夢七雑録

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皇居東御苑の紅葉

2015-12-21 17:26:33 | 公園・庭園めぐり

 

年の暮れ、皇居東御苑に名残の紅葉を見に行く。大手門から入り三の丸尚蔵館を右に見て進み、同心番所を過ぎて左に行くと広場に出る。左側は百人番所、右側には中之門の石垣が続き、石垣の前には中之門の石垣を修復した時の説明版と石垣の石が置かれている。石垣をバックにイチョウと紅葉を撮り、広場から右へ二の丸庭園へと向かう。

左手の石垣の下は白鳥濠、右手は二の丸雑木林になっている。武蔵野の雑木林を復元したクヌギ、コナラなどの明るい林の、落ち葉散り敷く道を歩く。

二の丸庭園の池を見に行く。この庭園は明治以降荒廃していたが、九代将軍家重の時代の庭絵図をもとに昭和40年に復元されている。この庭園は菖蒲の季節がベストだが、落ち着いた雰囲気の今の季節も捨てがたい。

池をめぐり、それから諏訪の茶屋に行く。明治時代に吹上御苑に建てられた、ご休所を移築した茶屋という。

都道府県の木が並ぶ区画を過ぎる。イチョウが黄金色の葉を一頻り落としている。その様子を暫し眺め、それから丁字路を右に行く。右手の紅葉は天神濠の下からは見えないのだろう。

梅林坂という坂を上がる。ふと見上げると、石垣の上に紅葉が天を覆っている。坂はなおも続き、書陵部の前に出る。その先に進むと、視界が開けて天守台の前に出る。

天守台に上がる途中から大奥跡の芝生を見下ろす。この時期、入園者の数はそれほど多くは無さそうに見える。それにしても、外国人の姿を多く見かけるが、最近の傾向だろうか。

天守台に上がり周囲を見回す。石垣の上にある松は、下から眺めると格好が良いのだが、天守台の上で見ると、何故ここに松があるのか不思議に思ってしまう。

天守台を下り大奥跡の芝生の上を歩く。西側、桜の島とよばれる辺りや竹林の方向を眺める。今の季節、枯れ木もあるが彩も残っている。

貴重な調度品を収納したとも伝えられる石室を見に行く。本丸から脱出するための抜け穴があったという噂もあるが、本当だろうか。

石室から富士見多聞に向かう、今年は季節の進行が遅いせいか、東御苑内にはまだ晩秋らしい風景が残っている。紅葉の向こうに本丸跡の芝生が見える。

富士見多聞は石垣の上に設けられた長屋造りの武器庫という。富士が見えたのが名の由来だろうが、本来は御休憩所前多聞というらしい。

松の廊下跡を通り抜けて、富士見櫓に行く。中には入れないので外から見るだけである。春には桜がアクセントになっているが、今の時期は紅葉が少しだけ彩を添えている。富士見櫓から果樹古品種園に行きカンキツ類を見たあと、中雀門跡を抜け大番所を過ぎる。中之門跡を過ぎると百人番所前の広場で、東御苑一周はこれにて終わりとなる。

 

<参考>東御苑と江戸城については、当ブログのカテゴリー「江戸名所」のうち、「江戸名所記見て歩き(1)」に記事あり。

 


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