私的図書館

本好き人の365日

十二月の本棚 3 『エリザベスは本の虫』

2007-12-30 23:58:00 | 絵本

本を読むのは何のため?

勉強?
何かの調べもの?
それとも娯楽として楽しいから?

本なんて読んだって役に立たない。
面倒くさい。
興味ない。

でも、世の中には本なしじゃ生きていけない人もいるんです!

その人たちがなぜ本を読むかって?

他の人のことはともかく、私の理由はこうです。

”本を読むのが好きだから☆”

難しいことは考えない。
役に立つとか立たないとか。
勉強になるとか自分が成長するためとか。

あなたは友達とどうして付き合っていますか?

役に立つから?
勉強になるから?
自分が成長できるから?

私は本を読むのが好きです。
大好きです♪

さて、今回はそんな本好きさんにはたまらない一冊。

サラ・スチュワート作、デイビット・スモール絵の絵本。

『エリザベスは本の虫』をご紹介しましょう☆

このサラとデイビットはご夫婦でこうした楽しい絵本などを発表しているアメリカに住んでいる作家さんです。

主人公のエリザベスはやせっぽっちでひどい人見知り、おまけに目も悪い女の子。

ままごと遊びはきらいだし、スケートなんてしたくない。
ただただ本を読んで、読んで、読んで、読みふけっている本の虫。

学校に入っても、寮で生活していても、デートになんて興味ない。

オリンピックに本読み競争があったらまちがいなく一等賞!

町で買い物する時も、めあてのお店は一つだけ。
お菓子も洋服も何にもいらない。
本屋さんに行ってこうひとこと。

「これいただくわ」

作者のサラ自身が、やせっぽちで、近眼で、お客さんが来るとお気に入りのぬいぐるみと本を持ってクロゼットに逃げ込んでいたほどの人見知りだったらしくて、まさにエリザベスそのもの☆

図書館と祖母の庭にいれば安心していられたんだとか。

本を読んで読んで読みふけるエリザベス。

一人旅の途中で道に迷ってしまい、帰り道がわからなくなると、しかたがないので家を買ってそこで家庭教師をして暮らすことにします♪

赤い髪の毛にやせっぽちな体型。
メガネにボサボサ頭なんだけれど、とってもとっても魅力的☆

でもこの絵本のすごいところはそのストーリー。

ロマンス?
友情?
家族愛?

いえいえ、ずーと本を読んでるだけです(笑)

最初一回読んだ時は「これで終わり?」と思いました。

もっともっと読んでいたい。
でも不思議なんです。

本をただただ読んでいるエリザベス。
特にそれが役に立つわけでも、彼女をお金持ちにするわけでもありません。

それでも、そんなエリザベスが素敵なんです。
心地いいんです。
スッキリしているんです!

エリザベスの立場になって、こう想像してみました。

毎日友達と遊びに出かけ、男の子とデートする。
仕事をバリバリこなし、みんなに必要とされ活躍する。
お金持ちになって、おいしいものを食べ、何不自由のない生活を満喫する。

本を読んでいるだけで何が幸せ?



…好きなことをやっている。

エリザベスはただそれだけ。



自分の幸せを追求する。それもけっこう。
そういうことが性に合う人もいるでしょう。

でも、エリザベスは、こうしたら幸せだとか、こうしたら幸せになれるとか、別に考えているわけじゃありません。

ただ本を読むのが好き。

ただそれをしているだけ。

本当に好きなことからは、何の見返りも必要としない☆

もちろんこれは私の個人的な感想です。
多分、読む人によっていろいろな受け止め方ができるでしょう。
少ないページと文字しかないのに、そういう感じ取り方ができるのも絵本の魅力♪

”本を読む”ことが好きだと自負する私でも、本が読めなくなる時があります。

とてもそんな気持になれない。

でもいつの間にか、また読み始めている。

つくづく、体質みたいなものです☆

気が付けば家中が本だらけ!
本の山でドアも開かない、もう一冊だって入らない!

さてその時、エリザベスはどうしたでしょう?

本が好きなだけじゃなく、何をしたらいいかちゃんと決断できるエリザベスが私は好きです。

口笛をふきながら、それをしちゃうエリザベスが私は好きです♪

絵本の好きな方、そしてもちろん、本好きな”本の虫”の方々にオススメします☆

どうぞ、うらやまし~とお叫び下さい♪







サラ・スチュワート  文
デイビット・スモール  絵
福本 友美子  訳
アスラン書房




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