山小屋新知見

2014-09-18 00:51:23 |  南アルプスのおはな・し
南アルプスのお話(六)

今回の山行きは夏休み終了後、秋の紅葉シーズン前の閑散期だった。
なので他の登山者は少なかろうと想像していた。
確かに最盛期と比較すれば圧倒的に少ないのだろうけど、山中ではまずまずの頻度で他の登山者とすれ違った。
山小屋にも10名以上宿泊者がいた。
下手したら2、3名とか、私だけなんて事もあるかと思ったが そんなことは無く、やはり人気のコースなんだなと認識を新たにした。
そんな南アルプスの山小屋に泊まり、本来の山小屋のありようを知った気がする。

まず南アルプスの山小屋には乾燥室が無い…。
私が泊まったところだけなのかもしれないが、へえ…、そうなんだ、と意外だった。
北アルプスの山小屋でそんな設備があるんだと初めて知って、どの小屋にもあったので、こういった深山の山小屋には雨でぐしょ濡れで到着した登山者のため、どこでも乾燥室が備わっているんだと思い込んでいた。
今回訪れた小屋によってはストーブを置いてる所もあったが、乾燥用スペースという感じだったし、ストーブは暖房用でもあるようだ。
部屋に張られた針金に濡れたものをかけて、自然乾燥させるのが普通なのだ。
他に驚いたのは、登山者の少ない時期だからかもしれないが、山小屋を管理人さん一人で切り盛りしている所があった事。
そんな所があるとは思わず、びっくりだ。
どこも複数名スタッフさんがいるものと思っていた。
さすがに一人だと食事の準備だけに時間をかけれない。
ご飯とお味噌汁は必ず出てきたが、主菜は保存食メインで品数も少なかった。
朝食の主菜は生卵、つまり玉子かけご飯だった。

昔の山小屋の食事はどこもきっとこんなだったのだろうな。
最近は山小屋の料理が豪華になったと聞いていたが、なるほどこの食事を標準と考えると如何に贅沢な料理を出されていたのか分かる。
しかし管理人さんも同じ食事のはずで、ずっと山に居たらビタミン不足にならないのかな。
一人でやってたおっちゃんとお兄ちゃん、大変だな。
山小屋管理人の職業病があるに違いない。

<山小屋敷地内の路地>



改造開始

2014-09-17 01:06:15 | テニス
9月に予定していた試合、連続して2回出場してきた。
結果は惨敗。
一つ目は1勝3敗。
二つ目は1勝1敗。
どちらの1勝も相手の調子が悪くて転がり込んだもの。
自らの力で勝ち取ったものでないから嬉しさも半減。

一つ目の日はいつもの試合のフワフワ感はなく、練習時の自然体に近くプレーできた。
それはよかった。
が、やっぱりサーブがだめ。
微調整はうまくいかず、ダブルフォルトを1ゲーム中に連発。
二つ目の日の試合は一つ目がそんなだったからか、フワフワ感が再発。
当然サーブも最悪の出来だった。

8月のお盆前、この時が自身最高潮のプレーができた時だった。
サーブの腕の振りは安定し、仲間内での試合でサービスゲームキープ率はこれまでに無い高さだった。
ところがお盆でテニススクールにはお休みが入り、天候は週末になると雨が降る。
圧倒的練習不足で9月を迎えた。

しかも練習不足を解消するために行ったテニススクールの振替先のコーチに、ストロークの打点が後ろに過ぎると打点位置の修正を勧められた。
スイングもテイクバック時に余計な動きが多いとのこと。
確かに振り遅れる事が多い。
試合前にスイング改造を試みるのはどうかと思ったが、言われることももっともなので修正に取り組むことにしてしまった。
こちらも少なからず試合に影響しただろう。
負けるべくして負けた感じだな。



