goo

「彙軌本紀」の解読 10


(庭のサツキが咲き出した)

サツキと書いたが、ツツジなのかサツキなのか、今もって区別できないでいる。樹丈が低いのと、葉につやが見えるのを根拠に、サツキと決めた。樹丈が低いのは、庭木で切り詰めているからそう見えるかもしれないし、いずれにしても確信はない。

午前中、竹下区の通帳の名義書き換えに、自治会長に御足労願い、手続きを終えた。中央で事件が起きる度に、下々の手続きが厳格化されて、書き物が増えてくる。ただ、これで毎年の書替えは不要になる利点もある。

********************

「彙軌本紀」の解読を続ける。

菖蒲刀、八畳の間を塞(ふさ)ぎ、画草帋(絵草子)、長持(ながもち)に余る。長松、買物に銭を(かす)って、飴ん棒(あめんぼう)をかじり、大轉(おおころばし)達磨糖下卑(げび)に至っては、湯帰りの鼻唄。按摩に犬をけし掛けては、手下の伊之助に被らせ、坊様(ぼうさん)の御気に入って、傍輩(ほうばい)茶にす
※ 菖蒲刀(しょうぶがたな)➜端午の節句に、ショウブの葉を刀に見立てて男児が腰に差したもの。後世は飾り物として節句に飾った木太刀。
※ 掠る(かする)➜ 他人のものをちょっと利用する。上前をはねる。
※ 大轉(おおころばし)➜ まるい棒状の飴や餠などの菓子。
※ 達磨糖(だるまとう)➜ 江戸時代中頃、安永の頃に流行した駄菓子の一種。まるい、アルヘイ糖。
※ 下卑(げび)➜ 下品で卑しいこと。意地汚いこと。
※ 茶にす(ちゃにす)➜ ばかにする。ひやかす。軽くみる。

髪置(かみおき)袴着(はかまぎ)の御祝儀、大丸、越後屋と来たって、錦繍(きんしゅう)を商う。定紋(じょうもん)を俗なりとして、篆字(てんじ)に寿の文字を縫(ぬ)わせ、当日、明神へ詣うでて、密に往来の評判をきゝ、帰って味噌を上げたること、火の見櫓より高く、乳母が鼻、天狗に倍す。
※ 髪置(かみおき)➜ 男女ともに3歳。この日を境に髪を伸ばし、おかっぱを結髪に改めるお祝い。
※ 袴着(はかまぎ)➜ 男5歳。初めて袴を着るお祝い。冠をつけて碁盤の上に立つ。
※ 錦繍(きんしゅう)➜ 錦と、刺繍を施した織物。美しい織物・衣服。
※ 定紋(じょうもん)➜ 家々で定まっている正式の紋。表紋。
※ 篆字(てんじ)➜ 篆書体の文字。
※ 味噌を上げる ➜ 自慢する。手前味噌を並べる。

八歳の頃、義之流(ぎしりゅう)の華道を学ばせ、四書の素讀(そどく)も済ま
ざるに、唐詩選と、太平(たいへい)なり。坊様の幼号は、西風に吹き散じ、薄子(けいはくし)来たって、若旦那と称す。髪は頭上に曲げし。羽織は地を払って長く、自讃(じさん)して曰う、

  ただ人なるに匪(あら)ず、心を秉(と)ること塞淵(そくえん)(詩経)

と。野暮を見ること、上野から下谷を見るが如し。
※ 素讀(そどく)➜ 書物、特に漢文で、内容の理解は二の次にして、文字だけを声に出して読むこと。。
※ 太平(たいへい)➜ 勝手気ままにふるまうこと。太平楽。
※ 軽薄子(けいはくし)➜ 軽薄な人。あさはかで誠意のない人。
※ 自讃(じさん)➜ 自分で自分の行為などをほめること。
※ 塞淵(そくえん)➜ 充実して深淵。思慮が深く着実なさま。
※ 野暮(やぼ)➜ 人情の機微に通じないこと。 

茶は千家を慕い、俳諧は和泉街に随う。未だ百韻(ひゃくいん)一集もせざれども、発句(ほつく)は諸集に載せたり。
※ 百韻(ひゃくいん)➜ 百句を連ねて一巻きとする形式。
(「彙軌本紀」つづく)
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

「彙軌本紀」の解読 9


(庭のホウチャクソウ)

