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「美耶巨萬有提」の解読 27


もう一枚コマーシャル、一昨日と絵柄が違います

午後、掛川文学講座で掛川図書館に行く。今日のテーマは「三島由紀夫」。講座の前に、講師の方と少し話をして、古文書講座を金谷と榛原でやっていると話した。講師の方も若い時、古文書講座に何度か通ったが、長続きしなかったという。

三島由紀夫は高校生のころ、大江健三郎を愛読する友に張りあって、愛読したものである。今では三島と同時代に生きて、三島を愛読していたものも少なくなったのではなかろうか。全集を持っているから、また三島由紀夫を読んでみようかと思う。

ちなみに、自分が結婚したのは、三島が自決した、ちょうど一年後の同日である。

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「美耶巨萬有提」の続き、16Pの8行目途中より。

星野某、織田某、黒岩某なとこゝまてをく(送)れり。
去日(きょじつ)佐み多れ(五月雨)、晴王多り追手(おって)ませ(真風)
以ふ風吹て、舟いとはやし。加田の湊ち可く、夜尓
い里て、とま(苫)可嶋ほの可尓見ゆ。
  海士(あま)の子可 須ミ可(住処)な徒可(懐か)し 苫(とま)可嶋
    波のうきねの 夢とおもへは
志者し漕行(こぎゆく)ほとに、追風やミて、磯山尓
月能出(いで)れり。
  玉ならは か徒起(担ぎ)てゆ可ん 波(寄)須る
    紀のいそ山尓 いつる月影
※ 去日(きょじつ)➜ この間。過ぎ去った日。
※ 追手(おって)➜ 追い風。
※ 真風(まぜ)➜ 南または南西の風。多く西日本でいう。
※ 苫ヶ島(とまがしま)➜ 友ヶ島。和歌山と淡路島の間にある、沖ノ島、地ノ島、虎島、神島の総称をいう。
※ うきね(浮き寝)➜ 人が船の中で寝ること。

【 読み下した文】

星野某、織田某、黒岩某など、こゝまで送れり。
去日(きょじつ)は五月雨(さみだれ)、晴れわたり追手(おって)真風(まぜ)
いう風吹きて、舟いと速し。加田の湊近く、夜に
入りて、苫ヶ島ほのかに見ゆ。
  海士(あま)の子が 住処(すみか)懐かし 苫(とま)ヶ島
    波のうきねの 夢と思えば
しばし漕ぎ行くほどに、追風止みて、磯山に

月の出でれり。
  玉ならは (かつ)ぎて行かん 波寄する
    紀の磯山に 出づる月影

(16Pの15行目途中まで、以下続く)

読書:「新春新婚 小料理のどか屋人情帖30」 倉阪鬼一郎 著

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
一言坂の戦い (札幌・アラセ)
2022-01-22 11:26:14
アマゾンに発注しました
読むのが楽しみです
 
 
 
ありがとうございます (きのさん)
2022-01-23 22:56:20
ありがとうございます。

著者も喜ぶと思います。
 
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