秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

深夜のドライヴ。

2009年10月12日 12時32分34秒 | 秀明百話
店を閉めて片付けを終えると日付は変わってしまいます。自転車をこぎつつ帰路
につきますが、そんな時間でもけっこう車は走っているもんです。

皆さん、それぞれの人生を背負いながら、夜中にハンドルを握っているんでしょうねぇ。

そんな深夜のドライブにまつわるお話です。

一つ目は昔、時折の飲みに行ってたカフェバーのママから聞いた話。彼女の友人が
経験したそうです。

深夜国道を走行していたら、対向車とすれ違うたびにパッシングを繰り返されて、
「おかしいよね。こんな時間にネズミ捕りなんかしているはず無いのに」、と訝し
みながら、スピードダウンして慎重に走行していたそうです。

そのうち後ろからやってきた車がクラクションを鳴らしながら、友人の車を追い越し
前に回りこんで停車しました。何事か、と彼らも車をとめて降車。

前の車から降りてきた人は、青い顔でこう言ったそうです。

「真っ白な髪のおばあさんがアンタの車の天井に張りついてたのが見えたんや。
何でそんな危ないことしとるのか、と思ってクラクション鳴らしたんやけど・・。」

その老婆は張り付きながら、片手を窓に差し入れようとしていそうです。

少し開いていたウインドゥを全開にしていたら、どうなっていたんんだろう?、と
その人は語っていたとか。

これは又聞きですから、類似した話は他にもあるかも知れませんね。

では、もう一つ。

これは地方都市の国道。深夜のドライブを男三人で楽しんでいた
知人は後方からやってきた自転車に追い抜かれたのですが。

夜中のことですから、車はそうとうなスピードを出しているはずなのに・・・。

しかも、その自転車に乗っていたのはどう見ても小学生くらいの男の子。

その車を追い抜いて、その子は首だけ180度振り向いて、「ニッ」と笑ったんですと。

なぜか、人間は極度にワケの分からん場面に直面すると、ボロボロ涙を流して
しまうもんだ、と、その人は語っていました。

最後は私の話。これは超常現象とはいえないと思いますが。

まだ免許を取り立ての頃、用も無いのに夜中まで市内を友人と車で流していました。

そのうち、心霊スポットの話になって、「そういえば周山トンネルに自転車に乗った
親子の幽霊が出没するらしいナ。」と友人のHが言い出しました。

あの頃は元気があった、というか、バカだったというかさっそく、周山街道を目指して
走り出して、車は人里はなれた山中へ。

まもなく目的地のトンネル、というところでヘッドライトが捕らえたのは道路の
真ん中に投げ出されたような、片方だけの靴。

まさか、事故?と思った途端、バシッと音がしてヘッドライトが消灯・・・。

あたりは街灯一つ無い、真っ暗闇の山の中。

「オイオイ、シャレにならんぞ、コレは」

とりあえず、パッシング用の上向きライトは使用できたから、片手でレバーを操作
しながら、ユーターンして市内までやっとの思いで帰りつくことが出来たけど。

その時以来、冗談半分でそんな土地を訪れることはキッパリやめましたね。

ところで、あの時後部座席に女の子を二人乗せていたんだけど、どんないきさつで
同乗してたのか、今では遠い記憶のカナタになってしまいました・・・・。