家の庭に来て、もう30年以上経つ。毎年花を付けるけれども、気付いたときは、もう終わり掛けなことが多い。

********************

「彙軌本紀」の解読を続ける。

おなじ水道の流れを食(く)えども、俗中に交われば、いまだ(つう)のある所を知らず。余、長命にして、つら/\世の形勢(ありさま)を見るに、母の胎内を出て、乳汁(にゅうじゅう)を食(く)い、坊様(ぼうさん)となっては、鳥飼(とりかい)が羊羹を甘(あま)んじ、旦暮(たんぼ)会残魚(きす)を食らって、佗々(だだ)止む時なく、丁稚(でっち)が天顖(あたま)は木魚を撃(う)つに等し。乳母が結い立ての髪をむしる。
※ 通(つう)➜ 江戸後期、江戸人の美的生活意識。江戸では主として遊里に集中して、客が遊女との愛情の応酬に際して、渋滞なく行動できることをいい、さらに転じて、遊里における社交上の教養・風俗のすべてに通ずる意をさす。
※ 坊様(ぼうさん)➜ 男の子を敬っていう語。
※ 鳥飼(とりかい)➜ 江戸時代、日本橋にあった饅頭の老舗、鳥飼和泉のこと。
※ 旦暮(たんぼ)➜ 朝晩。あけくれ。旦夕。
※ 佗々(だだ)➜ 子供などが甘えてわがままを言うこと。

(ほえ)る声、四莚(しえん)を驚かし、踟躘(あしずり)、膳に埃(ほこ)りす。手代、大いに困って、番太郎へ丁稚を走らしむ。長松、抜からずして、(なまり)の天神と、「ねずみの嫁入り」の草双紙とを取り来たって、坊様(ぼうさん)に献ず。二品を投げ出して、これではないと吼(ほえ)ること、已前(いぜん)に培(ばい)す。伴頭(ばんとう)口小言(くちこごと)紛々(ふんぷん)として、自身に人形丁へ至りて、角力取り(すもうとり)の木偶(にんぎょう)を買う。帰り来たって、また坊様(ぼうさん)に献ず。漸く寛尓(にっこ)として、床の間へかざり、長松を相手にして、喜気満面に及ぶ。
※ 四莚(しえん)➜ 座席の四方。その座全体の人々のこと。満座。
※ 踟躘(あしずり)➜ 地にすりつけるように足踏みをすること。じだんだを踏むこと。(激しい悲しみや怒りを表す動作)
※ 番太郎(ばんたろう)➜ 江戸時代、自身番に所属し、火の番や夜回り、使い走りなどをした者。番太。
※ 錏の天神(なまりのてんじん)➜ 鉛で作った玩具の天神。(黙りの天神ともじった)
※ 口小言(くちこごと)➜ あれこれとやかましく言う小言。
※ 紛々(ふんぷん)➜ 入り乱れてまとまりのないさま。
※ 喜氣満面(ききまんめん)➜ 喜色満面。喜びの表情が心の中で包みきれず、顔じゅうにあふれ出ているさま。

父母これを見て涎(よだれ)を流し、戯場(しばい)(ごっこ)の器用なるを、裏店の嚊(かかあ)に伝う。誉(ほ)むること、小栗殿の馬の如く、父母これに乗じて、羽目を外して、驋劇(そうげき)をゆるす。
※ 小栗殿の馬(おぐりどののうま)➜ 小栗判官は、人喰い馬の鬼鹿毛を手懐け、横山家では小栗に感服し、娘の照手姫との結婚を認めたという説話を指す。
※ 驋劇(そうげき)➜ 「驋」の音読みは「はつ」、意味は「馬が勢いよく走るさま」で、そぐわない。正しくは「騒」ではないか。「騒劇(そうげき)」ならば、騒々しくせわしいこと。さわがしくあわただしいこと。騒動。
(「彙軌本紀」つづく)

読書:「謎の殺し屋 蔦屋十三郎事件帖 2」 鈴木英治 著
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「彙軌本紀」の解読 8


(庭のドウダンも咲き出した)

昨夜、引継ぎを受けて、会計担当総代の仕事が始まったが、面倒くさい仕事が次々に出てきそうだ。まあ、一年間、我慢してこなして行くしかない。明日はJAに行って、色々聞いて来ようと思う。

********************

「彙軌本紀」の解読を続ける。

浄瑠璃の方にては、鬼外(きがい)先生没して後、紀の上太郎、弁治、萬象、貫四(かんし)、揚黛、鬼眼(きがん)と覚えたり。さて、狂言は、次助、重助、専助、馬霊。河竹、金井は休み。云いおくれたり。浮世画は、花藍、春章、
清長、湖龍、歌麿。問うことなしや、如何に。
※ 鬼外(きがい)➜ 福内鬼外。浄瑠璃作者としての平賀源内の筆名。
※ 株(かぶ)➜ その仲間・社会で評価を得ていること。また、その評価。

