のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

使ってみたい言葉

2008年03月06日 23時13分22秒 | 日常生活
ふとしたご縁で知り合った先輩方おふたりとお食事。
ひとりのご結婚を祝う会です。
馴れ初めを伺っていると、鳥肌が立つような偶然ばかりで
「人の縁」の不思議さをつくづく実感。

「人の縁」といえば、今回集まった3人も
本来なら知り合うこともないような組み合わせ。
公私共に共通点があるわけではないので、
知り合ってから2、3回しかお会いしていません。
それなのに、お会いするといつも楽しくて楽しくて
一緒にいる空間が心地よい素敵な先輩方です。

今回は何せ「結婚を祝う会」。
ですから、思う存分、のろけてもらいました。
趣旨どおり、気持ちよくのろけてくださって、
聞いているこちらも思わず笑顔。

3時間ほどぶっ通しで馴れ初めやらノロケ話やら聞いたのですが
その中で一番、心に残ったのが「結局、結婚ってどんな感じなの?」
という問いかけに対するセンパイの答えでした。

のりぞう「一緒にいて落ち着く☆って感じですか?
      それとも、どきどき☆って感じ?
      しみじみ好きだなぁって実感する感じ?」
センパイ「うーん。気がつけば、にやけている感じ、かな。
     一緒にいると、知らないうちに笑顔になってるの。
      笑顔っていうか、にやついてる感じ。」



・・・素敵。
「にやつく」っていう言葉が
ここまであったかく聞こえたのは人生初です。

流しのしたの骨/江國香織

2008年03月04日 22時42分42秒 | 読書歴
23.流しのしたの骨/江國香織
■ストーリ
 学生でも社会人でもない時間を堪能している19歳のこと子は、
 夜の散歩を習慣としている。
 おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉
 しま子ちゃん、笑顔が健やかで一番平らかな「小さな弟」律の
 四人姉弟と、生き様が詩人で、生活に様々なこだわりを持つ母親、
 規律を重んじる家族想いの父親の六人家族で暮らしている。
 ちょっと変だけれど、幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を
 静かに描いた不思議で心地よくいとおしい物語。

■感想 ☆☆☆☆
 「うちはうち。よそはよそ。」
 小さい頃に親から何度も言われたセリフだ。
 どの家庭にも必ずある「家族のきまりごと」。
 明文化されていないかもしれないけれど、いつのまにか「当たり前」に
 なっていることは思いの外、多いと思う。

 我が家にも「家族では当たり前のことだけれど、友人に話すと
 信じられない。と言われること」が多い。
 たとえば、「朝食は必ず家族全員で。」
 誰か朝早く出発する人がいれば、その人に合わせて全員が起床し、
 朝食を取る。
 たとえば、「お風呂はできる限りコンパクトに。」
 全員が続けて入ることは大前提。女性陣は全員ひとまとめで一緒に入る。
 たとえば、「季節行事は全員参加。」
 お正月、クリスマス、ひな祭り、花見、夏のバーベキュー。
 季節ごとに「必ずすること」があって、それは基本的に全員参加が決定。
 たとえ、私がひとりぐらし中であっても。

 そういった「家族のきまりごと」がまるまるつまった一冊だった。
 そよちゃんの家庭は、私の育った家庭とは全く違う。
 けれども、そういった決まり事がたくさんあるところ
 家族で過ごす閉鎖した時間をいとしく思っているところが
 私と似ていて、全く違う家庭にも関わらず、共感しながら読んだ。
 そよちゃんの家族のひとりひとりをまるで自分の家族のように
 親近感を持って見つめながら、読み進めた。

 読み終わって、この作品を「江国さんの作品の中で一番好き」
 と言っていた高校時代の友人を思い出した。
 そんなに多く会ったことのない彼女の家族を、
 私たちが「よく知っている人」と錯覚するほど、家族の影を
 色濃くにじませていた彼女がこの作品を好きだと言っていたことを
 読み終えた今、納得しながら思い返す。
 そして、「私もこの作品、大好きだよ。」と彼女に伝えたくなった。

エンジェルエンジェルエンジェル/梨木香歩

2008年03月04日 22時40分43秒 | 読書歴
22.エンジェルエンジェルエンジェル/梨木果歩
■ストーリ
 コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を
 引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で
 おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと
 話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にした
 ものは。なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、
 おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす。

■感想 ☆☆☆
 久々に、読み終わった後、作品世界から抜け出すことができない
 感覚を味わった。ずんと深い所に突き落とされるような感覚。

 「神さまは悪魔をどう思っていらっしゃるのだろう。
  神さまが作り出した楽園を乱す悪魔を。」
 神様は悪魔を赦されるのか、それともはなから赦しているのか。
 このテーマを中心に据え、ヒロインとヒロインの祖母の密やかな
 交流とヒロインの祖母の若いころの思い出が時に重なり合い
 時にリンクしながら描かれる。

 作品世界から未だに抜け出せないでいるのに、自分の思いを
 言葉ですくい取ることができないもどかしさを味わい続けている。
 私が何に対して、ずんとした思いを抱いているのか。
 なぜ、こんなにも物悲しい気持を引きずっているのか。
 その具体的な原因にたどり着けないでいる。

