秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

廃村。

2012年06月19日 10時58分51秒 | 秀明百話

 先日、大原から滋賀県へ車を走らせていて、目にとまった「百井」への道標。
そういえば、若い頃、毎週のように「尾越」の民家で宴会していたっけ。

その「尾越」へ向かう途中の村が「百井」でした。「百井」を越すと、車一台が
やっと通過できるような切り通しの峠があり、そこを越すとドン詰りの村が「尾越」

1~2軒はまだ人が住んでいたけど、今はどうなっているんでしょうね。その切り
通しの峠の手前に草生した墓場がありました。

昔は寺もあったそうですが、その当時はすでに跡形も残されていませんでした。
通称マムシ寺、と呼ばれていたそうですが、確かにマムシが好みそうな地形でしたね。

それを教えてくれたのは怪人O氏。摩訶不思議な人でしたが、今はどうしているん
でしょうね。風の便りでは市長に脅迫状を出して逮捕された、なんて聞いたけど。

尾越の古民家はO氏が、どんなウソ八百を並べたのかは知りませんが、持ち主から
タダ当然で借りていました。(家主は京都市内に暮らしていたそうです)

別荘代わりのように毎週末利用していたのですが、ある夜のことです。娘を助手席
に乗せて百井の村を通過。なにしろ舗装もされていない夜中の山道、周りは漆黒の闇。

峠に差し掛かろうとしたそのとき、前方に真っ白な煙玉のようなモノがポカリと浮かんで
いるのが見え、思わずブレーキを踏んでスピードを緩めたそうです。

それは地上2メートルほどの位置で、ゆらりゆらり、と形を少しづづ変えながら漂って
います。行くか戻るか一瞬考えたけど、ままよとアクセルを踏んで前進・・・・。

その物体というか気体の下を目を瞑るようにして通過。本当は全速で走りぬけたい
ところですが、急坂の登り道、しかも狭い地道ですからスピードは出せない。

数メートルを走ったところで、後ろを振り向いた娘が絶叫、「お父さん!ついてきてる!」

O氏がバックミラーで確認するとそいつは、親鳥を追うひな鳥のように車を追いかけて
きています。今思うとあんな真っ暗ななかで、それをはっきりと目視できたのは不思議
でしたな、とO氏は語ってくれました。

パニック状態の娘をなだめつつ、ようやく峠を登りきったO氏がもう一度バックミラーで
確認すると、それは峠までついてきたところで追跡を諦めたようです。

まるで、旅人を見送りにきた里人のようにゆらゆらと空中を浮遊したいた気体の正体
は、なんだったのでしょう・・・。それから何度も夜間にその場所を通過したけど、そんな
経験はその後は一度もなかったそうです。

「尾越」の村は正確には廃村ではないのですが、滋賀県の永源寺の奥にある廃村、
ここでブロック積職人Mやんも同じような経験をしています。

現場が山中だったので、数日泊り込んでしていたのですが、ある夜、空腹に耐えかね
て下の町までラーメンを食べに出た、その帰り道のことです。

軽トラックを走らせ、その廃村にさしかかったとき、ヘッドライトに浮かんだ白いモヤの
ような影。それは追いかけてはこなかったけど、Mやんの前を右から左へユラ~リと
横切って、スウッと消えうせたそうです。

あくる日、その話を現場監督にしたところ、「あ~、あの場所は、あもよん(九州の方言で、
化け物のこと。)が出るばい。だれも夜中にはあそこはいかんとよ」と言われたそうです。

