみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「桜桃」とはサクランボのこと。

夫婦喧嘩をしてたまらず外に出た男が、飲み屋で出された桜桃を、まずそうに食べては種をはき食べては種をはくラストシーン。

とっても短いお話なのに、やりきれなさ、哀しみ、そういった感情が何気ない会話と日常の風景の中で巧みに表現されています。

 

 母も精一ぱいの努力で生きているのだろうが、父もまた、一生懸命であった。

      ―太宰治「桜桃」より―

 

他人を傷つけることを恐れるあまり、自分自身を押し込め、結果的に自分が傷ついてしまう…

まるで現代の「草食系」の走りみたいな主人公。

思わず「くよくよしなさんな!」と背中をバンバンたたきたくなってしまいます(笑)

私もたまに、他人の何気ない言葉に傷つくことがありますが、案外言った本人は条件反射みたいに言葉を投げつけているだけで、悪意なんて持っていないことが多いんですよね。

彼女にとってはいろいろな条件が重なって、その時たまたまそういう言葉が出てしまっただけで、彼女なりの整合性は取れている。

こっちもこっちで、そんな言葉を聞かされるとは思っていなかったから精神的なショックを受ける。

お互いに身勝手といえば身勝手なんだけれど、そんな内面はわからないから、表面的な言葉にだけ反応してしまう。

これはもう、テレパシーでもないかぎり、永久に解決できない!

たまの日曜日、車をキレイに洗いあげて気分もよくなったところに、カラスのフンが落ちてきてすべてが台無し…

これはもう、悪意があるとしか思えない!

いやいや、カラスは何にも考えてないだろう(苦笑)

 

人の言葉もどこか生理的欲求みたいなもので、自然現象なのかも知れません。

そう思えば多少は気が晴れる?

でもやっぱりそんな物投げつけないで欲しいなぁ。

太宰を読みながら全然関係のないことを考えてしまいました。

何だか言い訳っぽいな(苦笑)

 


体にしみついたもの

2012-06-16 20:42:45 | 本と日常

休日。

洗濯機を3回回して、掃除機をかけて、床を雑巾がけして、買い物に行って、サラダを作って、チキンカレーを煮込みました。

細々(こまごま)としたことの繰り返し。

生活って大変ですね。

でもこういうことをキチンとすること、嫌いじゃありません♪

いまは引っ越したばかりで、まだ何もかもが新鮮だから続いているだけですけど(苦笑)

 

最近読んでいるのは、アメリカの自然思想家、ヘンリー・ディビット・ソローの、『ウォールデン 森の生活』〈上・下〉 (岩波文庫)

 

 

 

 

 

 

 

 

森の中に簡素な家を建て、自給自足の生活の中で、思索と読書と畑仕事をして暮らしたソロー。

以前彼の言葉を集めた本を読んだので、代表作だというこの本も読んでみたくなったんです。

一冊本を読むと、その本をきっかけに興味の対象が広がって、どんどん本が増えていってしまう(苦笑)

この連鎖反応には終りがなさそうです(笑)

 

世間では特別手配犯が捕まったり、原発の再稼動が決まったりして、何やらスッキリしない一週間でした。

人間の悪い面ばかりじゃなくて、たまにはいい面もニュースで流してくれないかな?

ちょっと傾斜のついたスロープを、小学生くらいかな?

女の子がおばあさんの乗った車椅子を懸命に押している場面に遭遇しました。

周りにはちゃんと大人もいて、雰囲気的に「私が押す!」と女の子がハリキッている感じ。

女の子の体に対して車椅子はちょっと大きかったのですが、ちゃんとスロープをのぼっていきました☆

 

電動の車椅子は便利ですが、きっとあの女の子はおばあさんと車椅子の重みを忘れずにずっと体で覚えているんじゃないかな。

私もそうでしたから。

体にしみついた物は強いですね。

こんなことなら、掃除や洗濯をもっと子供の頃から手伝っておけばよかった。

 


夏休みの過ごしかた

2012-06-13 20:38:10 | 本と日常

今年も半年が過ぎたということで、オリコンが2012年上半期書籍ランキングを発表しました。

ダイエット本が上位を占める中、小説は4位に東川篤哉さんの『謎解きはディナーのあとで2』が、9位に三浦しをんさんの『舟を編む』が入りました。

タニタ食堂のレシピは相変らずすごい人気。

そういう私もカロリー制限をしてちょびっと痩せましたからね(笑)

いつの時代も「健康」でありたいと思うのが人の常なんでしょう。

 

文庫本部門では、1位が三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~』、2位が村上春樹さん『1Q84 BOOK1<4月ー6月>前編』、3位が東野圭吾さんの『聖女の救済』でした。 

「ビブリア古書堂」と村上春樹さんの人気もすごい!