 強いて挙げるならば、誰もが持っている人間の「悪」を
 コウコとコウコのおばあちゃんが具体的に行動で示していて
 その行動に、私はずんと落ちてしまったのだと思う。

 「わたしはひどいことをしました。
  神様はわたしたちをおゆるしになるでしょうか。」
 これは文庫本にかけられていた帯文句。
 しかし、コウコがした「ひどいこと」もコウコのおばあちゃん、
 サワコがした「ひどいこと」も大きなことではない。
 私たちが感じるちょっとした神経のささくれを言葉で、行動で表し、
 そのささくれを解消しようとしているだけに過ぎない。
 その小さな「ひどいこと」が小さいにも関わらず、
 確かにぞっとするような「ひどいこと」で、その小ささとひどさの持つ
 アンバランスさに私はやられたのだと思う。同様に、コウコもサワコも、
 自分のそういった言動に自分自身が最も傷ついてしまう。

 けれども、サワコが乗り越えられなかった痛みを
 コウコはサワコとの交流の中で乗り越えていく。
 いや、「乗り越える」のではない。
 自分の一部として気づき、認め、存在を許すことができる。

 なぜ、万能であるはずの神様が「悪い存在」の悪魔を
 作ったのか。神様は悪魔について、どう思っているのか。
 作品全体を貫くこの疑問に対して、梨木さんは温かい視線で回答している。
 この温かさ故に、私は人間の身勝手さを更に感じ、
 読み終わった後も物悲しい気持を持ち続けたのだろうと思う。

祖母の分析

2008年03月03日 22時15分38秒 | 日常生活
実家に帰省した際は、必ず祖母の家にも顔を出します。
2月は寒い日が続いていたため、元気がなかった祖母も
ここ数日、気温が上昇していたせいか、
土曜、日曜、共にとても元気でした。

土曜日は久々に祖母とスーパーへ買い物に行き
日曜日は祖母が春になると作ってくれる豆ご飯を
一緒に作りました。
小さい頃は青い豆が少々苦手だったこの料理も
この年になると「春の風物詩」として
見ているだけで幸せ気分を味わえます。
「家族の味」「お袋の味」ってこういうことなんだろうな。
なんてしみじみしていると、祖母が嬉しそうに言いました。

「のりぞうちゃん、のりぞうちゃん。
 おばあちゃんね。なんやかんや言っても
 のりぞうちゃんの結婚が一番、楽しみよ。」

・・・ありがとう。おばあちゃん。
じゃあ、おばあちゃんの楽しみ、もう少し先にとっておくからね。
まずはかおちゃん(のりぞう妹)の結婚を楽しみに待っててね。

「うん。わかった。まずはかおちゃんが先ね。
 ・・・でもね。
 別にのりぞうちゃんが先でもいいけんね。
 かおちゃんより先に結婚するっち言っても
 おばあちゃん、止めんけんね。」

ばあちゃん・・・。
かおちゃんの結婚式は7月です。
7月までに、ゼロ地点から「結婚」へ駒を進めるのは至難の業かと。

「そうね。仕方ないね。
 結婚ち言うのは顔でするもんやないけんね。
 こんなん言ったらいかんけど、
 おばあちゃんは、のりぞうちゃんの顔、好きよ。
 もちろん、かおちゃんもかわいいけどね。」

お。おばあちゃん、褒めてる?
もしかして、ワタクシのこと、褒めてくれてる?

「でも、まあ、結局は顔やなくて、性格やもんね。
 かおちゃんは、性格がかわいいもんね。」




・・・!!!!
おばあちゃんっ!!!

亀の甲より年の功です。
祖母の言葉を胸に刻み、素直にへりくだって生きていきたいと思います。

そこは気付いたげて

2008年03月03日 21時25分58秒 | 日常生活
実家に帰省をしていた日曜日。
家族で外出をしようと、
のりぞう一家一同でもたもたと準備をしておりました。
その中で唯一、準備に時間がかからない
もとい、準備というものをほとんどしない父親。
家族の中で一番に準備を済ませ、おとなしく待つ・・・ことをしません。

まったく声を荒げることがないため
「気が長い」とよい方向に誤解を受けやすい父親ですが
基本的に気が短いのです。
女性陣の準備をおとなしく待ってなんかいないのです。

この日も先に外に出ようとして、母親に追いかけられました。
「どこ行くと?車で待っとくと?もう終わるけん。」
追いかける母親の問いかけには応えず
「はよ、準備せんね。化粧し。」
と促す父親。





!!!
父上。
母の化粧は既に終わっています。

その後、しばらくの間、母親が拗ね続けたのは言うまでもありません。

いつの間にやら。

2008年03月02日 12時42分31秒 | 日常生活
金曜日から実家に帰ってきています。
ゆっくり家族と過ごす時間が持てている帰省は久々で
家族や祖母との時間を楽しんでいます。

しかし、妹からはしみじみと
「お姉ちゃんって、本当に感心するぐらい
 ひとりで遊び続けられるんやね。退屈せんやろ?」
と感心されました。

・・・あれ?
この2日間はずっと「みんなで」過ごしているつもりだったんだけど。
どうやら、妹目線では、ふと生じた空き時間、
姉はナチュラルに人と交わることなく、
ひとりで遊んでいるように見えている模様。

・・・うん。確かに「空き時間」が苦手で
暇があれば、何かすることを見つけて遊んでたかも。
どうやら「ひとりの時間を楽しんでいること」にも
気付かないぐらい、徹底的にひとりに慣れているらしき自分に
ほんの少し愕然とした週末。

意識して変わるのは難しいくせに
気がつけば、いつのまにか変わっている。
人間というものは、なかなか一筋縄ではいきません。