伝えたんく

日々の何気ないできごとに感じた幸せ

秋川高等学校19…渡り廊下の自動車

2013-06-30 23:13:04 | 東京都立秋川高等学校

渡り廊下って聞いたことありますね。

よく、ビルとビルをつないだり、道路に出ないで、建物間を移動することのできる廊下です。

新宿なんていくとサザンシアターあたりに空中散歩みたいな渡り廊下があります。

私の母校、東京都立秋川高等学校は寮と校舎が渡り廊下で繋がっていたんです。

雨の日は傘ささずにぬれずに登校できますなんて、渡り廊下の下を歩くだけ。

横殴りの雨だとするとずぶぬれになります。

その渡り廊下に自動車というと、自動車が走れるくらいの広さだと思われるでしょう。

違うんです。一目見て、ここを自動車が通るなんて無理と思うくらいの渡り廊下なんです。

 

私たちが教わった社会科の先生にユニークな先生がおりました。

よくご自分の自動車の前で四股を踏んでおりました。

その自動車がこれ(だと思います。)


 
これと同型だったと思います。


ホンダzという360CC空冷の小さな車に乗ってらした。

1960年代にお生まれの方はジャンボーグAという特撮ものに出てきたジャンボーグ9に変身する自動車をごらんになったことがあると思います。

同級生と、「あの車動かしちゃおうか。」

という話になって、8人くらいで持ったらいとも簡単に持ち上がっちゃった(笑)

調べたら重さは510~525㎏。

一人頭60kgちょっと・・・

動かすだけでは勿体無い。

よし、と周りを見渡したら渡り廊下があったんです(笑)

渡り廊下の高さは2階より少し高いくらいでした。

「よしっ、載せちゃえ。」

若者が面白いと思ったら、普段以上の力が出るものです。

自分に関しては、掃除の時間に教室の机を移動するような感覚で車を運びました。

見事渡り廊下に車が、いかにも走って来た様な感じで載りました(笑)

それを見た持ち主の先生の顔ったら・・・

楽しい高校生活でした。

 