新しいスイングはテイクバックを小さくシンプルなスイングを心掛ける。
その打点は相手のボールが速いとうまく返るのだが、勢いの無いボールにこちらから勢いをつけるのが難しい。
テイクバックが小さいのでボールを打突するまでにスイングスピードを上げられないのだ。
ネットすることが多くなった。
これに対するには相手のショットの緩急でテイクバックの大小を変えるか、スイング軌道を変える事になる。
今は後者を練習中。
緩いショットの場合下から持ち上げるのだ。
打突までのスイング幅が短いのでなかなか難しい。
試合結果と合わせ、全てもう一度一からやり直しだ。


9月、寝食で感ずる秋

2014-09-14 07:08:04 | Weblog
今年の秋は早く来そうだ。
もう窓全開では眠れなくなった。
涼し過ぎて風邪を引いてしまう。
しかし暑くないというのはこんなに眠りやすいものなのか。
汗をかいて寝ていた頃は5、6時間寝れば自然と目が覚めた。
それが今は平気で8時間寝てしまう。

南アルプスを縦走した時山小屋に泊まったが、南アルプスの山小屋の夜は早く8時に消灯だ。
でも日が沈む前から部屋は暗く、本を読もうと思っても読めるほど明るくない山小屋も…。
なのでなにもすること無く、7時とか6時にみんな寝てしまう。
仕方なく私も寝ることに。
起床は4時半頃だから10時間寝床にいる計算。
その習慣?が山小屋より眠りやすい我が家の寝床に影響を与えているのかも。

先週末から果物屋、八百屋、スーパーで今年収穫されたリンゴが売られるようになった。
これで朝食のフルーツ選択に困ることが無くなった。
まずは「つがる」を購入。
やっぱり新物は瑞々しくておいしいなあ。
初秋のリンゴは冬から春にかけて長く流通する「ふじ」なんかのメインどころの品種とは違うあまり聞かない名前のリンゴもたくさん売られてて面白い。
黄色い「きおう」を次に購入。
名前を忘れたが他に二種知らない名のリンゴがあった。
それも試してみたい。

稜線漫歩

2014-09-13 01:47:17 |  南アルプスのおはな・し
南アルプスのお話(五)

スッキリと晴れ渡った山上を歩くのは気持ち良い。
ただしそこは標高約3000mの稜線、夜間は冷え込み早朝は寒い。
出発する時の山小屋の水銀柱は7℃を指していた。
稜線を吹き抜ける風に鼻水が垂れる。
が急斜面を登り、山頂で景色を楽しむ内に気温も上がり、寒くもなく暑くもない心地よい気候の元、少し汗ばむくらいのペースで歩いた。

<影伸びる登山道>


南北に延びる峰の左から射す朝日に、稜線にできる陰と日なたの明暗差が面白い。
岩峰の右側を巻いて歩くと左上から太陽が顔を出したり隠れたり。
乾いた空気に包まれているのか、峰を越えると現れる山小屋はクッキリと望め、視界のどこもかしこもコントラストが高い。

<北岳山荘>


ぐるり360°、見渡す山の景色を遮るものは何も無い。
持っていた山岳地図で山座同定。
北岳から後方は近くシルエットの鳳凰三山、光を浴びた甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳。
その後方に八ヶ岳、遠く北アルプスの槍の穂も見える。
行く先右手には中央アルプス、乗鞍岳、御嶽山、恵那山が青く峰を並べ、行くてにはどっしりと間ノ岳が待ち構える。

<北岳から、来た道を振り返る>


農鳥岳からは、歩いてきた北岳、間ノ岳、反対側の南には塩見岳、荒川岳、赤石岳といった南アルプス南部の山が続く。
白峰南嶺の尾根が南に延びる左には富士山。
辺りの山は雲の下。

<雲の波打ち寄せる富士>


西側手前にはこちらの稜線と並行して仙塩尾根が長々と連なっている。
あそこもいずれ歩いてみたいものだ。
…ああ、このとき私は南アルプス真っ只中にいたんだなあ。
くー。
なんとも痛快な二日間だった。