1位と2位だけでなく、それぞれ続編も上位にランキングされています。

気になったのは22位のウィリアム・H・マクニール『世界史 上』と、24位の越谷オサム『陽だまりの彼女』

「世界史」は一時期話題になりましたが、その後も読まれているのかな?

「陽だまり」は私も読みましたが、発売からけっこう経つのに、なかなか健闘している印象。

個人的には荻原規子さんの『RDGレッドデーターガール』を推しているのですが、残念ながら今回のランキング上位には入りませんでした。

荻原規子さんは『空色勾玉』からのファン。

日本を舞台にした魅力あるファンタジーを毎回読ませてくれます♪

7月には文庫化第3弾『RDGレッドデーターガール 夏休みの過ごしかた』(角川文庫)が発売される予定ですし、アニメ化の話も出ているので、これから盛り上がって欲しいんですけどね。

 

そういえば、来月はもう夏休みなんですね。

いいなぁ。

大人になってから夏休みのありがたさをひしひしと感じています。

社会人になると、(とくに日本は…)なかなかまとまった休みが取れないですからね。

ま、私の場合は休みが取れたとしても、基本出不精なので家でゴロゴロしちゃうと思うんですが(苦笑)

 

角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010-05-29

森薫 『乙嫁語り 4』

2012-06-10 00:00:00 | 本と日常

森薫さんのマンガを買いました!

 

『乙嫁語り 4』 (エンターブレイン)

 

エンターブレイン
発売日:2012-05-12

 

 

 

 

 

 

 

シリーズ4巻目♪

中央アジアからカスピ海沿岸を扱った、様々なお嫁さんが登場するマンガなのですが、今回の乙嫁(かわいいお嫁さん)は、双子の姉妹「ライラ」と「レイリ」

そういえば梨木香歩さんの『ピスタチオ』という小説に、やっぱり双子の姉妹が登場するのですが、アフリカでは双子の名前はあらかじめ決まっていて、「ナカト」と「ババイレ」という名前が作中では紹介されていました。

だらか、アフリカでは名前を聞いただけでその人が双子の場合はすぐわかる。

部外者から見れば面白いけれど、きっと文化的な理由があるんでしょうね。

 

最近またタガが緩んできて、立て続けに本を購入してしまっています。

 

梨木香歩 『雪と珊瑚と』(角川書店)

 

21歳のシングルマザー珊瑚は、乳飲み子の雪を抱え、明日を生きるためのお金を稼がねばなりません。

しかし雪がいては働けない。保育園も託児所もいっぱい。貯金はどんどん減っていき、どうしていいのかわからない心細さの中、雪を乗せた重いバギーを押しながら、珊瑚は泣いている自分に気が付きます。

高校を中退してからパン屋で働き、自分一人でなんとか生きてきた。自分一人でなんとかなると思っていた。だけど…

もうこの出だしで心をギュッとつかまれてしまいました。

 

岡崎武志 『女子の古本屋』(ちくま文庫)

 

こちらは雑誌「ちくま」に連載されていた物を増補、追加取材して文庫化したもの。

女性で古本屋を開業した13人にインタンヴュー、その人柄と開業までの苦労、本への思いやお店つくりに対するこだわりを取材しています。

年に一度パリまで様々な年代の「紙」を買い付けに行く女性から、絵本の専門店、料理本を扱うお店、転職組からアルバイトからのたたき上げまで、様々な境遇、古本屋主人になるまでの過程は本当に十人十色。

共通しているのは、みんな本が大好きだということで、それだからこそ読んでいて「うらやましい!」と思わず思ってしまいました。

 

あとは古本屋さんで100円で売られていた私の好きな詩人、高見順の本。

学研の「現代日本の文学」シリーズの一冊なのですが、写真付きで状態も良かったので思わず買ってしまいました。

 