そして、どうやって車を降ろしたのか。

記憶にございません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校18…真夜中の風呂

2013-06-28 23:16:34 | 東京都立秋川高等学校

ゆきたんくの高校生活は全寮制高等学校での生活だった。

規則正しい生活、管理された環境、素晴らしい人材の育成。

イギリスのパブリック・スクールをお手本とする母校のスタイルである。

一方、ゆきたんくの生活はそれと相反する部分にスリルを覚えていた。

もちろん、酒タバコは自分の首をしめることとなるのでやらない。

もっとも、タバコに関しては中一で懲りているので(そのうちアップだな)再び手にはしない。

さて、6:30の起床から23:00の消灯までの間にどれだけ自分の時間を作るかが、ここでの生活楽しむポイントとなる。

ただし、自分の思い通りにならないことは多々ある。

部活動が終わると同時に食事当番。

食事当番後に先輩からの呼び出し(まあ、ほとんど自分に責任がある)。

3時間の学習時間(19:30~22:30 別名自由時間…笑)。

22:30~23:00までの先輩立会いによる筋肉トレーニング。

今頃の時期にそんな状態だと、気持ち悪くて寝ることができない。

さて、いつ風呂に入るか。

消灯後をねらった時があった。

消灯後、舎監の先生は各部屋や寮の周辺に気を配る。

タバコを吸っていないだろうか、酒を飲んでいないだろうか、同室の者をいじめていないだろうか、タッパー・ラーメンを食べていないだろうか・・・

そう、風呂までは見回りにこないだろう。

友人と真夜中の入浴に出かける。

もちろん風呂入り口の鍵はしまっている。

実は、更衣室側のガラスが大きく聴く割れていることを知っていた。

あそこから入ればいい。

怪我をしないように入り、風呂場に入り込む。

シャワーなんてとんでもない、音は立てられないのだ。

不謹慎ではあるが、湯船のなかで体を洗うことにした。

まだ湯は暖かい。

一日の汗が流れていく。

とても気持ちがいい。

その時、友人の「ハアァ~アァ~」という声。

ゆきたんく「!」

気持ちの良さのあまり、大きな声を出してしまったのである。

固まる二人。

じっとしている二人の耳に音が聞こえてくる。

ザッサッザッザ・・・

風呂の外を舎監の先生が懐中電灯でこちらを照らしながら歩いている。

割れた窓ガラスのところから中を照らし始めた。

ゆきたんくと友人は、寮生や自分たちの体の汚れがたくさん溶けた湯の中に全身を沈めた。

30秒ぐらい我慢したと思う。

もう良いだろうと湯船から頭を出し、目を開けた時に目に飛び込んできたのは・・・

照明のついた風呂場と、仁王立ちしている舎監の先生であった。

舎監室に連行され、ものすごく絞られた。

ちなみにその先生はゆきたんく夫婦の仲人である。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校17…屋上でのできごと

2013-06-12 23:58:30 | 東京都立秋川高等学校

全寮制、東京都立秋川高等学校の寮は1回建てかえられている。

ゆきたんくがいた頃は古い寮だった。

その寮には屋上があった。

夕食にでたみかんを友達の分ももらって3個持っていたゆきたんくだった。

学習時間に食べようと思っていたが、とても暑いので涼みながら食べたかった。

寮は4階建てである。

その屋上に出て、夜風に当たりながらみかんを食べていた。

2棟には2年生がいる。

その2年生の様子も見えた。

トランプゲームで盛り上がっている部屋、真面目に勉強をしている先輩。

まあ、おもしろいものだ。

その時。

自分以外誰もいないはずの屋上で声がした。

「何してるんだ。」

舎監だった。

(屋上まであがってくるんだぁ)

舎監「手に持っているものを見せろ」

舎監「正直に出せば、対処を考えてやるぞ」

(何を言っているんだろう)

しょうがないので、ゆきたんくは手に持っているみかんを見せた。

ゆきたんく「はい。」

舎監「何だみかんか。たばこかと思った。」

ゆきたんくは1個舎監にあげた。

一緒にみかんを食べながら、少し話をした。

内容は覚えていない。

先生って大変だなぁと思った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校16…タッパー・ラーメン

2013-06-11 23:36:25 | 東京都立秋川高等学校

タッパー・ウェアはご存知だろうか。

保存する食材などを入れて、フタをして冷蔵庫に入れる時に使うやつだ。



日本で使われ始めて、今年で50周年を迎えるプラスチック密閉容器「タッパー」


 育ち盛りの高校生が、寮の食事だけで足りる訳がない。

 先輩から伝授されたのがタッパー・ラーメンなのである。

 寮の部屋には、調理設備なのどはない。

 食事はともかく、お茶やコーヒーはどうするのか。

 寮の1階の端の部屋は舎監室といい、先生方が詰めている部屋である。

 その脇に給湯器のでかいやつがあって、そこでお湯を汲むことができるのである。

 まあ、80℃~90℃くらいの温度だったと思う。

 欠食児童はどのようにして腹を満たしたか。

 当時、日清のカップヌードルもあったが、1個120円くらいで高嶺の花だった。

 即席ラーメンだと、1つ36円から買えた。

 まあ、少ない小遣いを有効活用する知恵でもあったのだ。

 タッパーに即席ラーメンの麺を入れる。

 お湯を注ぐ。

 しっかりとフタをする。

 布団の中に入れる(保温だ)

 5分後に取り出し、湯を捨てる。

 フタをして激しく振る(麺がほぐれると先輩に教わった)