あるとも/\、料理家は。はて、食類(しょくるい)とは面白し。樽三舛屋、六紋屋、葛西太郎に、大黒屋。浮瀬沈流(うかむせちんりゅう)、山藤庵、楽庵、百川。四季庵の四季おり/\の献立に、善尽し美尽せり。客これを聞いて手を打って曰う。恐るべきは東都の盛んなること、他邦(たほう)の及ぶ所に非ず。長袖(ちょうしょう)能く舞い多銭(たせん)能く商(あきな)の大都。浪華の方を並べんとは、虫のよきの、甚(はなはだ)しきなり。
※ 食類(しょくるい)➜ 食品の類。食べ物。食物。
※ 浮瀬沈流(うかむせちんりゅう)➜ 浮いたり沈んだり。料理屋には浮き沈みがあることを示す。
※ 善尽し美尽せり(ぜんつくしびつくせり)➜ 物事が立派で美しいこと。これ以上ないというほど美しく立派に拵えること。
※ 長袖能舞(ちょうしょうよくまい)➜ 長い袖の着物を着た者は、よく舞うことができる。資力のある者は、何事をなすにもなしやすいことのたとえ。
※ 多銭能商(たせんよくあきなう)➜ 良い条件が整っていれば物事は成功しやすいということ。(資本が多くあれば商売はうまく行きやすいということから)

(ねが)わくば先生、(しり)えに青楼(せいろう)の曲を弁じ給え。余、故郷に帰りて、早く童辺僕(とうへんぼく)に伝え、再び東都に来て、扇屋の天井を見ざるの一助とせんと。混空(ひたすら)の求(もと)めに応じ、烟草四、五服を食っ、また味噌を挙げて曰う。
※ 後えに(しりえに) ➜ 後方に。おわりに。
※ 青楼(せいろう)➜ 遊女屋。妓楼(ぎろう)。江戸では特に、官許の吉原遊郭をさした。
※ 童辺僕(とうへんぼく)➜ 唐変木。気のきかない人物、物分かりの悪い人物をののしっていう語。
※ 烟草を食う(たばこをくう)➜ 煙草を吸う。
※ 味噌を挙る ➜ 自慢する。手前味噌を並べる。

  その磧礫(せきれき)を翫(もてあそ)んで、
  玉淵(ぎょくえん)を窺(うかが)わざる者、
  未だ驪龍(りりよう)の蟠(わだか)まる所を知らず。
※ 磧礫(せきれき)➜ 河原の小石。
※ 玉淵(ぎょくえん)➜ 清く美しい淵(ふち)。
※ 驪龍(りりよう)➜ 黒色の竜。「驪竜頷下の珠」は、黒色の竜のあごの下にある珠。危険を冒さなくては手に入れることのできない貴重なもののたとえ。
(「彙軌本紀」つづく)

読書:「起死の矢 大江戸定年組 3」 風野真知雄 著
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「彙軌本紀」の解読 7


(庭に赤芽が目立つ)

これはクスノキではないかと思う。300年も経てば巨木になるだろうが、早晩、切られる運命にあるのだろう。今はそのあでやかさを愛でておこう。

夜、雨の中、区の総代引継ぎに参加した。会計仕事は慣れているとはいえ、こまごまと気を遣うことが多そうである。帰ると、故郷の次兄が入院との報を聞く。元気だったとはいえ、すぐに80歳になるから、心配である。コロナの時代、飛んで行けないのが何とももどかしい。

********************

「彙軌本紀」の解読を続ける。

東都の親玉、尻もちは八百八街、風来散人(ふうらいさんじん)飛んだ噂を評して、彼が気象(きしょう)を賞す。柏莚(はくえん)は昔時の傑(けつ)足下(そっか)にて今日の勇。奇なるかな、市川の芸術。嗚呼つがもねえと。独り気負って、(おとがい)を敲(たた)ば、傍(かたわら)浪華(ろうか)の客あり。
※ 株(かぶ)➜ その仲間・社会で評価を得ていること。また、その評価。
※ 風来散人(ふうらいさんじん)➜ 平賀源内、戯作時の筆名「風来山人」のもじりか。
※ 気象(きしょう)➜ 気性。性質がしっかりしていること。気風がよいさま。
※ 柏莚(はくえん)➜ 四代目、市川團十郎の俳号。
※ 足下(そっか)➜ 足もと。
※ 嗚呼つがもねぇ(ああつがもねぇ)➜ 江戸時代の流行語。ああ馬鹿らしい、くだらないの意。市川團十郎が、荒事の中で見得をきるときの決まり文句から流行。
※ 頜を敲く(おとがいをたたく)➜ (「おとがい」はあごのこと。)減らず口をたたくこと。
※ 浪華(ろうか)➜ なにわ。大阪の古称。

