7月7日(火) 天気:快晴
早池峰山登山の日。
河原坊から上り、小田越に下る予定とした。
今回は必ず山頂を通過する行程。
平日なのでシャトルバスは運行されておらず、小田越から河原坊まで車道を歩いて帰って来ないといけない。
宿から登山口まで車で1時間以上かかるし、撮影時間も確保したいので、宿を5時半に出発した。
早朝だからか辺りは靄に包まれていて、街を外れると幻想的な風景が広がった。
山裾の田んぼには所々針葉樹が立ち、細長い二等辺三角形が光芒を作りシルエットとなって浮かぶ。
宮沢賢治は花巻の生まれらしい。
花巻の隣にある遠野であるとか岩手であるとかいう言葉の響きに、私が宮沢賢治なイメージで想起する風景が眼前に展開されていった。
登山口へは県道を花巻市から宮古市に向けて走る。
この時期、土日祝日は登山口まで自家用車で入れないが、平日なので登山口まで入り込んでいいようだ。
林の中の細いクネクネとした道を、対向車が現れないかと注意しながら上っていく。
前日に洗車したので朝出るときにフロントガラスを拭くのをサボったら、一晩で意外と汚れていて、林道に差し込む日の光が当たると白く反射して見えづらい。
そして開けた登山口駐車場に到着して気が付いた。
林道であんなに眩しく日が差していたのは雲が全くなかったからなんだ。
木々の下にいる間に上空は快晴に変わっていた。
<早池峰山上空>
早池峰山は蛇紋岩で出来ている。
蛇紋岩は滑りやすい岩らしい。
私は予想外のタイミングで滑るという事態がとても嫌いだ。
なので過去にも登ろうと思えば登れる山だったが二の足を踏んでいた。
尾瀬の至仏山も蛇紋岩帯にあって、同じく登っていない。
雨が降って足場が濡れるとますます滑りやすくなるので、この日に雨が降るというのが一番の心配事だった。
これで憂うことなく登ることができる。
しかしここまで良い天気になるとは…。
<登山道案内図>
早池峰山は百名山の一つでさすがに人気が高い。
平日でも駐車場にはたくさん車が止まっていた。
準備をして7時半頃歩き出す。
最初は背の高い樹々の下を歩く。
足元の陰と日の差し込んだ部分の明暗差がすごい。
樹下から出ると、どうやら広い谷間を上って行く様だ。
足元はゴロゴロと大きな石が重なり、靴を置く場所を探しながら上る。
<林下の登山道>
<開けた眺め>
<陽射し>
<河原坊コースは谷間を行く>
<登ってきた背後の薬師岳>
標高を上げると木々はどんどん低く少なくなって、茶色い岩と石が視界を占める様になって行く。
前日見た湿性の場所に咲く花々から、その日は岩場に咲く花々に種類も変わり目を楽しませてくれた。
この山には原っぱはなく岩場ばかりなので、咲き方はお花畑という感じではない。
歩く先々の岩の間に咲いていてかわいい。
そんな花の中で注目するのはハヤチネウスユキソウ。
早池峰山の固有種でここでしか見られない。
どうも初めまして。
<登山道のミドリ>
<ヨツバシオガマ>
<ハヤチネウスユキソウ(のはず)>
<ミヤマオダマキ>
<ホソバツメクサ>
そんな場所なので岩場も撮影対象として気になる存在。
標高を上げるに従って斜度も急になり、頭上に迫る岩岩岩。
その眺めは見上げる度に新鮮で、何度もシャッターを切ったが、後でまとめて見るとみんな同じ風に撮れてる。
その場その場で感じた違いを表すのって難しい。
蛇紋岩は確かに滑り易かった。
普通の岩なら滑らない傾きの平たい表面に、登山靴を乗せて体重をかけると、ビブラムソールであってもスルッとすべる。
なるほどこういう滑り方か。
<岩場の道>
<蛇紋岩と貫入岩脈>
<ロープ場>
<ハヤチネウスユキソウと>
<イッチバーン>
<小田越コースの稜線>
<頂上へ>
そんな道を上って上って、山頂到着。
12時前だった。
山頂がどんなところか見て回る。
険しい山だったのに結構広い。
大きな避難小屋があり、神社の祠があり、巨大な岩が重なる平地があった。
その岩の上でお昼ごはんにした。
高層に雲が出てきたがお天気は変わらず良し。
早池峰山の近くには高い山はなく、360度視界良好だった。
陽射しを遮るものはなかったが、爽やかな天候で暑さは感じず、眺めの様に気持ちよいランチタイムであった。
<山頂の祠の一つ>
<オオトリが行く>
<岩手山>
<山頂から小田越コースを望む>
13時に下山開始。
小田越コースを下る。
こちらの方が花の密度は濃い気がする。
急に風が吹き出した。
常に強風が吹き付ける。
小田越コースは稜線歩きだし、いつもこうなのかもしれない。
河原坊コースは谷を歩いたので風を感じなかったのかも。
花を撮るには風が無い方がいい。
<山頂を振り返る>
<ミヤマアズマギク>
<下り始め>
小田越コースの方が傾斜は緩いようだ。
他にたくさんいた登山者はいつの間にかみんな先に行ってしまい、残っているのは花をスケッチしてる方や私の様に写真を撮ってるご婦人など数人。
お、まだ上って来る人がいる。
健脚ですな。
途中面白い形状の岩があり、さみしい帰り道の良いアクセントであった。
<ハシゴ場>
<ハイマツと岩峰>
<五合目御金蔵>
<ホソバツメクサ>
<蛇紋岩帯>
森林限界より標高を下げるとアオモリトドマツの木が現れた。
河原坊コースで見たかな?
