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御林落葉掻き禁止の解除のこと - 掛川古文書講座

(畦道のマツバウンランの群落)

新年度の諸講座が始まった。今年度は、すでに月2回の「駿河古文書会」は始まっている。その外、例年通り、金谷宿大学の「古文書に親しむ」「駿遠の考古学と歴史」、「掛川古文書講座」(いずれも年10回)に加えて、掛川文学鑑賞講座(年6回)を新たに受講することにして、今日申し込みをしてきた。

午後、第1回の掛川古文書講座に出席した。参加者がだんだん増えて、今年度は58人だという。「古文書に親しむ」講座も今年度は18人に増えたというし、駿河古文書会も新会員が何人かいた。定年を迎えた団塊の世代がここにも進出して来ているのかもしれない。

掛川古文書講座は、今年で7年目を迎えるという。毎年、掛川市内の地区を決めて、その地区にある古文書を教材としてきたという。これまでに、上張、千羽、子隣、各和、倉真、上垂木と来て、今年度は曽我地区が対象になる。自分は子隣の年度から参加して、今年で5年目となる。

曽我地区は、昔、曽我国造が支配したところから、曽我ノ庄と呼ばれた地区で、JR愛野駅の東に広がる地域である。曽我七ヶ村として、高御所、篠場、平野、領家、黒田、梅林(あるいは梅橋)、徳泉が挙げられている。(「遠江国風土記伝」より、安政年代、内山真龍著)

今年度、最初の文書は七ヶ村の内の、篠場(しのんば)と平野が関係した一紙文書である。30分ほど前に会場に着き、資料を頂いて、待ち時間で解読したが、入門用だからそんなに難しいところはなかった。

新会員が増えたので、初回は時間を掛けて説明があったので、この一文書を読んで終わった。

    差し上げ申す一札の事
篠場、平野、両御林、落葉、下草の義、前々より
両村へ取り来り申し候処、この度所々下枝打猥りなる儀これ有り候
に付、落葉掻き一切入り申さず候様、仰せ付けられ、両村とも、殊の外、
難義至極仕り候間、拙者ども、山方御役所へ度々罷り出、
御慈悲願い上げ奉り候に付、前々の通り仰せ付けられ、有難く
存じ奉り候、これにより、自今、村中申し合わせ、五人組互いに吟味仕り、聊かも
猥りの義、仕らざる様、急度、相守らせ申すべく候、後日の為、御請け
証文、よって件の如し
 明和元年申十二月     篠場村百姓代   甚五郎 ㊞
                 平野村同断    半九郎 ㊞
                 篠場村組頭    半右衛門 ㊞
                 平野村同断    善右衛門 ㊞
                 篠場村庄屋    金兵衛 ㊞
                 平野村同断    半兵衛 ㊞
                 篠場村同断    佐太夫 ㊞
   清水平太夫様
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