むっとして曰う、汝出るままの東都(えど)自慢を上げる。我、問うことあり。当世流行するものは何(いず)くぞ。答え曰う、その一、二を挙げて云えば、三舛繋(つな)ぎ親、和染(わぞ)め。ひわ(鶸)とび色大名縞、短脇差。長羽織、因果地蔵に、富の札、巣立ち妓者(げいしゃ)に、手打蕎麦。画艸帋(えぞうし)、洒落本(しゃれぼん)虱紐(しらみひも)。笛吹き按摩、女医者、しゃべること、豆蔵(まめぞう)の如し。
※ ひわ茶(鶸茶)➜ 緑味の鈍い黄色のことで鶯茶より明るい色調。鶸茶は、江戸中期の小袖の色として流行した。
※ とび色(鳶色)➜ トビの羽毛の色のような赤みの茶色である。
※ 大名縞(だいみょうじま)➜こまかいたて縞。また、その模様の布。
※ 画艸帋(えぞうし)➜ 絵草子。
※ 虱紐(しらみひも)➜ 江戸芝金杉通三丁目の鍋屋源兵衛の店で売り出したシラミよけのひも。布のひもに薬を塗ったもの。
※ 豆蔵(まめぞう)➜ 軽薄なおしゃべりをする人をののしっていう語。

また問う、今、浪華に狂歌専ら行わる。東都には誰々ぞ。答えて曰う、四方赤良(よものあから)朱落管江(あけらかんこう)唐衣橘州(からころもきつしゅう)、平原屋東作(へいげんやとうさく)、元の木網(もとのもくあみ)、智恵の内子(ちえのないし)、その外挙げて数え難し。さて俳諧は、解庵、獨庵、木犀庵、獅子眠を始めして、これまた、云いも尽くされず。画艸帋(えぞうし)の作者は如何に。喜三二(きさんじ)春町芝全交(しばぜんこう)、この三子を上手とす。
※ 四方赤良(よものあから)➜ 大田南畝の狂名。
※ 四方赤良、朱落管江、唐衣橘州 ➜ 天明狂歌ブームを築き、狂歌三大家と呼ばれた。
※ 喜三二(きさんじ)➜ 朋誠堂喜三二。江戸後期の戯作者。秋田藩主佐竹氏の江戸留守居役。
※ 春町(はるまち)➜ 恋川春町。江戸時代中期の戯作者。駿河小島藩用人。
※ 芝全交(しばぜんこう)➜ 江戸時代中期から後期に活躍した戯作者である。
(「彙軌本紀」つづく)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

菜の花と、「彙軌本紀」と


(大東図書館前の菜の花)

テレビのニュースで知って、一昨日、掛川市大東図書館前の菜の花を見に行った。延々と黄色い野原が拡がって、見ものであった。しかし、よく観察すると、この色目は、菜の花でもアブラナではないように思えた。黄色にやや青味かかって見えるのは、同じ菜の花でも、カラシナだろう。葉っぱもアブラナのように厚ぼったくない。カラシナは大代川の土手で野生化したものをよく見るから、お馴染みである。もちろん、どちらにしても菜の花と呼んで、間違いではない。

自由に摘んで帰ってよいと、看板に書かれていた。アブラナもカラシナも花芽を食用に出来るが、カラシナの方が食べやすい。少し頂こうかと思ったが、これから見に来る人も多いだろうから、止めにした。

土曜日の今日、今月だけ一週間遅れの金谷宿「古文書に親しむ」講座の日である。今年度、最後となった。一時はどうなるかと心配したが、10回と回数は減ったが、無事実施出来たことはありがたい。

朝は弱いが、9時半にはみんくるに行く。やや出席者の到着が遅れた。聞けば、バイパスが渋滞で遅れたという。家山の桜も満開で、「門出」も人であふれているという。明日は天気が崩れるようで、人出が今日に集中したのであろう。コロナ下で心配な人出だが、耐えてきた人々の気持ちを考えると、無理はないとも思える。これでまた陽性者が増えるだろうなあ。うっとうしい話だが、当面は今の暮らしを続けて行かねばならないと覚悟した。

午前、午後、二つ講座をこなして、4時間しゃべり続け、やはりさすがに疲れた。「彙軌本紀」の解読は、今日はパスである。それにしても、「彙軌本紀」という本、何が書きたいのか、今もって理解できない。「いき(粋)」という言葉が、江戸時代にどのように考えられていたのかが知れると思ったのが、江戸における「いき(粋)」のシチュエーションがちりばめられているだけで、脈絡がない。しかも、江戸では常識だったことが、一つ一つ難解で、解読してゆかねばならない。全く注だらけで、途中で止めたくなった。そこで、今日は一日解読をお休みにした。体制の立て直しである。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「彙軌本紀」の解読 6


(今夕の集合場所は違う)