 スープの素を入れ、湯を注ぎ食する。

 当時はこれがご馳走だった。

 即席麺は体に悪いからと箱買いしたやつが先生に没収されたこともあった。

 そのラーメンは結局、舎監の腹の中に消えたと聞いている。

 ゆきたんくが秋川高校を卒業して、大学に進学して間も無くの頃。

 むしょうにタッパーラーメンを食いたくなり、作って食べてみた。

 感想は「マズー」であった。

 当時はおいしく食べていたのに・・・

 格言にありますね。

 「空腹は最高の調味料である。」

 すごく納得した出来事でした。

 

次回、屋上での出来事

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校15…きれない泡

2013-06-10 23:21:05 | 東京都立秋川高等学校

さて、風呂場ネタである。

先輩方の餌食になったゆきたんくは少し利口になった。

先輩方に会わずに風呂に入れるような時間帯を見つけたのである。

1年生ばかりの入浴時間帯である。

そりゃあ、先輩方は1番風呂から早いうちに入るのである。

だから汗をかいた量が少ない時には、食事後に風呂に入るのである。

当時珍しかったのはトニック・シャンプーだ。

その名の通りトニックの入ったシャンプーである。

それも、通常の何倍かある大きさのボトルを風呂場に持ってくる奴がいる。

当然使ってみたい。

ゆきたんく「ちょっと貸して」

ミスターx「えっ」

ゆきたんく「ちょっと貸して」

ミスターx「自分のがあるだろ」

貸してくれなかったのである。

他の奴にも同様の対応だった。

そりゃあそうだ、自分のがあるのにね。

断った奴が正しい。

とは言っても何か悔しい。

奴が頭の泡を洗い流している。

断られた同士で結託して

流している泡が切れるころに、奴のシャンプー・ボトルからシャンプーをかける。

また泡が立ち始める。

これを繰り返してボトルを空にしてしまった。

「ザマーミロ」

と思ったがこちらが完全に悪い。

35年後のカミングアウトである。

大変申し訳ないことをした・・・

次回、タッパー・ラーメン

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校14…風呂での競技会

2013-06-09 23:10:49 | 東京都立秋川高等学校

さて、全寮制の高等学校である。

学年別の風呂がある訳がない。

まして修学旅行のように、入浴の時間帯が分かれている訳でもない。

風呂に入るのは3年生が先なのは当たり前である。

その次に2年生。

そしてシンガリは1年生である。

つまり自分たちが入る時には先輩方はすでに入っていらっしゃるのである。

部活を終えて、風呂に向かうゆきたんくである。

脱衣場に入ると、風呂場の方が賑やかだ。

「さとう さとう (仮名)」の大合唱である。

ジャポーン!

大きな音がする。る

バシャ、バシャ、バシャ、バシャ・・・

泳いでいるような音がする。

「まさかな・・・」

音がやんだ。

そのタイミングで浴場に入って行ったゆきたんくである。

高校の湯船は、銭湯の湯船の4倍の大きさがあった。

その湯船の周りを先輩が取り囲んでいるように座っている。

そばにぐったりとした同級生が座っている。

先輩方の目が自分の方に集まった。

ゆきたんくはその時悟ったのだが、時すでに遅しだった。

先輩の声が風呂場に響く。

「第一のコース、1棟16室〇〇〇君!」

とゆきたんくの名前が呼ばれたのである。

男子水泳個人メドレーの選手に抜擢された瞬間であった。

モントリオール・オリンピック(1976年)の年の話である。

 