<右 北岳(日本の山の標高第2位)、左 間ノ岳(同第3位)>



晴れた晴れた

2014-09-10 21:32:12 |  南アルプスのおはな・し
南アルプスのお話(四)

そんな星空が見えたくらいなのでお天気良し。
結局稜線を歩いた二日間、午後はガスが昇って来たものの、主な行動時間の午前中は晴れ。
もう最高の眺めを満喫できた。
良かった良かった。

<ご来光>


稜線の東側は歩いてる間中ずっと、一面を雲海が覆っていた。
甲府の町があるはずだが雲海の下に沈んでいるのだろう。
その日の甲府の朝は曇り空だったのかな。
下界より山の方がお天気は悪いものだが、町は曇りで山の上は晴天なんて逆の事態もあるんだな。

<西農鳥岳へ、左手の雲海>


南アルプスの東側には富士山がある。
富士山の方が標高は高いが、地球が丸いせいか自分の位置と同じ高さに見え面白い。
雲の上に頭を出した富士山が、午後にガスが立ち昇って隠れてしまうまでずっと眺めれた。
いやあ、気分爽快である。

<八本歯のコルへの道、その向こう>



星空が撮れた

2014-09-09 22:08:20 |  南アルプスのおはな・し
南アルプスのお話(三)

山小屋ではまたも雨の夜を過ごした。
昨年の縦走は、ほぼ毎日雨の中を歩いた。
その記憶が蘇る。
前週の天気予報ではお天気良さそうだったので、今年は期待したのだがやっぱりダメなのか。
トタン屋根に雨垂れの音が大きい。
それでも朝まで降り続いたのは一晩だけで、他の日は夜半に雨が上がった。
日の出は5時頃との事。
少し期待して4時過ぎに起き出し外に出てみた。
すると…、満天の星空だった。
うわあ、久しぶりに天の川を見たぞ。
うーん、写真に撮りたい。
部屋にとって返し、カメラを持って出てきた。
三脚はないので濡れていない場所を探してカメラを仰向けに置き、シャッタースピードを遅くして撮影。
しかし過去にも星空撮影に挑戦したが上手く撮れたことがない。
ぼわんとした光の点が幾つか写るだけ。
結果を見ると今回もそうだった。
…んー、これはぼけてるんだよな。

こんな感じ


カメラのオートフォーカス機能が星空に効くとは思えないのでマニュアルフォーカスで無限遠にして撮ったのだが、実はピントが合っていないのでは。
ファインダーを覗きピントリングを回すと、ははあ、光の点が小さく締まるところがある。
無限遠より随分と手前だ。
とても遠い星だけど無限遠ではダメだったのか。
暗く見づらくはあるもののピントを合わせ再度撮影すると、おー撮れた撮れた。

こんな感じ


右下にオリオン座が捉えれた。
ノーファインダーなので構図はイマイチだけど撮り方は少し分かったぞ。
もっと撮影したかったが、だんだん空が明るくなってきた。
もう星空の写真にならないな。
今度こんな星空に会ったらもっといろいろと試してみよう。
暗い夜空に露光時間を長くすればもっとたくさんの星を写し込めるだろう。


意外と花が楽しめた

2014-09-08 23:37:47 |  南アルプスのおはな・し
南アルプスのお話(二)

北岳は高山植物がたくさん咲く花の山だそう。
ガイドブックを読むかぎり、キタダケソウをはじめ初夏から盛夏にかけてが多いのだと思っていた。
今回歩いたのは晩夏、もしくは初秋の季節。
残念だが花はあまり期待していなかった。
天気が良くて、高山の山並みが眺められればそれでOKと思って来た。

