ヤレヤレ、一週間ぶりに京へ舞い戻ったワイ。
予定では佐賀のお話するつもりだったけど、またもや博多のホテルで経験して
しまったもんで、先に「百話」します。
ホテルは駅のすぐそば、周囲は飲食店や遊戯店の多い賑やかな場所にあります。
チェックインして部屋に入った時、まず感じたのは「圧迫感」です。
でもこれは前日までの部屋が広すぎたせいかもしれません。
次に?、と思ったのはミョーに暗くて寒い気がする・・・。
霊感の鋭い人ならここで部屋を変えてもらうか、お清めなどの処置を
施すところだけど、何しろ心は長い催事を終えた「一杯目のビール」に
飛んでおりましたもので・・・・。
居酒屋で食事を済ませ部屋に戻ったのが10時すぎ、まだ早い時間だけど
溜まった疲労もあってそそくさとベッドにモグリ込み、爆睡、のハズでした。
目が覚めたのは3時11分。やたら部屋の外が騒がしい・・・。
何度もバタンバタンとドアの開け閉めの音がする。
繁華街だから、外に飲みに行ってた人たちが戻ってきたんだろう、に、しても、
ウルセイなぁとボンヤリ考えてたら・・・。
ピキーン、と耳元でラップ音が・・・。
ピシッ、とかパシッという聞きなれたヤツじゃなくてかなり強力な音でした。
マズイぞ、ちょっと手強いのが来たナ。(後で思うと単体では無かったせいでした。)
と、思ったら意識はバスルームへ飛んでます。なぜか常設のヘヤドライヤーを
手に持っていました。
白いドライヤーに長い女の黒髪が巻きついています・・。
そしてまた意識はベッドに戻る。この時左肩を下にして眠っていたんですが、
いつも金縛りに会う時は仰向けの状態がほとんどです。
仰向けになると乗っかってくるぞ、と分っているけどナゼかその時思った
のは右向きがヤバイ!ということです。
左向きの状態も疲れたもんで、「まあいいか、明日は帰るだけだし、ちょっと
くらいなら遊んでやっても」と仰向けになって一息いれました。
すると足元で小さな子供がベッドの上でポヨンポヨン飛跳ねてます。
「こらこら、トランポリンじゃない、落ちて怪我(するわけ無いけど)する
ぞ!」と微笑ましく?うたた寝していましたが・・・。
いつの間にか右向きになっていた。
ズルッと布団を剥いで背中からナニかが這い上がってくる気配。
「〇×△○▼・・・」何か囁いたようだけど聞き取れなかった・・・。
そいつはワタクシの右手をグイッと掴むとイキナリ指圧を始めるでは
ありませんか。
それがツボを外しているのかヤタラ痛い!!
足元の子供はトランポリンに飽きたのか今度はバスルームのドアを開け閉め
して遊んでいる。
「ウルサイぞ、迷惑だから静かにしろ!」、とマッサージしながらその男は
叱りつけます。(アンタのほうが迷惑なんですケド。)
すると、声では無く、イメージで男は自分の境遇を語りかけてきました。
なにやら消費者金融のカウンターが見えてきました。
なるほど、脱サラしてマッサージ免許を取ったけど生活苦からサラ金に手を
だしたワケね。
イタタタ・・、このウデじゃ客は付かないわ(そんなコト考えている場合では
ないんですが・・・。)
その時、またドアの外になにかの気配。
今度は白髪交じりの老人と中年男の二人連れがドアをドンドンたたいている。
「ちょっと待て!この部屋はもう満室だぁ!帰ってくれ!!」と叫ぶ
(実際には声になって無いけど)と諦めてくれたようです。
それにしてもいつまで下手なマッサージやってんだ、いいかげんに帰って
くれよ~。
そうだ、お経だ、と思うけど浮かんでこない。(無宗教の悲しさ)
「なんたらかんたらソワカ!」・・・ダメダ。イテテテ。
「ナムミョウホウレンゲキョウ!」・・あ、少し効いたみたいだゾ。
これを繰り返し唱えているとすぅ~と気配が消えていきました。
実は「南無阿弥陀仏」と唱えるつもりだったけど、焦っていたもんで。
日蓮さん(で良かったっけ)ありがとうございました。
気配が消えた後浮かんだイメージは何処か(笹薮のような場所)に
置かれた「手向け花」。
あ~、そこで心中したんですね、と胸の中で手を合わしました。
意識がしっかり戻ったときには、すでに窓の外は薄明るくなりかけていました。
あれほど嫌な気配がしていた右方向には一階がテナントになっている
マンションが見えました。
テーブルの上に目をやると「マッサージの案内」。
もしかすると、彼は向かいのマンションでホテルからの注文をずっと待って
いたんだろうか。
それともホテルとマンションの間が霊の通り道になっていたのか・・。
たんに、昨夜の寝酒が足りなかっただけかも?
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←水辺の怪談。釣り人出版部編。
今回の話には関係無いけど、釣り人が体験した怪談集。一人夜中に釣行する
前日などには余り読みたくない一冊です。