本とは関係ありませんが、ようやく長年使ってきた枕も買い替えたところなんです。

低反発枕。枕カバーはリネン製。

今月もまだ始まったばかりなのに、散財してしまった。

もっと節約しないと。

 


室井滋と猫の物語 『マーキング ブルース』

2012-05-29 18:36:32 | 本と日常

今日は午前中は晴れていたのに、夕方からパラパラと雨。

その後にけっこう大きな雷が鳴りました。

雷って光ってから音がするまで、時間のかかることがありますよね。

私はいつも雷が光ると、1、2、3、と心の中で数を数えてしまいます。

小学生の頃からの習慣なんです。

光より音が遅れて聞こえるのは、大気中を進む速度に違いがあるから。

音は一秒間に約340m進むといわれているので、雷が光ってから10秒後に音が聞こえたら、雷はその場所から約3.4km離れていることになります。

この秒数がだんだん増えていくようなら雷が遠ざかっている印ですし、逆に短くなるようなら、自分のいる場所に雷が近づいていることになります。

カミナリ見るの好きなんですよね!

落ちたら停電どころか火事にだってなるし(私の実家は父親が子供の頃にそれで燃えたことがあります)、人間の体に落ちたら命だって失いかねない危険な物ですが、あの稲妻の美しさは他に例えようがありません♪

ちなみにカミナリを「稲妻」というのは、カミナリが稲を実らせると考えられていたから。

稲が育つためには雨は無くてはならない物。昔の人は自然現象と生活(農業)と結びつけて、いろんな言葉を生み出していったんですね。

 

最近読んだのは、女優室井滋さんが数年前に書かれた本。

 

『マーキング ブルース』(メディアファクトリー)

 

メディアファクトリー
発売日:2009-03-17

 

 

 

 

 

 

猫好き、動物好きという室井滋さん。

エッセイの後に、そのお話に誘発されたかのようなちょっとした物語が続き、それが交互に展開するという構成。

正直小説部分には設定の荒さを感じる時もありましたが、猫への愛情はとても伝わってきました☆

 

ひとり暮らしの女性が眺めるのは、ペットも一緒に埋葬してくれるという霊園のチラシ。

ペット専用の火葬業者。

マンションの部屋にいくつもの骨壷を並べて懐かしむ女性。

人間の言葉を理解し、飼い主を心配する猫。

野良猫の矜持。

喫茶店のマスターと猫。

猫にブラジャー?

霊も見えるの?

浮気相手と同じ名前??

 

猫と人間の、ちょっと不思議な物語。

猫には超自然的なところがあると、マンガ家の大島弓子さんも書いていますしね♪

面白かったです。

 

あと本屋さんで購入したのが、私の大好きな作家、パトリシア・A・マキリップの魔法と森と鍋洗いの物語。

 

『アトリックス・ウルフの呪文書』(創元推理文庫)

 

 

 

 

 

 

 

 

アトリックス・ウルフとは伝説の魔法使いの名前。

お城の台所で料理人や串焼き係りの間を縫うように這い回りながら、こげたり汚れたした鍋を集めて回る少女、サローのキャラクターにひと目ぼれしてしまいました。

マキリップの書くキャラクターってどうしてこんなに魅力的なんだろう?

サローとは「哀しみ」という意味。

裸で薪の山の脇でふるえているところを見つかり、ひとこともしゃべらず、猫たちと眠り、一緒に食事を与えられたため、誰もが「サロー(哀しみ)」という名前以外思いつかなかったという…

まだ読みかけなので、続きが楽しみです。

 


買い物と掘り出し物

2012-05-26 22:56:25 | 本と日常

アウトレットモールに買い物に行って来ました。

試着室でシャツのサイズを確かめていると、ガチャガチャとドアノブの動く音。

扉にカギはあったのですが、まさか開けられるとは思っていなかったので、カギはかけていなかったんですよね。

あわてて手を伸ばしたものの一歩遅く、ドアを開けて中をのぞいてきたのは小さなクソガキ…もとい、小さな男の子。

その子は私と目が合うと、つまらなさそうに無言でドアを閉めました…

何だいまの!?

女性もたくさん利用していたからお母さんを探してた?

全部開けて?