<シシウド>


ところが、秋の花をたくさんたくさん見ることができ、うれしい誤算。
さすがに二番花、三番花がほとんどだが、夏の花の名残りも残る。
シシウドなど花期の長い花はまだつぼみの株もあった。
うれしうれし。
写真撮影の時間を一日の行動スケジュールに組み込んでおいて良かった。

<トウヤクリンドウ>


北岳へは大樺沢を二俣から右俣コースで小太郎尾根分岐まで上った。
この右俣の道が一番花が多かった。
最近はシカの食害で花は少なくなったらしいのだが、これで少ないのかという感じ。
途中一部網を張ってシカの侵入を防ぎ、植生復元を試みている場所があった。
その中と外ではぜんぜん花の密度が違い、昔は辺り一帯こんなに咲いていたのかと驚く。
今回のコース中、上記以外の場所でもそこここに花が見られ、高山の景色とともに目を存分に楽しませてくれた。

<ウサギギクと登山道>


小太郎尾根分岐から稜線に出ると植生が変わる。
皆地べたに張り付く様に生え、小さな花が多くなる。
そこから大門沢下降点まで3000m前後の稜線を行く。
同じような花が観察できた。
数はやはり北岳付近が多く、間ノ岳は少なめ、農鳥岳では山頂を南側に降りてすぐの所で私の足を止める高山植物の群落があった。

<コバノコゴメグサ>


大門沢下降点からの樹林帯では大きな株の花が再び現れる。
こちらは標高を下げるにつれ、花よりもキノコが多く見られるようになる。
これは秋ならではか?
名前が全然分からないが、花と同じく色とりどり、様々な形態のものがニョキッとか、プ二ッとか、ヒョロッと生えていた。
目立たないので気を付けて歩かないと見逃してしまう。
茶色い落ち葉の上に視線を滑らせ、見つけては喜びその容姿をカメラに収めた。
キノコの写真は後の記事で。

<トリカブト>


いやあ、登山口から下山口まで楽しませてくれた。


広河原という所

2014-09-07 06:54:10 |  南アルプスのおはな・し
南アルプスのお話(一)

南アルプス北部の登山口のひとつである広河原。
その昔、山登りを本格的?に始めたばかりの頃、アルプス縦走は憧れだった。
日帰りでいいから日本アルプスの入口の山を登れないかいろいろと探したものだ。
北アルプスは難しそうだから南アルプスの山はどうだろう。
しかし南アルプスの有名な山は山中一泊が必要なところばかりで、登ること無く諦めてきた。



調べていると登山口に広河原という地名がよく出てきた。
南アルプス北部の山に登る起点となっているよう。
そこには自家用車では行くことが出来ず、南アルプス林道という地図上とても細く長い道をバスに乗って行くしかない。
この林道は左右を南アルプスの高峰がそそり立つ谷間に通されている。
こんな集落もない場所を長々と走る林道ってどんななんだろう。
途中、夜叉神峠なんていう不気味な名の峠を越えて行く。
なんかとっても暗ーい山深ーい所のイメージが私の中で醸されていった。
しかもその後、高村薫の「マークスの山」を読んだ。
益々恐ろしい場所のイメージが形作られる。



そしてとうとう今回、初めて広河原の地を踏みしめることとなった。
実際は…、とても明るい登山基地だった。
通った道は南アルプス林道ではなく南アルプス公園線だったが、多分どちらも同じような雰囲気なのだろう。
確かに狭く曲がりくねった道。
狭くカーブするトンネルが沢山あり、道は荒れた所が随所にあった。
まあ、一日数本のバスしか通らない道だから問題無いのだろう。



奈良田から45分をかけて広河原に到着。
谷は広く、きれいなビジターセンターがあり、普通の登山者が沢山いた。
ホッとした。
しかしビジターセンターで登山道の状況など確認していると、いやな情報が。
熊が周辺の山域で多数目撃されているらしい。
やはり人里離れた場所であることに変わりはない。




おっと、大事なことを書き忘れた。
にしこりくん、全米オープン決勝進出おめでとーう。