全山紅葉する山では無いが

2014-11-26 23:30:16 | 山行
今年最後の山行きは、京都は嵯峨野の北にある愛宕山とした。
晴れてくれればと願ったただの日曜日。
晴れてくれた。
風も弱く、寒い晩秋の山を登るに助かる。
愛宕山の標高は924m。
山の紅葉はもう終わりかけだろう。



清滝のバス停の向こうに有料駐車場があり、そこに車を止めて歩き出す。
登り口にあるモミジが見頃。
赤い鳥居をくぐって少し歩くと、右手に階段上の遺構があった。
これがケーブルカーの跡か。
愛宕山は信仰の山で山頂には愛宕神社がある。
昔は山の麓から山上までケーブルカーで参拝者を送り届けていたそうだ。
このケーブルカー跡地も、先日行った旧福知山線の廃線跡の様に歩く事ができるらしいが、トンネルの中が崩れていたりして迂回が必要で、探険度が高くハイキング気分で歩けるコースではないらしい。
今回は正しい登山道で登る。



登山道と言っても愛宕神社への参道でもある。
なのでとても幅広で階段状に整備され歩きやすい。
一定の距離毎にお地蔵様や新旧の道標が立てられ、参道脇には途中幾つも平らな場所がある。
昔の茶店の跡であると、説明板が教えてくれた。
ほぼ一丁毎に茶店があったというのだから、相当参拝客がいたのだろう。
その日もたくさん歩いていたから、人気の山のようだ。



しかし約4kmもある参道なんてこれまで聞いたことはなく、なんとも長大だ。
途中、大きな杉の木が並ぶ場所があり、山中なのに昔の街道を歩いているような気分になる。
参道周りの植生はほぼ杉の木メインの林が続く。
しかし植林帯の雰囲気はあまり無く、時折紅葉する樹が見られ、植林帯を歩くつまらなさからは程遠い。



黒門をくぐると境内。
前から降りてくる人たちの服装がみんな分厚い。
あんなに着て暑くないのかな。
と疑問に思うが、理由はこの後分かることになる。

いい時間なので境内の社務所前の広場で昼食にした。
広場の周りにベンチが数あり、他のハイカーもここで沢山お昼を食べていた。
広場の中の方で食べれば良かったのだが、端っこの斜面が見下ろせるベンチに座ってしまった。
薄手のダウンコートを着ているのに谷から吹き上げる風が冷たい。
これですっかり身体が冷えてしまった。
きっと広場のどこでもそれなりに寒かったのだろう。



寒いので食べ終わるやすぐに出発。
更に石段を登った先にある本殿にお参り。
火伏せの神様だそうだが、的外れにも登山の安全を祈願してしまった。
後で山頂はどこだったのだろうと思い返す。
本殿より先に道は無かったので、そこが最奥だろうと何も考えず下山開始してしまった。

下りは上りと道を変え、愛宕神社の東にある月輪寺を経由するルートとした。
下り始めてすぐ、京都の街が眺められるポイントがあった。
んんー、絶景かな。
こちらの道も山中にあるお寺への参道であるが、道幅は狭くなり、普通の登山道である。
しかし歩きにくい場所は特に無く、さくさく下った。



月輪寺は登山道途中にある小さなお寺。
緑とオレンジ、赤色の葉が混ざるきれいなモミジがあった。
谷間で日当たりが悪いせいなのだろう、色付きが遅い。
そういえば山頂の愛宕神社内の広葉樹は葉を落としていた。
なんとか山の中腹の紅葉には間に合ったようだ。
月輪寺を通り過ぎ、更に下ると林道に出た。
高雄から歩いて来たらしい観光客と一緒になり、清滝まで最後の行程を歩いた。