いやいやいや、それはいろいろ問題あるでしょ。

 

子どもの行動には驚かされますね(苦笑)

そのお店は試着室が10部屋くらい並んでいたのですが、土曜日ということもあり、お子さん連れでけっこう混雑していました。

店内に響き渡る泣き声と叫び声。

あの興奮して思いっきり高い声で叫ぶのは何でなんでしょう?

中には子どもに「何でたたくの? お母さんすごく痛かったよ!」とすごく理路整然と自分の被害を訴えているお母さんもいました。

気持ちはわかる。気持ちはわかるけれど、言ってきかないからやっかいなんだよ(笑)

 

喫煙所には手持ち無沙汰なお父さんの集団。

中には店の中であれこれ品定めしている女性にしびれを切らし「外で待っているから」といってさっさと出て行く男性もいました。

ま、よくある光景ですね♪

私はあれこれ試着してみたものの、結局何も買わずに帰って来ました。

アウトレット品といっても値段がね。

まだまだ私なんかには手がでません。

 

帰りに取り寄せてもらった本を受け取りに地元の図書館へ。

ずっと絶版で手に入らなかった、モンゴメリの初期の作品『果樹園のセレナーデ』(村岡花子 訳)がようやく見つかったんです!!

やっと、やっと手に取ることができました♪♪

内容は読んでから紹介したいと思いますが、私が驚いたのはその値段!

文庫本で280円。

安い! 安すぎる!!

最近じゃ文庫本でも平気で千円とかするのに、280円で100年以上昔のカナダの小説が読めるなんて!

図書館の蔵書なので返さなきゃいけないのが非常に残念です。

何万円もする服よりも、私はやっぱりこの280円の本の方がいいな☆

 

 


川上未映子 『乳と卵』

2012-05-17 00:00:00 | 本と日常

川上未映子さんの書く小説に興味があって、どれから読もうかと迷っていましたが、とりあえず芥川賞受賞作から読んでみました。

川上未映子 著

 

『乳と卵』 (文藝春秋)

 

文藝春秋
発売日:2008-02-22

 

 

 

 

 

 

 

ミュージシャンとしても活躍されている彼女。

詩集、『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で中原中也賞も受賞しています。

まぁ、そういうことは横に置いておいて、小説として単純に面白かった♪

大阪弁ということと、ダラダラと続く文体に、いい意味で内容がマッチしていました。

思春期といってしまえばそれまでですが、母親との関係がうまくいかず、自分の体の変化に母親と同じ女を感じとまどう姪っ子。

離婚し、40代で大阪のスナックで働きながら、女手一つで娘を育て、豊胸手術を受けるという姉。

姪っ子は母親と口をきかず、ノートによる筆談がコミニュケーションの手段。

主人公は東京の自分のアパートに、そんな二人を泊め、食事をしたり銭湯に行ったりします。

乳と卵。

女性という「性」を描きながら、とくに気負ったところもなく、日常の中で誰もが感じるその時々の感情や、ふっと頭をよぎる思いを、言葉にして並べていったような作品。

その抽出の仕方が、とてもセンスがあると感じました。

前半はちょっと読みにくかったですけどね。

 

酔っ払って、自分に口をきいてくれない娘に本音をぶつけてしまう母親の言葉が、それはもう言葉にもなっていないんだけれど、すごくリアルで、きっと作者にも同じような体験があるんじゃないかと思ってしまいました。

芥川賞を受賞した当時はマスコミにも取り上げられ、作者自身がよくTVでインタビューに答えたりしていて、その受け答えが魅力的だったので、興味がわいたんです。

なかなか読む機会がなくて、こんなに時間がかかってしまいました。

他の作品も読んでみたくなりました☆

 


『心が喜ぶ働き方を見つけよう』

2012-05-15 21:36:40 | 本と日常

わたしなんてどうせ役に立たない。

迷惑をかけて邪魔になるだけ。

何もできないなら、何もしないほうがマシ。

 

マイナス思考でグルグル考えて、結局「何もしないこと」の言い訳を探している自分がいます。

グルグル考えることにも疲れてしまい、それだけでもう十分悩んだ気になってしまう。

わたしもこんなに悩んだんだから、きっと許してもらえるよね…

その言い訳の裏に隠れているのは、不安や恐れ。他人に迷惑をかけることじゃなくて、他人を失望させることで自分が傷つことを恐れている。

役に立たない=自分はホメてもらえない、楽しめない。

迷惑をかける=自分が嫌な思いをするかも。恥ずかしい思いはしたくない。

何もできない=自分が傷つくくらいなら何もしないほうがマシ。

自分、自分、自分。

自分を言い訳で納得させても、傍から見たら指一本動かしていない自分。

 

