のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

スナーク狩り/宮部みゆき

2008年09月03日 23時05分28秒 | 読書歴
64.スナーク狩り/宮部みゆき
■ストーリ
 織口邦男が勤める釣具店に、関沼慶子は鉛版を買いに来た。
 不審に思った織口は、彼女が銃を持っていることを知り、
 ある計画を思い付く。そのためには今晩じゅうに銃を盗まなければ
 ならない。しかし、その晩、彼女は元恋人・国分慎介の結婚式に
 散弾銃を持って現われた。彼女は、新郎新婦が雛壇に戻る瞬間を
 狙っていた。

■感想 ☆☆☆☆
 宮部さんの数々の代表作のような「社会派」ではない。
 どちらかというと、さらりと読めてしまう作品だと思う。
 「さらりと」ではない。息をつめて読み進めさせられる作品。
 私は作品世界にのめり込んでしまい、あっというまに読まざるを
 得ないぐらい本を手放すことができなかった。登場人物たちの
 「その後」「結末」が気になって、ひたすら読み続けた。

 スピード感あふれる文章が自然と映像を再現してくれる。
 よく「映像化に向いている作品」という言葉を聞くが、
 この小説は映像化には向いていないと思う。たたみかけるような
 文章で進むこの小説のスピードが映像化すると保たれないような
 気がする。
 私は、この小説を読んで「赤いワンピースのロングヘアの女性」
 をまざまざと瞼に思い浮かべたし、隙あらば逃げようとしている
 被疑者のおどおどとした表情、本当に隙ができてしまったときの
 姑息な表情を実際に映像で見ているかのように読むことができた。
 「小説を読む楽しさ、幸せ」を味わうことができた作品だった。
 のような作品」という言葉


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