どちらも人の形はとらず、気体のような形態だったそうです。長く人間が暮らしていた村
などは、なにかしらの「念」のようなモノが残留しているのでしょうか。

そして、マレに人が近づくと恋しさに姿を現したり、追いかけたりするのかも知れませんね。


Y子さんの臨死体験。

2010年05月31日 09時27分17秒 | 秀明百話
当店に来てくれる女性客は年齢、既婚、未婚に関わらず皆さんパワフルです。

その中の一人、Y子さんもかなり強力な個性をお持ちで、元気いっぱいの女性なんですが。

先日珍しくお一人でふらりと来店されたんですけど、まだ早い時間だったから他のお客さん
もなく、相方とボンヤリテレビを見てたんです。

ちょうどオカルト的な番組を放映していて(最近は季節に関りなくやってますナ)、それを
観ながら相方がY子さんに「霊的体験ってあります?」と訊ねたんですよね。

「ん~、幽霊みたいなのは見たことないけど・・・。」と前置きして彼女が話してくれたの
は臨死体験のお話でした。

結婚後まもなく、ご主人とW島にドライブに出かけ、まもなく目的地に到着というところで
夜中ということもあり、かなりのスピードを出しておられたそうです。

トンネルを抜けたカーブの中央あたりに工事用のおおきなコンクリートの塊が置かれていて
中央線に寄っていた車は激突。そのコンクリート激突までの瞬間はコマ送りのように見えたとか。

次に気がついたのは病院のベッドですが、医者も見離しかけたほどの重体(危篤)で一命を
とりとめたのが奇跡といわれたほどの大事故だったそうです。

その危篤状態のときにみていたのが、自分が誕生してから現在に至るまでの半生記だった
そうで、生まれた瞬間の周りの母親や祖母に囲まれている状態から始まっていたんですと。

不思議なのは、そのシーンはすべてモノクロで、それがカラーに変わったとたん、体中に
激痛が走り、「痛い~!!もう殺して~!!」と叫んでいた、と彼女は語ってくれました。

臨死体験に関してはいろいろな諸説があるようで、未だ明快な答えは無いようですが、一つ
だけいえることは、今こうして生かしてもらっている、というのは何らかの意味があるんで
しょうね。


深夜のドライヴ。

2009年10月12日 12時32分34秒 | 秀明百話
店を閉めて片付けを終えると日付は変わってしまいます。自転車をこぎつつ帰路
につきますが、そんな時間でもけっこう車は走っているもんです。

皆さん、それぞれの人生を背負いながら、夜中にハンドルを握っているんでしょうねぇ。

そんな深夜のドライブにまつわるお話です。

一つ目は昔、時折の飲みに行ってたカフェバーのママから聞いた話。彼女の友人が
経験したそうです。

深夜国道を走行していたら、対向車とすれ違うたびにパッシングを繰り返されて、
「おかしいよね。こんな時間にネズミ捕りなんかしているはず無いのに」、と訝し
みながら、スピードダウンして慎重に走行していたそうです。