本当は、「そこにいるだけ」でいいって場合もあるのに…

 

立花貴さんという人が書かれた本を読みました。

現在40代の彼は、東日本大震災で被災した母と妹の安否を確かめるため仙台へ。その後、宮城県を中心に支援活動に取り組み、今は地元の漁師の方々と会社を興し、事業家兼見習い漁師として、被災地から新しい町づくり、働き方を発信し続けている人です。

 

大和書房
発売日:2012-04-17

 

 

 

 

 

 

「グッとくる仕事をする」

もともと仙台出身の彼。有名商社に就職し、5年で会社を辞めると宣言し、その言葉通り退社して自分の会社を興しますが、取締会議でまさかの社長解任。しかしそれでくさることなく、人脈を生かして町づくりに関わりだした頃、東日本大震災に見舞われます。

「企業とはその業績によって社会を向上させることが役割である」という松下幸之助の言葉を挙げ、企業=社会貢献、地域に根ざし、生産者と消費者が共に利益を享受できるビジネスモデルを提唱しています。

利益を追求するのが第一の目的ではなく、仕事を通じて人の心を動かす「グッとくる」仕事をする。

仙台の自宅を開放し、被災地に物資と人を運び続け、炊き出しをし、人の輪を広げて支援組織を作り上げていく。

被災地で会った多くの人たち。支援に協力してくれた数々の団体、個人、事業経営者。

確かに彼の行動力、その人脈に頼るところも多いのでしょうが、まずはやってみること!

一歩を踏み出す。その大切さを教えてもらったような気がします。

 

まずは多くの人にこの現状を、被災地を見てもらいたい。

 

そのために、地球3周分も仙台と東京を行き来したという著者。

自分に何ができるかを考えて何もしないより、何もできないかも知れないけれどとりあえず飛び込んでみる。

その一歩が、大きな力になることだってある。

それは仕事や普段の生活にもいえることで、失うことばかり考えて何もしないより、心の喜ぶ働き方を実践してみる。

どんな学者や評論家が物知り顔で不安をあおりたてても、結局未来のことなんて誰にもわからないし、保障や保険なんて無いんですからね。

 

この本、実は近所の本屋さんになくて、ちょっと大型の本屋さんで探してもらったのですが、労働法規とか、ビジネス書でもかなり堅苦しい分類の棚に隠れるように並んでいました。

そこじゃないんだよなぁ~

いやそこにも一冊くらいあってもいいけれど、ビジネス書とか自己啓発本じゃなくて、やっぱり震災関係の本として並べて欲しかった。

被災地にケーキを届けた時のこと。

お店と同じようなケーキを見て喜ぶ人の中に「この娘パティシエになるのが夢なんです」という母娘がいて、「こんな美味しいケーキを作ってね」と声をかけると、その女の子はニッコリ笑顔を返してくれたんだとか。

被災地にケーキなんて、と思われる方がいるかも知れませんが、非常時にはおにぎりだってケーキだって、とりあえず食べるものが必要。常識にとらわれて二の足を踏んでしまうのは常識人の悪いクセ。

それに、女の子の笑顔という、オマケまでついてくるんですからいうことなし!

学ぶことの多い本でした。

 


吉野弘 「祝婚歌」

2012-05-13 22:04:29 | 本と日常

母の日ということで、お店にはプレゼント用の花やケーキ、家族団らん用の料理とかが華やかに並んでいました。

「母の日特性クリームチーズケーキ」というのに、とっても引かれたのですが、そこはグッと我慢。

チーズケーキって母の日と関係ありませんよね?(苦笑)

商魂たくましいというか、何でもイベントにしちゃうからな。

ま、買っていけば喜ぶんでしょうけれど。

 

私は相変わらず本屋通い。

古本屋さんを見て回り、お目当ての本がなかったので書店で立ち読み。

茨木のり子さんの作品集、『茨木のり子集 言の葉2』(ちくま文庫)を読みました。

 