(昨日の続き)今日は集合場所が変わったらしい。大代川土手のネムノキの高枝に集っている。電線にも少しだけ集っている。

明日、金谷宿「古文書に親しむ」2講座、今年度最後の講座がある。その準備と、来年度の資料の準備に一日がかりであった。

********************

「彙軌本紀」の解読を続ける。

新たに蒙(こう)むる(しりべた)の痣(あざ)嚊衆(かかしゅ)の張込み、口紅の色を失う。太夫、内簾(うちみす)綿帽子は降り積む雪かと疑(うたが)われ、五間(ごけん)続きの黒仕立、洒落(しゃれ)止む時なく、問い来る翁(おきな)屋が折り、南鐐二片と致し、知らせの拍子木(ひょうしぎ)に、聚客(しゅかく)色を直し、頗(すこぶる)が口上、さらに聞(きこ)こえず。幕明(まくあき)下り葉(さがりは)に弁当の箸を投げる。
※ しりべた(尻べた)➜ 尻の左右にある肉付きの豊かな部分。しりっぺた。
※ 嚊衆(かかしゅ)➜ おかみさん。女房。
※ 内簾(うちみす)➜ 江戸時代の歌舞伎劇場の桟敷の名。東西の一階桟敷の舞台寄り八間で、簾が下げてあったのでいう。
※ 綿帽子(わたぼうし)➜ 日本的な高い髷を結った髪の上に、頭を覆う形で被る、白い袋状の被り物。
南鐐(なんりょう)➜ 江戸時代、二朱銀の異称。長方形の銀貨幣で、1両の8分の1。 
※ 聚客(しゅかく)➜ 集まった客。
※ 下り葉(さがりは)➜ 尺八の名曲。

(しばらく)の一声、吉例角鬘(すみかつら)、主膳(とのも)が浄瑠璃は、獅子の吼ゆるに異らず。立ち出る柿の素襖(すおう)、悠々として花道に至れば、譽(ほ)むる声、異口同音にして、積み上げたる蒸籠(せいろ)の山に響く。年々歳々の科白(せりふ)、花相似たり。打ち驚く敵(かたき)役、臆して進むこと能(あた)わず。はりおとす金巾地の冠(かむり)は、天幸(てんこう)も無きが如く、姫君の危難を救い奉りて、一刀の下に首百級を伐(き)る。大いなるかな。
※ 暫(しばらく)➜ 歌舞伎の演目で歌舞伎十八番の一つ。時代物。荒事の代表的な演目である。
※ 吉例(きちれい)➜ めでたいしきたり。
※ 角鬘(すみかつら)➜ 角前髪(すみまえがみ)のかつら。若衆鬘の一つで、前髪のはえぎわを剃り込んだ髪形。歌舞伎では荒事用、和事用の二種ある。
※ 素襖(すおう)➜ 直垂(ひたたれ)の一種で、大紋(だいもん)とともに同系列の服装。いずれも江戸時代に武家の礼装に用いられたが、その順位は、直垂が最高で、次が大紋、素襖はその下で平士、陪臣(ばいしん)の料とされた。
※ 金巾地(かなきんじ)➜ 綿布の一。固く縒(よ)った糸で目を細かく織った薄地の広幅綿布。。
※ 天幸(てんこう)➜ 天の与えた幸福。天の恵み。
(「彙軌本紀」つづく)

読書:「武士の流儀 4」 稲葉稔 著
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「彙軌本紀」の解読 5


(夕焼けに栖へ帰ろう)

夕暮れになると、三羽、五羽と我が家の前の電線へムクドリが集まって来る。ピーチクと、今日それぞれの餌場であったことなどを話しているのだろうか。そして、ある瞬間にいっせいに飛び立って、西の山に向かって飛んで行った。

********************

「彙軌本紀」の解読を続ける。

さんげ/\の烑灯(ちょうちん)は、両国橋より長く、納(おさ)め太刀は、梁(うつばり)よりも大いなり。「なんまいだん仏」の大音には、仏も耳を塞(ふさ)ぎ、六根清淨(ろっこんしょうじょう)驋劇(そうげき)には、不動も逆上すベく、梵天(ぼんてん)万度(まんど)の、振りよう張込(はりこみ)太平(たいへい)は、親分の流義に随う。
※ さんげ/\ ➜ 懺悔/\。あるいは、散華/\。大太刀を担いだ大山講の人々が、大山へ向かう。
※ 驋劇(そうげき)➜ 「驋」の音読みは「はつ」、意味は「馬が勢いよく走るさま」で、そぐわない。正しくは「騒」ではないか。「騒劇(そうげき)」ならば、騒々しくせわしいこと。さわがしくあわただしいこと。騒動。
※ 梵天(ぼんてん)➜ 江戸時代、風神、悪魔、虫などを追い払うための一種の幣束。飛脚などの往来や参宮に持参するほか、祭礼の際に振りながら持って歩いたり、村境に建てたりする。 
※ 万度(まんど)➜ 多くの回数。何回も何回も。たびたび。
※ 張込(はりこみ)➜ 精出して努力する。力を入れる。意気ごんでする。
※ 太平(たいへい)➜ 勝手気ままにふるまうこと。太平楽。