小田越の方が少し標高が高いので植生が違うのかな。
林の中をしばし歩いて15時半、小田越登山口に辿り着いた。
仮設トイレがあったので小便をしに入ろうとしたら、大きな丸々とした虻がたくさん便器にたかって飛び回っていた。
うわわわわ。
こんなの用を足せないよ。
隣の大用トイレは扉があったので開いてみると、こちらは出口を求めて一匹飛び回ってるだけ。
これならなんとか大丈夫。
よかった。
<再び林内へ>
<ギンリョウソウ>
<キノコの名前は分からない>
並びにあるベンチで少し休憩した後、舗装された県道を歩いて河原坊登山口へ向かう。
歩き出してすぐに市の境界の標識があった。
その時は気づかなかったが、後で地図を見るとこの市境、変なのである。
道は東西に走っていて小田越から西が花巻市、東が宮古市なのだが、この境目に南の遠野市から剣の様に細長い領土が早池峰山山頂に向かって伸びているのだ。
これは一体なんなんだろう。
遠野市も早池峰山を持ちたくて何か調整ごとがあったのだろうか。
詳細不明。
<東側>
<西側>
県道途中に宮沢賢治の詩碑があった。
こんなところに作って誰が見るんだろう、と不思議だったが、再び歩き出すとすぐそこが河原坊登山口であった。
予定では30分を見込んだ県道歩き、40分かかった。
16時半に到着し、ゆっくりと片付けて、17時過ぎに駐車場を後にした。
一日中晴れたままだった。
<詩碑>
<朝と同じ場所で>
翌日は秋田駒ヶ岳を予定。
その日の宿は秋田県は角館町に取った。
3時間かかる。
毎日翌日の目的地までの移動がなかなか大変である。
今回の旅、充実してはいたがのんびりした感が薄いのはこの移動時間の存在のためだろう。
早池峰山登山の日。
河原坊から上り、小田越に下る予定とした。
今回は必ず山頂を通過する行程。
平日なのでシャトルバスは運行されておらず、小田越から河原坊まで車道を歩いて帰って来ないといけない。
宿から登山口まで車で1時間以上かかるし、撮影時間も確保したいので、宿を5時半に出発した。
早朝だからか辺りは靄に包まれていて、街を外れると幻想的な風景が広がった。
山裾の田んぼには所々針葉樹が立ち、細長い二等辺三角形が光芒を作りシルエットとなって浮かぶ。
宮沢賢治は花巻の生まれらしい。
花巻の隣にある遠野であるとか岩手であるとかいう言葉の響きに、私が宮沢賢治なイメージで想起する風景が眼前に展開されていった。
登山口へは県道を花巻市から宮古市に向けて走る。
この時期、土日祝日は登山口まで自家用車で入れないが、平日なので登山口まで入り込んでいいようだ。
林の中の細いクネクネとした道を、対向車が現れないかと注意しながら上っていく。
前日に洗車したので朝出るときにフロントガラスを拭くのをサボったら、一晩で意外と汚れていて、林道に差し込む日の光が当たると白く反射して見えづらい。
そして開けた登山口駐車場に到着して気が付いた。
林道であんなに眩しく日が差していたのは雲が全くなかったからなんだ。
木々の下にいる間に上空は快晴に変わっていた。
<早池峰山上空>
早池峰山は蛇紋岩で出来ている。
蛇紋岩は滑りやすい岩らしい。
私は予想外のタイミングで滑るという事態がとても嫌いだ。
なので過去にも登ろうと思えば登れる山だったが二の足を踏んでいた。
尾瀬の至仏山も蛇紋岩帯にあって、同じく登っていない。
雨が降って足場が濡れるとますます滑りやすくなるので、この日に雨が降るというのが一番の心配事だった。
これで憂うことなく登ることができる。
しかしここまで良い天気になるとは…。
<登山道案内図>
早池峰山は百名山の一つでさすがに人気が高い。
平日でも駐車場にはたくさん車が止まっていた。
準備をして7時半頃歩き出す。
最初は背の高い樹々の下を歩く。
足元の陰と日の差し込んだ部分の明暗差がすごい。
樹下から出ると、どうやら広い谷間を上って行く様だ。
足元はゴロゴロと大きな石が重なり、靴を置く場所を探しながら上る。
<林下の登山道>
<開けた眺め>
<陽射し>
<河原坊コースは谷間を行く>
<登ってきた背後の薬師岳>
標高を上げると木々はどんどん低く少なくなって、茶色い岩と石が視界を占める様になって行く。
前日見た湿性の場所に咲く花々から、その日は岩場に咲く花々に種類も変わり目を楽しませてくれた。
この山には原っぱはなく岩場ばかりなので、咲き方はお花畑という感じではない。