 

 

 

 

 

 

全3巻の作品集なんですが、こちらには「自分の感受性くらい」が収められています。

私の好きな吉野弘さんの「祝婚歌」に触れている文章も載っていて、茨木のり子さんと吉野さんとの交流の様子、ドイツの結婚式でドイツ語に訳された「祝婚歌」が披露された様子なども、とても興味深く読みました。

この「私的図書館」で紹介した吉野弘さんの「祝婚歌」の一部です。

http://blog.goo.ne.jp/-hawk-/e/c6f87cd6352f9c7b49193589a35813f6

 

 正しいことを言うときは

 少しひかえめにするほうがいい

 正しいことを言うときは

 相手を傷つけやすいものだと

 気付いているほうがいい

 

その後、ドイツの結婚式ではたびたびこの詩が披露されたそうですが、若い新郎新婦がキョトンとしているのに対して、年配の夫婦にはとても評判がよかったというのが面白かったです。

時間をかけないとわからないこともありますもんね。

 

私はチーズケーキの誘惑を振り切って、ユニクロで買い物して、安売りのサンマを焼いて、アーサー・ランサムの『ツバメ号とアマゾン号』(岩波書店)を読んで過ごしました。

図書館で借りてきたので来週には返さなきゃいけないんですよね。

 

 立派でありたいとか

 正しくありたいとかいう

 無理な緊張には

 色目を使わず

 ゆったり ゆたかに

 光を浴びているほうがいい

 健康で 風に吹かれながら

 生きていることのなつかしさに

 ふと 胸が熱くなる

 そんな日があってもいい

       ―吉野弘「祝婚歌」より―

 

来週にはちょっと東北地方に行く予定でいます。

一年ぶりのあの地で、いろいろ見てきたいと思っています。

 


『森の生活者ソローの叡智』

2012-05-03 20:24:14 | 本と日常

連休後半初日。

私は大手量販店を回って、掃除機の値段をチェックしていました。

ポイントは、2万円以内で、ゴミパックがいらなくて、できるだけ静かな物。

今まではワンルームだったので、掃除機が無くてもなんとかなっていたのですが(雑巾がけはしてました!)、新居に引っ越したら部屋数も増えて、さすがに掃除機が必要になってきたんです。

結局、1万7千円くらいの掃除機を購入。

型落ち品ですが、一人暮らしならこれで充分。だいたい希望通りの掃除機を見つけることができました。

でも、私にとって1万7千円は大金。

文庫本なら10冊以上買えますからね~

お金を使うのって苦手です。

はぁ、緊張した。

 

最近読んだのは、アメリカの自然思想家、ヘンリー・ディビット・ソローの言葉を集めた本。

 

『孤独の愉しみ方―森の生活者ソローの叡智』(イースト・プレス 服部千佳子 訳)

 

ヘンリー・ディヴィッド ソロー
イースト・プレス
発売日:2010-09-01

 

 

 

 

 

 

 

 

 経験から確かに言えるのは、簡素で懸命な暮らしをすれば、この世で生きていくことは苦労でなく楽しみとなる。

 大部分の快適なものや、いわゆる生活を楽にするものの多くは、無くてすむばかりか明らかに人類の進歩の妨げになる。

 ― ヘンリー・ディビッド・ソロー ―

 

森の中に簡素な家を建て、自給自足の生活の中で、思索と読書と畑仕事をして暮らしたソロー。

彼は、自分を見つめるには孤独こそが最良の友だとして、単純に明快に、シンプルに生きる生活を提唱しています。

服を注文するために店に行き、店員に流行の服をすすめられても、「確かに最近まではそういう服が流行っていたが、今はこういう服が流行りなんだよ」と、昔ながらの自分の服を注文する(苦笑)

価値観なんて、そんな絶対的なものじゃなくて、相対的なものにすぎない。

実は人間が生きていくだけなら、驚くほど少ない労働で必要なものは手に入る…とソローは言います。

人は、その人生の大部分を、人生のためにではなく、日々の生活をより便利に快適に暮らすために費やしている、もしくは、便利に快適に暮らす道具を手に入れるための金銭を手に入れるために費やしている。肝心の人生は、それらが手に入ってから始まるとでも思っているかのように。