遠慮/延引の間違(まちが)い、先刻/先日の誤(あやま)り、片言(へんげん)互いによく通ず。仙の字の手拭い、半顔(はんがん)をつつみ、紅(くれない)の褌(ふんどし)、寒風に飜(ひるが)える。般若の面、女の首の入れ黒子(ほくろ)。乱鬢(らんびん)、長髪は仲間の礼なり。相伝う顔見世の積物(つみもの)、乕(とら)屋が蒸籠(せいろう)剣菱の空樽、大路(たいろ)に山をなし。
※ 片言(へんげん)➜ 一方の人の言葉。片方の言い分。
※ 積物(つみもの)➜ 歌舞伎の興行や商店の開店のとき、祝儀の酒樽・俵物などを積み重ねて飾ったもの。
※ 蒸籠(せいろう)➜ 方形または丸形の木の枠の底に簀を敷き、糯米・団子などを入れ、釜にのせてその湯気で蒸す器。
※ 剣菱(れい)➜ 兵庫県伊丹に産する酒の銘柄。江戸時代には将軍の御膳酒にもなった。

若い者中の張札(はりふだ)帳屋(ちょうや)が筆跡(ひっせき)と見事なり。紋々(もんもん)の手拭いは、木戸銭を掠(かす)り、屯(たむろ)して打つ手拍子、近隣に響いて鳴る雷(いかづち)かと誤(あやま)たる。木戸番、海老蔵(えびぞう)が仕着(しきせ)もの。留場(とめば)八丈きり立て。花道を歩行(ある)いて、桟敷の美人を張る。割り込み人、中を割って、山の手の客をさらい込む。
※ 張札(はりふだ)➜ 知らせるべき事柄を紙や木の札に書いてはりだすこと。
※ 帳屋(ちょうや)➜ 江戸時代、種々の帳面や紙・筆墨類を売った店。
※ 紋々(もんもん)➜ 刺青。入れ墨。
※ 留場(とめば)➜ 江戸時代の歌舞伎劇場で、花道の揚げ幕の奥、西の木戸口の脇にあった場内取り締まりの若者の詰め所。
※ 八丈(はちじょう)➜ 八丈島産の平織りの絹布の総称。
※ きり立て(きりたて)➜ 仕立ておろして間もないこと。
(「彙軌本紀」つづく)

読書:「江戸の出版王 蔦屋十三郎事件帖 1」 鈴木英治 著
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「彙軌本紀」の解読 4


(もう一つ、路傍のあぜにノジスミレの群落があった )

一日、古文書講座の新年度の準備。「みんなと倶楽部」の賛助会費を送金した。

********************

「彙軌本紀」の解読を続ける。 

名にしおう日本橋の側、魚店軒をならべ、四時(しじ)にかゝわらず、日々千金(せんきん)を商い、ぶりがれんそく(百)、がれんの唐音(とういん)軽子(かるこ)呼ぶ巻き舌と争い、初松魚(はつがつお)、價(あたい)百貫にして、遠近(えんきん)に飛び、鮟鱇(あんこう)は珠玉(しゅぎょく)に換(か)えて、東西に走る。鯛は諸侯に奉じ、鮪(まぐろ)は下賤の食(く)いもの。買上る河豚(てっぽう)販食(にうり)の鄽(みせ)棒手振(ぼてふ)は生鰯(なまいわし)、鮭(しゃけ)の魚(いお)を售(うっ)て、妻子を養う。人物活々(かゝ)として、勢い昇天の龍の如し。
※ 四時(しじ)➜ 一年の四つの季節、春夏秋冬の総称。四季。
※ 千金(せんきん)➜ 千枚の黄金。千両のかね。
※ ぶり、がれん、そく ➜ 魚屋、八百屋の符丁。「ぶり」は二、「がれん」は五、「そく」は百の意の符丁。
※ 唐音(とういん)➜ 日本の漢字音の一。江戸時代に、長崎を通じて伝えられた、明から清の初期の発音によるもの。
※ 軽子(かるこ)➜《軽籠(かるこ)で荷物を運んだところから》雇われて荷物を運ぶ人。担ぎ人足。
※ 巻き舌(まきじた)➜ 舌の先を巻くようにして勢いよく話すこと。また、その口調。江戸っ子に特有のもの。べらんめえ口調。
※ 河豚(てっぽう)➜ 河豚(ふぐ)。「あたると死ぬ」という連想から、ふぐ及びふぐ料理のことを「てっぽう」と呼んだ。
※ にうりや ➜ 江戸時代の日本に存在した煮魚・煮豆・煮染など、すぐに食べられる形に調理した惣菜を販売する商売のこと。
※ 棒手振り(ぼてふり)➜ 品物をかついだりさげたりして、呼び声をたてて売り歩くこと。

