秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

嵯峨の「帯取り池」

2010年08月03日 14時16分56秒 | 京都非観光迷所案内
金閣寺から嵯峨へ抜ける観光ロードの途中には桜で有名な植木屋さんの庭や、広沢の池など
地味だけど一見の価値アリのスポットが点在しています。

↓この茶屋から見る広沢の池は私の好きな風景の一つ。

そんな地味な隠れスポットの中にさらに隠れているのが「帯取り池」。江戸の帯取り池は
岡本綺堂の半七捕り物帳の舞台にもなっていますが、どちらが本家なのかは勉強不足の私
にはわかりません。

岡本綺堂のは時代小説ですが、歌舞伎にも「けいせい帯取り池」や三島由紀夫作の新作歌舞伎
にも「むすめごのみ帯取り池」というのがあります。でもワタクシ、どちらも見てないから
関連性があるかどうかは不明です。(調べりゃわかるけど、今んところあまり興味ないもんで)

↑位置的に見てこの釣り池がそうかも知れません。(確証はないんですけど)

この帯取り池、言い伝えによると、その昔、盗人が豪華な帯を一本池に浮かべておいて、
それを拾おうとした旅人を池の中に引きずり込み、金品を奪ったとか。

また、「雍州府志 巻九」によると、この池の主は大亀でときどき美しい帯と化し、これを
取ろうとした人を池に引きずりこんで取り殺した。帯とは実はうき草だったとしるされてい
ます。

夏の暑い時期など、旅人が暑さしのぎに池の水で涼をとろうとして足を滑らし池に落下、
うき草に体をからませた状態で発見されたという事件があったのかも知れませんね。

案外、第一発見者がフトコロの中身を失敬して、上記の噂話を創作した、ってのが事実だった
りして・・・。

今、手元に資料が見当たらない(探せョ!)からはっきりしないけど、これに良く似たので
「鍋取り池」みたいな話もありました。これは帯が鍋などの食器に変り、たしか物の怪の仕業
にされていたと思います。

また、「影取池」とよばれる池もあって池や沼に潜む怪物がその水面に姿を映した人の影を
飲み込むとその人も死んでしまう、という話もあります。

また話はアチコチに飛んでしまった・・・。この近辺の池では藤原俊重の子、俊祐が「益田が池」
の大蛇と契り、日龍丸が誕生したという伝説も残されています。

近くを通る「千代の古道」。これはまたいつか取り上げたいと思っているんですけど
、何しろ今は暑いからなぁ・・・。↓

一昔前までは、各地の池や沼にはそれぞれ「大蛇」や「カッパ」など物の怪伝説があった
もんですが、現代では投げ捨てられた死体や自殺者の霊たちによって妖怪たちは隅に追いやられて
しまった感がありますネ。

帯取り池の地図は↓
http://www.nichibun.ac.jp/meisyozue/kyoto/page7t/km_01_272.html


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2 コメント

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ここの (タカユキ)
2010-08-04 11:11:26
奥の方に『剣客商売』の家のセットが
あるんじゃなかったでしょうか???

まだ保存されてるはずですけど・・・
返信する
帯取り池は (ヨウスケ)
2017-06-27 02:44:05
位置的にユースホステルの近くの池が埋め立てられて公園になった場所かも?
埋め立てられる前は池と病院との間に帯沼という沼がありました。
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