将来が保障されるだけの収入がないと心配。

といって結婚しない人々。

将来年金をもらうためには税金を払う必要があります。

といって未来を人質に今という時間に労働を強いる政府。

いったい、いつ”今日”を楽しむのだろう…

贅沢な食事も、快楽を追及しているに過ぎないとソローは言いますが、私はそこは共感できませんでした。だって毎日スイートコーンの食事なんて嫌だから(苦笑)

実際、我々の周りにあるもので、本当に必要なものって、実は少ないんですよね。

携帯電話なんて無くても人間は何千年もやってこれたし、車はたかだが2百年たらず、電気だって3、4百年前に発見されたわけですから。

 

一章・孤独が一番の贅沢
二章・簡素に生きる大切さ
三章・心を豊かにする働き方
四章・持たない喜び
五章・自然の教え

 

それぞれのページに、ソローの言葉と、その解説が載っているので、好きなページから読むことができます。

長編小説はちょっと、という時に、手軽に手に取れる本。

いきなり自給自足の生活を始めろ、というのは極端ですが、ソローの主張を、「現実離れしている」と切り捨てるのはもったいない。

現代文明と森での生活は、一見相反するもののように思えますが、それは人間の勝手な区分であって、どちらの世界も現実には違いないわけで、その両方の知恵をどう生かすかは結局いまを生きている人間しだいなんですよね。

教わるところはたくさんあると、この本を読んで思いました。

 

今日は午後から、購入した掃除機をさっそく使ってみました!

キレイになると嬉しくて、ついつい全部の部屋に掃除機をかけたくなって、掃除機をかけるために部屋の整理整頓もやってしまいました。

やっぱり片付いた部屋っていいですね~

それで気が緩んでしまい、一時間ほど昼寝を(苦笑)

1万7千円も払って掃除の手間を少なくしたのに、結局時間ができても何もやらなかった!

う~ん、これはこれで充実した一日だったのかな?

 


GWが始まりましたね

2012-04-29 23:25:21 | 本と日常

GW(ゴールデンウィーク)の前半、みなさんいかがお過ごしですか。

私は愛知県と岐阜県にまたがる「愛岐トンネル郡春の特別公開」というイベントに参加したり、友人一家とご飯を食べに行ったりしていました。

「愛岐トンネル郡」というは、明治時代に愛知県と岐阜県の県境付近に造られた一群の鉄道トンネルのことで、鉄道自体はずいぶん昔に廃線となったのですが、列車の走らなくなった今でも、レンガ造りのトンネルだけは山の中にひっそりと残っているんです。

普段は閉鎖されているそのトンネル郡が、期間限定で一般公開されるというので見に行って来ました♪

昼でもひんやりとしたトンネルの中は暗く、参加者は懐中電灯持参。

公開されているのはほんの一部分だけですが、それでも往復二時間弱の散策コースになっています。

GWということもあってけっこう混雑していましたが、ミニコンサートや蒸気機関車が走っていた当時の写真などが展示されていて、すぐ下を流れる川の音を聞きながらの散策はけっこう面白かったです。

参加費は大人一人100円♪

自然を満喫しながらのトンネル巡りは、いい運動になって、おいしい空気をたくさん吸ってきました。

なによりお金がかからず楽しめるのがいい(苦笑)

 

次の日は遠方に住む友人一家と焼肉で食事。

たくさんしゃべって、たくさん笑って、たくさん食べてきました♪

たくさん充電させてもらったので、これでまた明日から頑張れそう!

毎回お土産を選ぶのが密かな楽しみなんですが、今回は「ANTIQUE」というお店のとろなまドーナツの詰め合わせにしました。

「不思議の国のアリス」をイメージしていて、ドーナツを取ると、下に「eat me」とかアリスを彷彿とさせるキーワードが書かれています♪

友人夫婦には小学生の娘がいるので、見た目でなかなか好評でした☆

 

発売日を心待ちにしていた本もようやく手に入れることができました。

ルーシー・モード・モンゴメリ 著

 

『パットの夢』 (角川文庫)

 

モンゴメリ
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2012-04-25

 

 

 

 

 

 

谷口由美子さんが訳している、角川文庫のモンゴメリシリーズ。

前作『銀の森のパット』の続編にして完結編になります。

かつて村岡花子さんが『パットお嬢さん』という題名で訳されていましたが、絶版で長いこと読むことができなかったんですよね~

ずっと読みたかったので、また一つ夢がかないました♪

しかも本屋さんのポイントがたまっていたので、定価の100円引き!!

