私的図書館

本好き人の365日

『ビロードのうさぎ』

2011-12-14 23:33:00 | 絵本
今日のお昼過ぎ、地震がありました。

岐阜県東部を震源に、最大震度は4。

岐阜県に住んでいるのでけっこうゆれました。
東日本大震災でも大丈夫だったのに、家に帰ると初めての地震被害が…タンスの上に積んでおいた家電の空きダンボール箱、シンクの脇に置いておいた台所洗剤、本棚にディスプレイしておいた茂田井武さんの大判画集が床に落ちてしまっていました。

この程度で済んで良かった…

日本のいたるところにある断層の一つが近所にもあるので安心はできませんが、我が家の弱点がわかったので補強しようと思います。

家電の入っていたダンボールって、使わないとわかっていてもなかなか捨てられないんですよね。

最近本屋さんで見つけたお気に入りの絵本があります。

マージェリィ・W.ビアンコ 著
酒井駒子 イラスト・翻訳

『ビロードのうさぎ』(ブロンズ新社)

小さな男の子に贈られた、小さなうさぎのぬいぐるみ。でもすぐに飽きられて、他のおもちゃと一緒に閉じ込められてしまいます。高価なおもちゃたちに囲まれて、立派でもなくネジもないうさぎは隅っこで小さくなるばかり。唯一親切にしてくれる馬のおもちゃはこう言ってなぐさめてくれます。

「子どもべやには ときどき まほうが おこるものなのだ…」

心から大切にされたおもちゃはいつか”ほんもの”になる…

やがて男の子と一緒に遊んだり眠ったりするようになるうさぎ。

月日と共にその姿はしだいにボロボロになってしまいますが、男の子はそのうさぎを片時も放そうとしません。

ぬいぐるみとかお気に入りのタオルとか、誰でもそういうのってありますよね!

私の場合は枕カバー(苦笑)
これがどんなにボロボロになっても捨てられないんですよね。
他人には汚い”もの”にしか見えなくたって、本人にしたら”本物”はこれだけ!何者にも変えられない!!

…でも無常にも母親が平気で捨てたりして(苦笑)

そして物語の中でも、ついに男の子との別れが…

不覚にも涙ぐみそうになりました。

うさぎのぬいぐるみの視点で描かれる子ども部屋の世界。
映画「トイ・ストーリー」よりずっと前にこんな素敵な物語が描かれていたなんて知りませんでした。
物語自体の初版は1922年だそうです。そのお話に酒井駒子さんの絵がこれまたピッタリ♪
ひと目でなにか「ビビッ」と受信し、手にとってしまったくらい、魅力的な絵なんです☆

ぬいぐるみが大好きというお子さんにはピッタリかも(でも泣かれる可能性アリ)クリスマスのプレゼントにもいいですよ。物を大切にするのはいいことだけれど、いつか別れはやってくる…

思い切ってダンボール捨てようかな。


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