日立駅

2015-12-08 00:10:20 | その他旅行き
JR日立駅は鉄道関連のデザインコンペティションであるブルネル賞というのを受賞していると知った。
そして駅の海側にあるカフェがいい感じらしい。
興味を持ってしまい、行って来た。
日立市は茨城県だ。
関東地方だから近いもんだよなと地図をみると、静岡まで行くのと同じくらいの距離がある。
うはは、結構遠いな。
これだけ遠方に遊びに行くなら、行き帰りの途中や現地で他の観光スポットを併せて訪れなければ気が済まないところだ。
しかし出発時間が遅くなってしまって、結局この駅だけ見て帰って来ることになった。
なんか学生時代に深夜、悪友と隣県のラーメン屋までラーメンを食べる為だけに車を往復させた事を思い出した。



設計は妹島和世。
なんで彼女が担当したんだろうと思ったら、日立市出身という繋がりがあったようだ。
ガラスが多用された透明な建物だった。
空の色が映るからか、青く見える。
駅周辺は綺麗に整理され、非常にスッキリとしていた。
それゆえに駅の存在感が際立つ。
日立市は日立製作所が日立鉱山から発した場所だ。
駅前の周辺地図を見ると日立のグループ会社がたくさんあった。
ビルは大きく通りも広いのだが人は少なくガランとしていた。
建物の大きさと人通りの少なさのアンバランスさに違和感を覚えた。
だが少し考え、平日は働く人で人口密度が高いのだろうと気付いた。
お昼休みは広場のあちこちでお弁当を食べたり休憩したりする一線の営業マンや技術者、OLで賑やかなのに違いない。



そのカフェで遅い昼食を食べた。
大人気で入口の受付簿に名前を書いて、30分ほど待たねばならなかった。
野菜いっぱいのグリーンカレーを注文。
おー、うまいけど辛い。
私は辛いのはきらいでないが強くない。
ほんの少し辛いくらいのがいい。
鼻水すすりながらいただいた。
カフェもガラス張りなので足元から天井まで視界が広がり、高い位置にあるから空中に浮かんだ場所で食事しているかのようだ。
食後、空席を撮影させてもらった。
こんな感じで海を見下ろして食事できる。
アルコールもいけるらしいが、夜の眺めはどんななんだろう。



津波避難用の階段があったので、食後、海沿いの堤防まで降りてみた。
階段は新しかった。
震災の後に造られたのだろう。
駅は高台にあるが、海面と同じ高さの階段下は、震災の時無事だったのだろうか。
昔からあると思われる家があったので、壊滅は免れたのだろう。
その日天候は穏やかだったが、堤防に打ちつける波は心穏やかには眺れなかった。



日立駅のブルネル賞受賞理由と私の感想が合致するのが以下評価。

『(前略)駅舎と自由通路は、日立というまちを地域のより良い拠点とし、人々をひきつけるために建設され、人々が交流できる手段を増やし、まちの活気を維持している。
(中略)駅と自由通路は、まちの新しい要素となったが、審査員は、海を称える場所を生み出しただけではなく、原風景を残したものと考えている。
(中略)まちの拠点であるこの場所は、過去に見られた大規模で混沌とした空間ではなく、明るく、透明感があり、感じのよい空間であり、駅機能自体は支配的な要素ではなくなっている。(後略)』

「人々をひきつける」のは、じもピーだけでなく、他地域の人々までをも磁界に捉える。
海岸線に道路はできたが、海の眺めは昔からこの通りだったのだろう。
駅舎なのに、駅であることを主張していない造りになっているのが不思議だった。



さて、車で往復したのだがやはり遠かった。
常磐道を走って日立中央ICで流出。
その手前に、いわき市まで数十キロの標識が。
もうお隣は東北じゃない。
そりゃ遠いわ。
帰りは案の定、いくつも事故渋滞に巻き込まれた。
三郷に近づくと道路のそこここに発煙筒を焚いた跡(細長く崩れた白い灰)があった。
首都高にも。
危険なとこだ。
みんな気を付けて運転しようね。
予定の2時間遅れで自宅到着。
田舎の国道を隣県まで往復するのとはわけが違う事を実感した。