夢七雑録

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テレワーキング革命

2020-05-12 19:32:47 | 私の本棚

近頃、テレワーク(テレワーキング)という言葉をよく聞くようになった。そこで本棚の中を探してみたら、「テレワーキング革命」という本が置き去りになっていた。昭和の終わり頃に入手した本が、まだ捨てられずに残っていたのである。

【書誌】

書名「テレワーキング革命」。大沢光著。日本実業出版社。昭和63年8月初版。

この本では勤務の形を5つのパターンに分けている。

①セントラル・オフィス通勤型(テレワークではない)

②サテライト・オフィス通勤型(通勤時間は短くなる)

③サテライト・オフィス通勤/在宅勤務併用型

④在宅勤務型

⑤オフィスレス勤務(セールスマンなど外勤者。顧客先などに直行し直帰。モバイルワーク)

この本が出版された昭和63年(1988)、インターネットはまだ無かったが、文字を送受信するパソコン通信は存在し、メールボックス、電子掲示板、チャットのほか、リアルタイムではないが電子会議も行えた。このほか、ファクシミリもあった。テレビ会議が試験的に行われたのは1970年代のことで、例えば電電公社が東京と大阪の間で行った画面分割並列表示によるカラーのTV会議がそれに該当する。1984年にはTV会議システムのサービスが開始されたが、費用的な面もあり一部で利用されるにとどまっていた。携帯電話は登場していたが当時は重く大きかったため、外出時にはポケベルが利用されていた。平成になってからだったと思うが、職場で在宅勤務を提案する人が居た。しかし、部外秘の資料を持ち出す必要があったため、採用にはならなかった。

それから30余年が経過し、TV会議より簡易なWeb会議も登場して、テレワークは導入しやすくなった。テレワークの導入にはメリットとデメリットがあるが、上記の本を参考に、在宅勤務型の場合について、主なメリットとデメリットをまとめてみた。

1.会社側のメリット

(1)オフィス(中央)の社員を少なくできるので、オフィスを広くする必要が無く費用が削減される。

(2)オフィス(中央)に通勤する社員が少なければ、通勤費補助が少なくて済む。

(3)オフィス(中央)の社員が少なければ、庶務総務などサービス部門の人員も削減が可能。

(4)在宅が必要な女性や身障者など通勤が困難な人も雇用しやすい。

2.働く側のメリット

(1)通勤の必要が無いので余裕ができる。個人の自由時間が増える。

(2)会社から遠い場所に、安くて広い自宅を持つことが出来る。

3.会社側のデメリット

(1)社員の仕事や服務の管理がしにくい。ただし、テレワークを導入するのであれば、主観的な評価から、成果や結果などの客観的な評価に変える必要がある。

(2)セキュリティ上の問題が生じることがある。

(3)社員同士の付き合いが薄くなり、会社全体としてのまとまりがなくなる。

4.働く側のデメリット

(1)他の社員との、きめ細かいコミュニケーションが行えない。

(2)自宅に仕事場のスペースを確保するのが難しいことがある。

(3)家族との関係に問題が生じやすい。

 


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