そのうち後ろからやってきた車がクラクションを鳴らしながら、友人の車を追い越し
前に回りこんで停車しました。何事か、と彼らも車をとめて降車。

前の車から降りてきた人は、青い顔でこう言ったそうです。

「真っ白な髪のおばあさんがアンタの車の天井に張りついてたのが見えたんや。
何でそんな危ないことしとるのか、と思ってクラクション鳴らしたんやけど・・。」

その老婆は張り付きながら、片手を窓に差し入れようとしていそうです。

少し開いていたウインドゥを全開にしていたら、どうなっていたんんだろう?、と
その人は語っていたとか。

これは又聞きですから、類似した話は他にもあるかも知れませんね。

では、もう一つ。

これは地方都市の国道。深夜のドライブを男三人で楽しんでいた
知人は後方からやってきた自転車に追い抜かれたのですが。

夜中のことですから、車はそうとうなスピードを出しているはずなのに・・・。

しかも、その自転車に乗っていたのはどう見ても小学生くらいの男の子。

その車を追い抜いて、その子は首だけ180度振り向いて、「ニッ」と笑ったんですと。

なぜか、人間は極度にワケの分からん場面に直面すると、ボロボロ涙を流して
しまうもんだ、と、その人は語っていました。

最後は私の話。これは超常現象とはいえないと思いますが。

まだ免許を取り立ての頃、用も無いのに夜中まで市内を友人と車で流していました。

そのうち、心霊スポットの話になって、「そういえば周山トンネルに自転車に乗った
親子の幽霊が出没するらしいナ。」と友人のHが言い出しました。

あの頃は元気があった、というか、バカだったというかさっそく、周山街道を目指して
走り出して、車は人里はなれた山中へ。

まもなく目的地のトンネル、というところでヘッドライトが捕らえたのは道路の
真ん中に投げ出されたような、片方だけの靴。

まさか、事故?と思った途端、バシッと音がしてヘッドライトが消灯・・・。

あたりは街灯一つ無い、真っ暗闇の山の中。

「オイオイ、シャレにならんぞ、コレは」

とりあえず、パッシング用の上向きライトは使用できたから、片手でレバーを操作
しながら、ユーターンして市内までやっとの思いで帰りつくことが出来たけど。

その時以来、冗談半分でそんな土地を訪れることはキッパリやめましたね。

ところで、あの時後部座席に女の子を二人乗せていたんだけど、どんないきさつで
同乗してたのか、今では遠い記憶のカナタになってしまいました・・・・。










花折峠の怪

2009年08月17日 09時18分38秒 | 秀明百話
お盆休暇も昨日で終わっちゃいましたね~。私は13日の定休日以外は平常通りの
生活でしたけど・・・・。

相方の従兄弟さんも墓参りをかねて帰郷され、うちのお店にも顔を出してくれまし
た。食後に九州まで帰るということでしたが、大変ですなぁ。

その従兄弟さんが話してくれた「お盆向け」の話。

まだ独身時代の頃、盆休暇を利用して男友達3人で小浜へ海水浴へ出かけたんです
が、停滞を避けるため真夜中過ぎに小浜を出発したそうです。

朽木街道をひた走り、花折峠のトンネルを越えると京都まではあと少し。

その先はつづれ折れのカーブがあるため、スピードをダウンしなくてはいけません。

その時、運転していた彼は右側ガードレールの際に立つ異様なモノを目の端でとら
えたそうです。

それはワンピースを着たオカッパ頭の少女・・・・。

一瞬だったので表情までは確認できなかったそうですが。

何でこんな時間に山中でたった一人で?同乗の友人たちに「今の、見た?」と聞いた
けど後の二人は気がつかなかったようです。

「錯覚か・・。そうだよなぁ」、と気を取り直して無事に峠を下りきると、後は
※途中の料金所を通過すれば左京区の大原です。

料金所で一旦停止して小銭を取り出そうとしているとき、後続車のヘッドライト
に気がついたのですが、どうやら後ろの車はタクシーのようです。

何気なく後ろを振り返った友人が「アレ、おかしいな」と誰に言うともなく呟き
ました。

「タクシーの助手席に客が乗ってるのって変やね、一人っきりやのに・・・。」

従兄弟さんはピンときたけど、ルームミラーで確認する勇気はありません。

「どんな客?・・・・」、と振り向いたままの友人に尋ねると・・。

「オカッパの若い女・・。服の色は薄い水色・・・・。」

「あかん、ついてきょった!」

その後、どうやって家まで戻ったのか記憶にないくらい恐ろしい思いをしたとか。

「百話」は自身が経験したか、身近な人が直接体験した話だけとりあげています。
人づてに聞いた話なら、あっという間に完結するんですけどね・・・・。

※「途中料金所」は現在真夜中は無料で通行できます。


秀明百話13.親父と怪異現象。

2009年02月28日 07時00分00秒 | 秀明百話
母親はけっこう信心深いほう(と、いっても特定の宗教にハマッテたわけじゃなく、
墓参りや初詣は欠かさなかったくらいですが)でしたが、父親は超がつくほどの
現実主義者。よくまぁ60年も連れあったもんだ。

先月逝ってしまったけど、夢枕にたつとか、ムシの知らせなんかも一切無し。

ところが夜伽の晩に皆で集まったとき、一度だけ不思議な体験をして、
父親もあれだけは否定できなかったな、という話が叔母からでました。

ある夜、夫婦で電気を消してテレビを見ていたそうです。

最初に気がついたのは母親でした。

「お父さん、あれ見て。なんやろ?」と母親が指さしたのは襖の一枚。

見ると、白い襖になにか光の輪がはっきり映っていたそうです。

「これ、お墓に彫ってある家紋やで・・・・。」

すると、二人の見ている前でその家紋は少しづつ光度を弱めていき、そしてふっと消えた・・・。

その瞬間、電話のベルがりりーンと鳴って。

電話は親戚(友人だったか、忘れました)が無くなった、という連絡でした。

それ以来父親は信心深くなったか、といえば、相変わらず初詣にも行かない不信心
ものを通してましたけどね。

でも母親が時折口にする変異を頭ごなしに否定することは少なくなったようです。

今ごろ母親に「ホレ見てみなはれ、やっぱりあの世てあるやろ」なんて言われて
いるんでしょうかね。

秀明百話。その12.