GWの後半は、この本を楽しみながら読みたいと思います♪

 


あなたに本を…

2012-04-23 20:43:30 | 本と日常

4月23日はサン・ジョルディの日。

スペイン、カタロニア地方では、女性は男性に本を、男性は女性に赤いバラを贈る習慣があるんだとか。

赤いバラなんて、贈ったことないなぁ(苦笑)

もし私が今日、誰かに本を贈るとしたら、やっぱりモンゴメリの『赤毛のアン』かな。

持ち手がはずれてしまう大きな手さげかばんを抱えて、緊張と不安でいっぱいになりながら、駅のホームで新しい里親を待ち続ける赤毛の少女…

そんな彼女が、この4月から新しい学校、新しい職場に飛び込んだ新人さんたちの姿と重なるから♪

 

「ねえ、どうして道が赤くなるの?」

「そうさな、どうしてかな」

「いいわ。それもいつか、しらべだすことの一つだわ。これから発見することがたくさんあるって、すてきだと思わない? あたししみじみ生きているのがうれしいわ――世界って、とてもおもしろいところですもの…」

           ―村岡花子 訳「赤毛のアン」(新潮文庫)―

 

この物語は当初、どこの出版社からも相手にされず、ようやく出版にこぎつけたのが1908年(モンゴメリ33歳)のことだったといいます。

「赤毛のアン」の成功で、売れっ子作家になったモンゴメリ。

彼女はその後、たくさんの作品を発表しました。

私も今日、本屋さんでそんな彼女の作品の一つ、『銀の森のパット』(角川文庫)を買って来ました!

モンゴメリ
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2012-02-25

 

 

 

 

 

内容は知っていますが、今月の25日に発売される『パットの夢』(角川文庫)と合わせて揃えようと思って。

こちらの舞台も「赤毛のアン」と同じプリンス・エドワード島。

現在この小説のモデルとなった、モンゴメリのいとこたちが実際に住んでいた「銀の森屋敷」は、カナダでグリーン・ゲイブルズ博物館として使われているそうです。

いいなぁ、プリンス・エドワード島。

行ってみたい!

奇しくも明日、4月24日はモンゴメリの命日。

ルーシー・モード・モンゴメリが亡くなったのは1942年のことです。

当時夫と共にカナダのトロントで暮らしていた彼女は、67歳で亡くなった後、終生愛してやまなかったプリンス・エドワード島に葬られたと聞きます。

100年以上昔の物語ですが、いま読んでもとっても面白い♪

実際にアンがブライト・リバーの駅に降り立ったのは6月のことですが、「歓喜の白路」や「雪の女王」といった花々の咲いているイメージが強くて、「春」って感じなんですよね。

やっぱり日本人だからかな?

「雪の女王」には遠くおよびませんが、ようやく咲いた近所の桜の写真を載せておきます☆

 

消臭剤などが有名なエステーが毎年夏に行っている「ミュージカル赤毛のアン」

そのチケット応募が今年も始まりました。

このミュージカル、チケット販売を行わないため、抽選に当たらないと見ることができないんですよね。

去年はハズレてしまったので、今年こそ当たって欲しい!

興味のある方は、ホームページからも応募できるので調べてみて下さい。(応募期間2012年4月1日~2012年6月30日)

あ、そうなるとますます競争率が高くなっちゃうかな?(苦笑)

 


本屋大賞に、三浦しをん『舟を編む』

2012-04-11 20:14:55 | 本と日常

「2012年本屋大賞」に、三浦しをんさんの『舟を編む』が選ばれましたね。

個人的に一押しの作品だったのでなんだか嬉しい♪

『ビブリア古書堂』はそれでなくても売れているので、いい作品なのになかなか注目されていなかったこの本が選ばれたことは、まさに「読んで欲しい本」を選ぶ本屋大賞にピッタリという感じ。

ドラマ化とかもされるのかな?

作者の三浦しをんさん、エッセイではBL作品に埋もれていたり、「ブタさん」なんて呼ばれているのに、インタヴューでは真面目に答えていたのが面白かったです☆

おめでとうございます。