歩く先々の岩の間に咲いていてかわいい。
そんな花の中で注目するのはハヤチネウスユキソウ。
早池峰山の固有種でここでしか見られない。
どうも初めまして。
<登山道のミドリ>
<ヨツバシオガマ>
<ハヤチネウスユキソウ(のはず)>
<ミヤマオダマキ>
<ホソバツメクサ>
そんな場所なので岩場も撮影対象として気になる存在。
標高を上げるに従って斜度も急になり、頭上に迫る岩岩岩。
その眺めは見上げる度に新鮮で、何度もシャッターを切ったが、後でまとめて見るとみんな同じ風に撮れてる。
その場その場で感じた違いを表すのって難しい。
蛇紋岩は確かに滑り易かった。
普通の岩なら滑らない傾きの平たい表面に、登山靴を乗せて体重をかけると、ビブラムソールであってもスルッとすべる。
なるほどこういう滑り方か。
<岩場の道>
<蛇紋岩と貫入岩脈>
<ロープ場>
<ハヤチネウスユキソウと>
<イッチバーン>
<小田越コースの稜線>
<頂上へ>
そんな道を上って上って、山頂到着。
12時前だった。
山頂がどんなところか見て回る。
険しい山だったのに結構広い。
大きな避難小屋があり、神社の祠があり、巨大な岩が重なる平地があった。
その岩の上でお昼ごはんにした。
高層に雲が出てきたがお天気は変わらず良し。
早池峰山の近くには高い山はなく、360度視界良好だった。
陽射しを遮るものはなかったが、爽やかな天候で暑さは感じず、眺めの様に気持ちよいランチタイムであった。
<山頂の祠の一つ>
<オオトリが行く>
<岩手山>
<山頂から小田越コースを望む>
13時に下山開始。
小田越コースを下る。
こちらの方が花の密度は濃い気がする。
急に風が吹き出した。
常に強風が吹き付ける。
小田越コースは稜線歩きだし、いつもこうなのかもしれない。
河原坊コースは谷を歩いたので風を感じなかったのかも。
花を撮るには風が無い方がいい。
<山頂を振り返る>
<ミヤマアズマギク>
<下り始め>
小田越コースの方が傾斜は緩いようだ。
他にたくさんいた登山者はいつの間にかみんな先に行ってしまい、残っているのは花をスケッチしてる方や私の様に写真を撮ってるご婦人など数人。
お、まだ上って来る人がいる。
健脚ですな。
途中面白い形状の岩があり、さみしい帰り道の良いアクセントであった。
<ハシゴ場>
<ハイマツと岩峰>
<五合目御金蔵>
<ホソバツメクサ>
<蛇紋岩帯>
森林限界より標高を下げるとアオモリトドマツの木が現れた。
河原坊コースで見たかな?
小田越の方が少し標高が高いので植生が違うのかな。
林の中をしばし歩いて15時半、小田越登山口に辿り着いた。
仮設トイレがあったので小便をしに入ろうとしたら、大きな丸々とした虻がたくさん便器にたかって飛び回っていた。
うわわわわ。
こんなの用を足せないよ。
隣の大用トイレは扉があったので開いてみると、こちらは出口を求めて一匹飛び回ってるだけ。
これならなんとか大丈夫。
よかった。
<再び林内へ>
<ギンリョウソウ>
<キノコの名前は分からない>
並びにあるベンチで少し休憩した後、舗装された県道を歩いて河原坊登山口へ向かう。
歩き出してすぐに市の境界の標識があった。
その時は気づかなかったが、後で地図を見るとこの市境、変なのである。
道は東西に走っていて小田越から西が花巻市、東が宮古市なのだが、この境目に南の遠野市から剣の様に細長い領土が早池峰山山頂に向かって伸びているのだ。
これは一体なんなんだろう。
遠野市も早池峰山を持ちたくて何か調整ごとがあったのだろうか。
詳細不明。
<東側>
<西側>
県道途中に宮沢賢治の詩碑があった。
こんなところに作って誰が見るんだろう、と不思議だったが、再び歩き出すとすぐそこが河原坊登山口であった。
予定では30分を見込んだ県道歩き、40分かかった。
16時半に到着し、ゆっくりと片付けて、17時過ぎに駐車場を後にした。
一日中晴れたままだった。
<詩碑>
<朝と同じ場所で>
翌日は秋田駒ヶ岳を予定。
その日の宿は秋田県は角館町に取った。
3時間かかる。
毎日翌日の目的地までの移動がなかなか大変である。
今回の旅、充実してはいたがのんびりした感が薄いのはこの移動時間の存在のためだろう。
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