次回も風呂ネタ。「きれない泡」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校13…味わわない飯

2013-06-08 23:04:42 | 東京都立秋川高等学校

ゆきたんくの楽しみは3度の飯だった。

秋川高等学校は全寮制である。

厨房で調理員さんたちが、生徒の食事を作って下さるのだが、盛り付けは自分たちである。

とはいっても、学年がいくつかの班に分かれていて、食事当番なるものがあるのだ。

そして用意が整うと、生徒の代表(日替わり)がマイクで「姿勢を正していただきます。」と食事の合図をする。

びっくりしたのが、15分間の食事の時間をフルに食べて入る者はいないのである。

早い早い、2分ぐらいで平らげる。

1分でも自由な時間を増やすための知恵なのだ。

先輩に聞いた。

ゆきたんく「食事を早く食べるこつって何ですか。」

先輩「それは味わわないことだ。」

分かりやすい説明である。

早く食べないと食事当番も早く片付けることができない。

よって、みんな早くなる。

一人っ子でゆっくり飯のゆきたんくも、高校時代は食べるのが早くなったのは、ここで生きるための術だったのである。

秋川高等学校14…風呂での競技会 へ続く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校12…夜の筋トレ

2013-06-07 23:52:37 | 東京都立秋川高等学校

さて、部活動が始まった。

ゆきたんくは当初バスケットボール部に所属した。

参ったのは夜の筋トレである。

19時30分から22時30分の3時間は学習時間として位置づけられている。

勉強?

やるわけがない(笑)

ただし、これは自分の場合だが。

舎監が部屋を見に来る時刻がだいたい決まっているので、その時間に勉強をしているフリをするのだ。

自分なりの3時間を楽しく過ごして、就寝の準備である。

「16~」

どこからともなく声が聞こえる。

「16~」

やっばり聞こえる。誰が呼んでいるのだろう。

ちなみに16とは、ゆきたんくの1年生の時の部屋番号である。

「16~」

また聞こえる。

「16~ こ〇〇〇〇(ゆきたんくの本名)~早く出ろ~!」

おや2年生の方からだ。

「はい~」

「なにやってんだぁ、はやく来い!」

要するに2年生に呼ばれたのである。

急いで行った。

バスケット部の先輩が待っていた。

これから30分のトレーニングを始める。

とやらされたのが「電気椅子」である。

壁を背もたれに、椅子に座っているような姿勢をするやつだ。

初めてしばらくすると、電気が通ったように足がブルブル震えるからである。

30分お世話になって自分の部屋に戻る。

体が興奮していて寝れるわけがない。

ふとんに入り、目をつぶった。

というより瞬きをした感じ。

目を開けた時には朝だった。

「何だこりゃぁ」

これが毎日続くのかと思うと、気が重くなるゆきたんくであった。

次回秋川高等学校13…味わわない飯

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校11…最初の1週間

2013-06-06 23:46:51 | 東京都立秋川高等学校

いやぁ、親元を離れた時の開放感たらなかったねぇ。

うるさい存在がいないのだから。

部屋のみんなもそうだったろうなあ。

30畳の部屋が入り口側と奥とで2つに別れていて、4人ずつの住まいになっている。

そう、最初の1週間の思い出だ。

まだ部活も本格的になっていなかったと思う。

1つプレッシャーを感じたのが、番格の先輩方の部屋周りである。

明らかにおっさんのような風体の先輩が各部屋を回っているのである。

きっと生意気な奴を見つけようとしていたに違いない。

夜ふとんに入ってからはもう修学旅行状態である。

寝るわけがない。

いろいろな話をして盛り上がる。

時には8人で歌を歌う。

もちろん大きな声は出さないが、疲れ果てて寝るまでそれは続く。

最初の1週間はそんな感じで大変楽しかった。

秋川高等学校12…夜の筋トレ に続く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校10…入学式

2013-06-04 23:01:11 | 東京都立秋川高等学校

あまり大きな声で言えない。

個人の名誉にかかわるからだ。

秋川高等学校12期生入学式。

この日、ゆきたんくは目が点になった。

入学式では、新入生一人ひとりが呼名されるのだ。

その時に呼ばれた名前にびっくりした。

日本の昔話のヒーローの名前そのものだったからだ。

しかし、卒業時には、名は体を表すということを知った。

秋川高等学校12期の誇る著名人でもある。

学区を超え、東京都中から集まった230余名。

さて、自分の呼名の時に予想したよりもはるかに小さな声でしか返事ができなかった。

まあ、情けない入学式であった。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校9…入寮前1週間

2013-06-03 23:45:25 | 東京都立秋川高等学校

カルチャーショックのような1週間だった。

なんでって?