2008年10月01日 08時38分55秒 | 秀明百話
なかなか百話までは遠いなぁ・・。基本的に自分の体験以外は投稿しないから、
完結するかどうか?

今回の郡上の仮居、以前少し触れたけど、さほど嫌な「気」は感じませんでしたがね。

ただ、冗談半分でこんな写真を撮った夜から、少しおかしな現象が現れだしたワケ。

       
そう、以前少し紹介した「ホラーなマネキン」たち。

金縛りや、テレビが夜中にかってに消えたり・・・。

金縛りの時はどやしつける(声は出てなかったかも)とフッと消えたくらいだから、
霊能力者に言わせると、低級霊のしわざってコトになるのかな。

あの辺りをウロウロしてる狐霊あたりが、ホラーマネキンに興味を持った人間に
ついていって、悪さをしかけている、と考えてみても楽しいもんです。

明日は転居、という日の朝、風呂でシャンプーしようと定位置に手を伸ばして、
頭にこすりつけたけど、泡が出ない・・。

くそ!シャンプーとリンスの位置が逆に置かれている。

最後にやりやがったナ、とシャワーで流しながら一人でニヤリ、と笑ってしまった・・。

もっと遊んでくれよ~、てメッセージだったかも・・・・?

秀明百話その11。

2008年01月16日 07時41分25秒 | 秀明百話
うちで一番最初に飼った猫は綺麗な毛並みをしたオス猫でした。

毎朝ほぼ同じ時間に枕元にやってきては、ワタクシの顔を舐めて、
起こしてくれてました。これは早く餌を食べて表で遊びたいからです。

ときには布団の上を駆け抜けて枕元にやってくることもあって、
コレコレ、ご主人様を足蹴にするとは何ゴトぞ!と叱ったこともありました。

オス猫だから、外で遊ぶことが大好きで、それがアダになって車に撥ねられて
逝ってしまったんですが。

その「ふう太」が、ときおりやって来るようです。(名は「ふう太」でした。)
きまって明け方、眠っているワタクシの掛け布団の上を、トントントンッと
駆けていきます。

そんなときは、布団の中でしばらくまどろみながら、胸に温かなものが満ちて
くるんですよね。

夜明け前の寝床で中年男が微笑んでいる図はキショク悪いけど、ケシテ、
イヤラシイ妄想をしているワケではありません。

引越し先にもついて来てくれるだろうか?こないとホントに「迷い猫」に
なってしまうぞ。

ところで、この「百話」は自分が体験、または身内など信憑性の高い話しか
とりあげておりませんが、ときにはフィクションも書きたくなるんですよね。

で、暇な時間をみつけてはコツコツ書き溜めているんですが、この作業中に
よくおかしなコトがおこります。

触れもしないビデオが急に巻き戻されてデッキから飛び出たり、無人の
キッチンで物が落っこちたり。(ウチはまだビデオです・・・。)

発表する予定もない無駄話に時間かけてるんじゃないよ、という誰か、からの
サインかも知れませんね。


夢のお話。(百話その11)

2008年01月07日 08時05分17秒 | 秀明百話
今年の初夢は・・、覚えていない、と、いうか「今日みた夢が初夢」という自覚が
ありませんでしたね。それだけ正月らしさが失われつつあるのか、単なるボケの
進行のせいか?

その代わりと言ってはなんですが、(脈絡は無いけど)夢の中に出てくる場所で
いつも同じ場所ってありませんか?

