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村上朝日堂はいかにして鍛えられたか/村上春樹

2007年08月19日 23時10分24秒 | 読書歴
■村上朝日堂はいかにして鍛えられたか/村上春樹
■内容
 裸で家事をする主婦は正しいのか?
 あなたの空中浮遊の夢はどのタイプ?
 読者から多数の反響を呼んだ「通信」シリーズを筆頭に、「真昼の
 回転鮨にしかけられた恐怖の落とし穴」「宇宙人には知られたくない
 言葉」から、苦情の手紙の書き方、学校の体罰の問題まで、世紀末の
 日本を綴ったエッセイを水丸画伯のイラストがサポートする
 名コンビ「村上朝日堂」シリーズ最新作。

■感想 ☆☆☆☆☆
 友人に借りた村上作品のうち、エッセイは全て読み終えた。
 一気に読み終えて思ったこと。
 文章に人柄は確実に表れる。
 そして、年を重ねると、文章も変わっていく。
 その年の重ね方が文章にきちんと表れる。

 私は村上春樹の年の重ね方が好きだ。彼のように年を重ねたい。
 彼のように軽やかに年を重ねて行きたい。
 そして、彼のようにより深く自分の世界を追求し、確立していきたい。

 村上さんのエッセイには大きな問題は取り上げられない。
 驚くような出来事もあまりない。
 自分の身の回りで起こった日常の細々とした出来事を
 彼独特の目線で、ユーモアたっぷりに書き綴る。
 とりたてて特別なことは何も書かれていないのに
 彼の文章によって、彼の視点によって、ひとつひとつの文章が
 面白く、洗練されたものになっている。

 こんなふうに文章を綴れる人になりたい。
 村上さんの小説を読む限り、村上さんは私にとって「憧れ」には
 なりえない。憧れにするには、違う世界の人なのだ。
 しかし、村上さんのエッセイを読んでいると、
 私は彼に憧れの念を抱いてしまう。彼のように暮らしたい。
 彼のように文章をつづりたい。そんな親近感を抱かせてくれる。

 やはり文章に人柄は如実に表れるのだと思う。


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