二合五勺(こなから)の酒に酔いては、源八と闘諍(とうじょう)に及び、親分、柔訣(じゅうけつ)と制すれば、双方口を閉じて止む。和睦の蕎麦、振る舞い、異客(いかく)前帯(まえおび)慇勤(いんぎん)なり。
※ 二合五勺(こなから)➜ 小半(こなから)は、半分の半分のこと。つまり、一升の四分の1、二合五勺のことを「こなから」と称した。
※ 闘諍(とうじょう)➜ 戦い争うこと。あらそい。 いさかい。
※ 柔訣(じゅうけつ)➜ おだやかに別れること。
※ 異客(いかく)➜ 主賓以外の客。
※ 前帯(まえおび)➜ 帯の結び目を前にして結ぶこと。江戸時代、女郎・歌比丘尼・老女などに多く見られた。
※ 慇勤(いんぎん)➜ 慇懃(いんぎん)。真心がこもっていて、礼儀正しいこと。
(「彙軌本紀」つづく)

読書:「菩薩の船 大江戸定年組 2」 風野真知雄 著
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「彙軌本紀」の解読 3


(路傍の空き地にアリアケスミレの群落があった)

小さな目だたない、雑草と一まとめに呼ばれる花も、カメラを近付ければ、見栄えがある。普通は見過ごすのだが、これだけ群落になっておれば、放って置けない。

今朝夜中、突然ボーーーという騒音で、我が家は大騒ぎとなった。音は家の外から聞こえる。冷暖房機の室外器でも壊れたかと思ったが、夜中に冷暖房も点けていない。窓から外を見てあれだと気付いた。隣りの茶園はお茶問屋が借り受けて茶園を経営しているが、その霜よけのスプリンクラーが廻って、ノズルから出た水が、茶園と我家の境に、飛沫を除けるために張ったビニールシートに激しく当り、音を立てているのであった。夜中、あたりが静かな所だから、音が響いた。またそのすぐ隣では、ビニールシートが低くて、スプリンクラーの水が我が家の壁まで直接届いて壁を打っていた。

明けて、お茶問屋を呼んで事情を聴いた。一番茶前にスプリンクラーと飛沫除けシートに手を入れ、テストもして、未明はスプリンクラーの初日だったが、御迷惑をかけたと謝る。原因が分かり対策出来るまで、我が家に一番近い一列のスプリンクラーを止めると約束してくれた。

思うに、お茶問屋がテストしたときは当地は雨不足で、使用している地下水位が随分下がっていたのではないか。それがこの数日、2日と置かず雨が降り、特に一昨日の大雨で、大代川にも驚くほどの流れが戻った。その影響で、地下水位が上がったのではないか。そのため、スプリンクラーの水が想定以上に飛び出したのではなかろうか。まあ、これで騒ぎが終ればよいが、一番茶までにまだ1ヶ月はある。

大井川水系の農業用水、飲料水の取水制限は総て解除されたと、テレビのニュースが伝えていた。

********************

「彙軌本紀」の解読を続ける。

(吉原遠望)
  吉原の          四方赤良
    夜の(せ)
   はるの夕暮れは
  入相の鐘
     花や咲くらん
※ 四方赤良(よものあから)➜ 大田南畝の狂名。
※ 背(せ)➜ 女が男を親しんでいう語。主として夫・恋人をさす。
※ はる ➜ 「張る」と「春」の掛詞。「張る」は、遊女が店先に並んで客をひく。
※ 入相の鐘(いりあいのかね)➜ 日暮れ時に寺でつく鐘。晩鐘。

 狂訓 彙軌本紀(いきほんぎ)
   雲筑(うんちく)  島田(しまだ)金谷(きんこく)  纂輯(さんしゅう)
   口唐(くちから)  出(で) 鳳臺(ほうだい)    校訂
※ 雲筑(うんちく)➜ 蘊蓄。蓄えた深い学問や知識。
※ 纂輯(さんしゅう)➜ 文書を集めて、書物にまとめること。

天照太神(あまてらすおゝんかみ)、素戔嗚尊(すさのおのみこと)天津罪(あまつつみ)を侵し給いしことを、憎ませ給いて、天の岩戸を閉じて隠れ給いしかば、天下闇雲(やみくも)となりにけり。
※ 天津罪(あまつつみ)➜ 古代における罪名の一種。農耕や祭祀を妨害する行為。
※ 闇雲(やみくも)➜ 本来の意味「闇の中で雲を掴む」から、何も見えない真っ暗闇。