親父が優しかった。

いつもなら怒り出してもおかしくないことでも怒らなかった。

入寮のための準備も手伝ってくれた。

いろいろとざっかけない話もした。

そう、入寮前1週間のお袋との記憶がないのだ。

今、親になって思う。

出来の悪い息子で、3年間もつのだろうか・・・

そういう気持ちだったと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校8…苦手な感想文

2013-06-02 23:49:21 | 東京都立秋川高等学校

ゆきたんくは、作文が苦手である。

中でも感想文はいやだった。

作文は、作ってごまかせる。

感想文は、書物を読まなければ書くことができない。

秋川高等学校入学・入寮前に宿題が出された。


『自由と規律』
「自由と規律」


 岩波新書 池田潔著「自由と規律」を呼んで、感想文を書く。

 字数は1200文字。

 とんでもないことである。

 何かを書いたのかは覚えていない。

 秋川高等学校で何をしたいのかも考えていない。

 とにかく、行き先が決まってホッとしている中学3年生なのだから・・・

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校7…発表

2013-05-26 23:33:01 | 東京都立秋川高等学校

若い奴が調子にのるほど、格好悪いものはない。

秋川高等学校受験発表の日は、ある意味特別な日である。

ゆきたんくは私立を3校受けていてすべて合格していた。

当然、都立も合格するものだと思っていたのだからいい気なものである。

「先生、行ってきます。」

母校の中学校を一緒に受けた友人と出発したゆきたんくである。

2時間半かかって秋川高等学校に着いたのだ。

さて、その時の時刻は14時ごろ。

さあ、ある意味特別な日とは・・・

合格した私立高等学校の入学金振込み最終時刻が16時だったと思う。

つまり、都立高の合否を両親、学校の担任や進路指導主任は首を長くして待っていたのである。

私立の入学金を振り込まねば、合格は取り消し、都立を落ちてしまえば中学浪人なのである。

 

合格者の受験番号が並んでいる掲示板の前にきた。

友達はすぐに自分の番号を見つけた。

「やったぁ、おめでとう。」と余裕の声をかける。

それで自分の番号を探す。

「ない・・・」

もう一度探す。

「ない・・・」

念のためもう一度探す。

「ない・・・」

そんな馬鹿な、俺落ちたんだ。

「帰ろうか・・・」

友達にそう言い、駅の方向を向いた。

すごい敗北感に包まれたその時、「おい、こっちへ来いよ。」

掲示板はもう一つあって、そちらに自分の番号があったのである。

「やったぁ。」

二人で大きな喜びに包まれた。

そして、マルモという制服の業者が手招きをしていたので、その勢いで制服まで作ってしまった(笑)

