秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

しみじみ、の秋。

2011年11月17日 07時38分28秒 | つげ的風景

 この疎水近辺の風景は、ナゼか昔から心ひかれるモノがあるんですよね。

そうたびたび訪れることもないし、子供時分に訪ねた地でもないのに、なんだ
か懐かしい、というか気持ちが落ち着くのはどうしてでしょうネ。
   

人工的な水の流れ(三面工法)には嫌悪感を抱くワタクシなのに、不思議な
こってす。税金の無駄遣いでできた三面工法河川とは、まったく違いますけど
ね、この疎水の場合。

インクラインのある三条通は桜の季節には大勢の人たちが押し寄せます。この
日ノ岡側にも桜並木はあって、隠れた名所でもありますが、私のお勧めは秋。
   

それも夕暮れ時。朝はトレッキングを楽しむ人々が往来しますが、夕方は人通り
もなく、ヒシヒシと迫る晩秋を感ずることができます。
  

黄昏すぎて、疎水に身を投げようなんてことは、くれぐれも思わないよーに。増水
時以外は溺れるほどの水深はありませんから・・・・。(流れは速いけど)

  疎水縁で見つけた蘇民将来の御札。

     
柱に貼られているのはよく見かけますが、この竹は何か意味があるので
しょうか?ん~、まだまだ知らないことがいっぱいあるもんダ・・・・・。


一人川原で。

2011年02月11日 15時44分24秒 | つげ的風景
昨日の午後三時過ぎ、ワタクシ、このような寒々とした
河川敷を一人さ迷っておりました・・・。

今まで歩んできた人生を振り返りつつ、世をハカナンデ
入水地点を探していた・・なんてことはアリマセン。
 
ここは大山崎を少しさがった所なんですけどね、「水無瀬神宮」
を訊ねた帰り道に川原に下りてみただけなんです。

ただ川が見たかっただけじゃなくて、昔この辺りにあった港の
ヨスガを求めて寒空の下彷徨するとは、物好きにもほどがあるけど。

川向こうは橋本遊郭跡あたりでしょうか。その昔、アルバイト先の
おっちゃんが山崎から渡し舟で遊郭に通ったって話を思い出します。

もう一つの理由はイニシエのころ、この辺りは平安貴族たちが遊楽の
限りをつくした場所(少し南の水無瀬)だと資料にあったからです。

確かに木津川、桂川、宇治川が合流するこの辺りは風光明媚な土地
ではあったと思うんですけどね。

ただ、私が感じるのは、どこか荒涼とした空気なんですよね。荒涼は
言いすぎかも知れないけど、ナゼか人の匂いの希薄な場所に感じられ
るのです。港が栄えていた頃とは違うって理由を差し引いても。

無論、当時と風景は異なっているとは思いますけどね。嵐山から松尾、
桂あたりにも貴族たちの別宅は構えられていました。

当然、その辺りも時代が移り風景も変わってきていますが、なんとなく
人の気配というか匂いが感じられるんだけど、ここは違う気がします。

夏でも寒々しい寂寥感を感じるのはなぜだろう?そしてまた、そんな地
に「後鳥羽院」や「惟喬親王」はなぜ離宮を建てたのか?

後鳥羽院は隠岐へ流され、惟喬親王は出家して小野の地に隠棲され、また
親王と親しかった業平も晩年は大原野に隠棲。

自らの運命をそれとなく感じとっていた人たちは、それゆえこのような土地
に愛着をもたれていたのでしょうか?

なんて薄学なワタクシが推理したってロクな答えは出やしませんけどね。

おかしな雲行き。アラレまで降ってきやがった・・・。

明日は「水無瀬神宮」のお話です。(予告しないとサボってしまいそうだし・・。)

不思議なアパートメント。

2009年07月22日 08時40分09秒 | つげ的風景
このアパートの前を通過するとき、ナゼか不思議な感覚に囚われるんですよね。

なんだろ?

部屋がシメントリックに並んでいるから?

部屋と部屋の間に屋根が渡っているから?

いや、先日やっと気が付いたんですけど、2階が無いんですよね、コレが。

それがどうした?と言われると困るんですけど・・・・。

考えてみりゃ、贅沢な建て方ですよね。

マーケット風アパート、というか長屋的アパートというか。

このアパートのドコが「つげ的」なのか?自分が不思議だと感じた風景をそう
呼ぶことに決めたんだから、いいのだ。


つげ的風景(つげ義春的風景)

2009年07月07日 09時13分25秒 | つげ的風景
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「鶏ちゃん桂店」は阪急桂駅東口。セブンイレブン横を東に60歩。075-393-1011

てな話はおいといて・・・・。

街中をうろついていると、ふと目に止まった風景がなぜか郷愁をそそる時があります。
田舎だと、「あ~これが日本の原風景なんだ。」とDNA的に納得できます。

でも、町工場や古いアパートなどに出会った折などに、初めて見る光景だけど、
なんだか懐かしいぞ、ってときがあるんですよね。

言い換えれば「忘れ去られそうな昭和の風景」。

カテゴリーとしては「昭和の風景」でもいいんですけど、子供時分の昭和という
より、ちょっと異空間ぽくて懐かしい、現実感からすこしだけズレた風景。

なんなんだろう?

そうだ、「つげ義春」の世界だ・・・・。(あくまで個人的感覚ですけど)

李さん一家が暮らす家、町工場、川原に建てられた掘っ立て小屋、丸窓のアパート
etc,etc・・・・。

厳密にはそのままの光景ではないけど、「その匂い」を感じたら、ワタクシ、勝手
に「つげ的風景」と名づけることにしました。

荒涼とした川原なんかは「つげ忠男的風景」ともいえるかも知れないけど、
そこまでマニアックになることもあるまい。(今でも充分マニアック?)

まぁ、「毒にも薬にもならない」がこのブログのモットーだし、一つ追加しとこ。