それが思い出深い出来事があったとか、現実に生活している所ではなくて。

ワタクシには一つ二つあります。一つは大きな池のそば、小さな社と古びた農家が
その舞台です。

池の水面をボンヤリ眺めていたり、農家の軒先を覘いてみたり・・。
これといった事件も無く、ただ日常生活を観察しているだけの妙に心落ち着く風景です。

年に数度の里帰り?ですけど、「約束の池」と名づけて密かな楽しみにしています。

昔、時折飲みに出かけていたカフェバーのママ、夢の場面は、いつも同じ峠道。
そこには必ず白髪をザンバラに乱した老婆が立っていて、彼女を見ると、

「ここは鈴鹿じゃ!!」と叫ぶそうです、訊ねてもいないのに。

今ではフロイトの夢判断は学説的に疑問視されているそうですが、学説よりも、
その前夜の体調や、あくる日に起こったことなんかと照らし合わせてみるのも
一つの楽しみ方かもしれませんね。

正月の暇つぶしに。→
「新耳袋」に登場した太秦の「幽霊マンション」追跡レポートに興味をもって
買ってしまった・・。

新耳袋の初版を買って読んでから、すでに数年経過しているのに、風化するどころか、
すっかり京都の心霊スポットとして定着していたんですね。
それだけインパクトのあるお話でした。

ウチでも、あのマンションだ、いやあそこのほうが、ピッタリだ、なんて話して
いた事がありました。

確かめに行くほど酔狂でもないし、時折それらしい建物の前を通過するときに、
このマンションかも?くらいにしか思ってませんでしたけどね。

若い頃、そんなスポットを面白半分で夜中にでかけて、エライ目に会って以来、
不謹慎な行為は控えるようにしております。

ただ、そろそろ転居先を決めなくてはいけない、しかも初詣でひいたお御籤、
転居先の「吉」がうちからだと、そっち方面なんですよね~。

家賃は格安らしいし、考えてみるか・・・・・。やっぱりヤメとこ。

突然鳴りだす・・・。

2007年09月17日 07時28分26秒 | 秀明百話
↓先日、部屋に掛けてあるこの古時計が突然動きだして驚きました。
  
このラジオから突然昔の曲など聞こえだすと、もっと驚くけど、それはナイ。↑

この時計、20代の始め、あるアトリエの経営者から譲っていただいた物です。
彼はその数年後、若くして癌で倒れて逝ってしましましたが・・・・。

貰い受けて20年以上経ちますが、一度もネジを巻いた事は無く、インテリアの
一つとして部屋に掛けていたんです。

当然、針が動く事も無く今に至ってたのに、何が作用したのか夜中の数分間、
時を知らせだしたから、何事か起こったのかと心配したけど、コレ、といった
異変は無く、不可思議な思いで一夜を過ごしました。

もしかして、以前の持ち主に関係ある事かも知れないけど、今となっては聞き出す
ことも不可能です。

これも20代前半の頃でしたが、似た体験をした事があります。

当事、ボロアパートで同棲していました。クーラーも無く、寝苦しい一夜の事。
散歩でもしてみようか、という話になって近所を二人でブラブラしてました。

小さな公園にさしかかった時、粗大ゴミが置かれてある一角に、まだ新しくみえる
ギターを発見したのです。

手に取ってみるとほとんど傷も無く、弦もちゃんと揃っていました。

別に必要も無いけど、一応持って帰るか、と部屋に帰って椅子に立てかけておいた
のですが・・・。

ベットで眠ろうとするんだけど、二人ともナゼか椅子の方に目線がいってしまう。

そのうち、じっとそのギターを凝視していると・・・。

「ボロン・・・」

弦が一度だけ鳴りました。(幻聴では無かったと思います、二人とも聞いたんです。)

言葉も無く、飛び起きて、すぐにギターを手に公園へ戻り、元の所へお帰り
いただきました。

今考えると引越しのシーズンでも無いのに、持ち主が突然荷を捨てたのは、何か
深い事情があったんでしょうね・・・。

その公園の、その場所、ワタクシが知る限りでも若者の交通事故死が1件、
首吊り自殺が1件あります。偶然だとは思いますけど・・・。