「おい、お祝いだ。」

メタセコイア並木を歩きながら、薔薇色の人生が始まったかの錯覚をした。

たしか、西秋留の駅前かなんかで食事をした。

とっくに16時なんて過ぎてしまっている。

もう、何を話したのか覚えちゃ入ないが、楽しくってしょうがなかった。

20時過ぎに中学校に到着した。

合格の報告である。

「よくやった、おめでとう。」どころか、たいそう雷を落とされた。

まぁ、合格したということで、事は収まったが・・・

そう、ゆきたんく家の親父はたいそう怒って、絶対に私立の入学金なんて払わないと母親がどんなに頼んでも動かなかったようだ。

その手前、秋川への入学を許さざるを得なくなってしまった親父である。

親父の望んだ、公立高等学校への切符を手にしたゆきたんくは強かった。

まっ、はっきり言って、2発殴られたんだけれどね。

次回、「入寮前」

私たちの母校「東京都立秋川高等学校(全日制・全寮制)」の跡地に残されたのは300mの「メタセコイア並木」だけです。

この並木を残したいと、私たちOBは切実に願っています。よろしかったらご署名くださいませ。 ゆきたんく

メタセコイア保存嘆願書


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校6…受験当日

2013-05-24 23:58:16 | 東京都立秋川高等学校

何にも覚えていない。

これが自分の記憶である。

あっ、一つ覚えていた。

ただし、これが受験のための、行きだったのか帰りだったのか覚えていない。

秋川高等学校は、西秋留と武蔵引田の間にある。

武蔵引田から西秋留に電車で行っても15分歩かねばならない。

だったら武蔵引田から歩いちゃおうとなったのか覚えていないのだ。

1つだけ覚えていたのは、メタセコイア並木だ。



メタセコイア並木、高校内のメインストリートにある。長さ300mあまり


 この写真は西秋留から歩いて行ったらば見れる風景である。

 武蔵引田から受験に向かうのならば、写真奥からこちらを見ることになる。

 このメタセコイア並木が記憶に残っているのである。

 さて、話は変わるが、このメタセコイア並木は旧秋川高等学校敷地跡に残されている唯一の面影である。

 秋川高等学校は2001年に閉校となり、その後、三宅島の雄山(おやま)の噴火により、島民が避難し、小中高等学校児童生徒の学びの場として活用されてきた。 


 


「三宅村立小学校」、「三宅村立中学校」、「東京都立三宅高等学校」の看板


  使用可能だった施設も、現在では解体され、残されているのはメタセコイア並木だけになった。

 都は更地にして売る予定だったのだ。

 結局買い手がつかないので、国体の馬術競技の会場として施設作りが進んでいる。

 つまり国体が終わるまでは並木はあるだろうということだ。

 秋川高等学校の卒業生は、その後のことを心配しているのである。

  この東京都立秋川高等学校の卒業生としては、この並木だけは絶対に残したいと願っている。

 現在同窓会では、署名「メタセコイア保存嘆願書」を集めている。

 ここ伝えたんくを見て下さる方にお願いいたします。

 よろしかったら、「メタセコイア保存嘆願書」に署名をお願いします。

 署名である以上、FAXやメール添付で送信は認められておりません。

 自著で郵送しか法的には効果がありません。

 下にリンクを貼ります。

 様式と、見本がありますのでよろしかったらご協力ください。

メタセコイア保存嘆願書

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋川高等学校5…受験前夜・武蔵引田

2013-05-23 23:45:10 | 東京都立秋川高等学校

さて、いよいよ受験である。

これまでに私立を3校受けた。

すべて合格していた。

第一希望校の受験はさすが緊張するだろう。

それに遠いということで、前日は西秋留(にしあきる)の隣にある武蔵引田(むさしひきだ)駅近くの旅館に泊まることにした。


 


JRになる前の武蔵引田駅


同じ中学校からもう一名、そして他の中学校からの計4名で1部屋に泊まることとなった。

最初は緊張していたが、しだいに打ち解けてきた。

風呂にも入り、食事も済ませ、後は寝るだけである。

勉強をする者は一人もいない(笑)

そのうち、一人が

「のど渇かない」と言い出した。

ちょっと行ってくると言って出かけ、帰って来た時に持っていたのは、ビールだった。

私の学校の2名は飲まなかった。

他校の2名は、美味しそうに飲んでいる。

受験前夜に飲酒というのは大したものだ。

ゆきたんくはバレたらどうするんだと思っていた。

酒というのは緊張を解いてくれるのだろうか。

しばらくしたら、ゆきたんくを除く3人の寝息が聞こえてきた。

あらら寝れない。

チキンハート出現である。

その日はいつの間にか寝ていたと思う。

ちなみに旅館に泊まっていた4人。

全員無事に卒業いたしました(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブログ村Ping

http://ping.blogmura.com/xmlrpc/okr7t7fen957