八百萬(やおよろず)の諸々(もろもろ)の神たち、太神宮(天照太神)(すか)、出(だ)し奉らんために、庭燎(にわび)を焚(た)き、神楽(かぐら)を奏して、舞い給いければ、岩戸(天の岩戸)少し開きて、御覧(みそなわ)しける時、世間明らかに、人の面(おもて)、白々と見(み)えければ、面白(おもしろ)いということ、この時に起こる。また、岩戸を細(ほそ)目に明けて窺(みそなわ)すより、目出度(めでたい)という詞(ことば)も始まると、斉藤俗談その外、正しき書に載(の)する所にして、今、流行の詞(ことば)、「日本」と言えるも、この事より出たるか。この面白いと目出度ということ、扶桑(ふそう)広しといえども、東都(とうと)に止(とど)まる。
※ 賺す(すかす)➜ 機嫌をとって、こちらの言うことを聞き入れるようにさせる。
※ 庭燎(にわび)➜ 庭でたく火。特に、神事の庭にたくかがり火。また、宮中の御神楽でたくかがり火。
※ 扶桑(ふそう)➜ 古代、中国で日の出る東海の中にあるとされた神木。また、それのある土地。転じて、日本の異称。
※ 東都(とうと)➜ 日本では、京都に対して江戸または東京をいう。
(「彙軌本紀」つづく) 
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

「彙軌本紀」の解読 2


(大代川土手のヒガンザクラ)

静岡も開花宣言があって、近所のソメイヨシノも二分咲きくらいにはなったか。いつも、ソメイヨシノより一足早いエドヒガンもまだ満開とまでは言えないようだ。もう二、三日であろうか。

********************

「彙軌本紀」の解読を続ける。 

   彙軌本紀(いきほんぎ)(原文は漢文)

一圍(いちい)の木は千鈞(せんきん)の屋を持(たも)ち、三分(ぶ)の金は傾城(けいせい)の美なるを求む。嗚呼、東都の盛(さかん)なるや、言(こと)を以ってこれを挙ぐるも、亦、(むべ)なりや。扶葉橋(にほんばし)の魚鬻(さかないちば)四時(よつ)を過ぎずして、一匹も靡(な)く、青樓(よしはら)の娼妓(けいせい)九時(ひけ)を待たずして、一人(いちにん)も靡(な)し。
※ 一圍(いちい)➜ イチイの木。
※ 千鈞(せんきん)➜ 非常に重いこと。きわめて価値の高いこと。
※ 宜なり(むべなり)➜ もっともなことだ。いかにもそのとおりだ。
※ 四時(よつ)➜ 午前十時。
※ 九時(ひけ)➜ 午後十二時。江戸新吉原の遊里で、遊女が張り見世から引き揚げる時刻。

(かたじけな)くも、水道の水を以って産湯と為し、曳窓(ひきまど)より鯱(しゃち)を観て、長(ひととなり)たるの徳は、則ち、孰(いずく)に之(ゆ)くと雖(いえど)も、何ぞ引気(ひけ)を資(と)ん。況んや息子株に於いてをや、饗(もて)ざらんはあるべからざるなり。老子の曰く、大金(たいきん)を費(つい)やすこと、小銭(しょうせん)を遣(つか)うが若(ごと)しと。これ東都子(えどっこ)
気情(きじょう)を顕(あら)わす所なり。
※ 水道の水(すいどうのみず)➜ 江戸市中は水道網が整備されていた。玉川上水と神田上水の二大水系を中心に、六つの上水があったという。「水道の水を以って産湯」は江戸っ子の自慢。
※ 曳窓(ひきまど)➜ 屋根に設け、綱を引いて開閉する窓のこと。
※ 引気を資る(ひけをとる)➜ 引けを取る。負ける。劣る。
※ 息子株(むすこかぶ)➜ まだ親がかりの息子の身分。また、金持の息子の身分。
※ 気情(きじょう)➜ 意地を張ること。気力で耐えること。

友人、島田金谷、彙軌本紀一巻を著(あらわ)す。概(およ)そ、当時の竅(あな)を探(さが)し、胸に泛(うか)むの洒落(しゃれ)を記(しる)す。以って、序(じょ)せんことを請(こ)う。余(よ)また同穴の狢(むじな)と応(おう)じ、飲込(のみこ)み山の寒鴉(かんがらす)と、倶(とも)倥侗(たわけ)を継ぐに足(た)れり。
 天明四甲辰歳孟春
※ 当時(とうじ)➜ 現在。現代。今。
※ 飲込み山の寒鴉(のみこみやまのかんがらす)➜「有難山の寒鴉」のもじり。寒鴉に意味はなし。
※ 倥侗(たわけ)➜「倥侗(こうとう)」は「無知蒙昧である」の意。
※ 孟春(もうしゅん)➜ 春の初め。初春。

  口唐(くちから) 出鳳臺(でほうだい) 譲琰撰(じょうえんせん)
       萬事(ばんじ)    武貴陽門(ぶきようもん)

(最後の判まで意味がある。油断してはならない)
(「彙軌本紀」つづく)

読書:「浪人奉行 二ノ巻」 稲葉稔 著
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