日々の食事で
「粟」を好んで食べているので
粟の話題。
台湾の原住民のお祭りなどで
よく、粟の料理を
見かけるので…
メモを兼ねて。
「taiwan-panorama.com」さまより
「品種保護おばあさん」と呼ばれる68歳の欧春香は、日焼け防止の衣類で全身をびっしり覆い、アワ畑で自作の鳥追い旗を振り回していた。
「魯湾」というルカイ語の名を持つ彼女は、16品種のアワのタネを持つ。その中には後継者の途絶えてしまった品種もあるが、魯湾はアワの系譜に基づいてそれらに名をつける責任を負い、決して業者に売らないようにしている。原住民族によくある茶目っ気で彼女はこう語った。「作ったアワはつい親しい人にあげてしまうので、儀式には足りなくなるのですよ。1年365日、私は366日働いています。でもとても楽しいですよ。アワは品種によって生活での使われ方も異なります。粘り気のある白いアワは産後や病み上がりに、灰色のアワは漢方薬に使われたりします」
達仁郷土坂集落から来たパイワンの狩人である藍保‧卡路風は、彼が「母さん」と呼ぶ魯湾から「莱麗曼(lialieman)」という種の穂を譲り受けた。「努力してこの1穂を200坪以上の畑にします。2年後には魯湾に2束返し、1束は彼女用に、1束は天への感謝用にしてもらいます」こうしたやり取りがまた、品種の継続につながる。
すでに11品種を集めた藍保は、彼の祖父の時代には100種余りのアワがあったが、どんどん減ってしまったのだと言う。「でもタロイモやサツマイモのような品種改良には反対です。経済効率だけを追うと、生産高が見込める品種ばかりが栽培され、やがて品種が減ってしまいます」
「タネは天から降ってくるものでなし、栽培し続けないと種の保存はできません」公的機関勤務の藍保は毎朝6時にアワ畑に行く。「アワの朝食に付き添って」から出勤するのだと笑った。1日18時間労働でアワ復活に努力する彼は、さらに原住民族文化継承のためにと集落で「Talem文化教室」を開き、狩りや革製品作りを教えるほか、アワの品種保存や交換なども行う。
「アワは我々の暦です。種まきは12~1月、間引きは2~3月というようにアワを軸に暦を計算します。収穫の5~6月には、アワの歌を歌いながら収穫して天に豊作を祈り、7~8月には豊年祭についての話し合いを始めます」
「アワは儀式です。収穫祭に欠かせない農作物です」
「魯湾」というルカイ語の名を持つ彼女は、16品種のアワのタネを持つ。その中には後継者の途絶えてしまった品種もあるが、魯湾はアワの系譜に基づいてそれらに名をつける責任を負い、決して業者に売らないようにしている。原住民族によくある茶目っ気で彼女はこう語った。「作ったアワはつい親しい人にあげてしまうので、儀式には足りなくなるのですよ。1年365日、私は366日働いています。でもとても楽しいですよ。アワは品種によって生活での使われ方も異なります。粘り気のある白いアワは産後や病み上がりに、灰色のアワは漢方薬に使われたりします」
達仁郷土坂集落から来たパイワンの狩人である藍保‧卡路風は、彼が「母さん」と呼ぶ魯湾から「莱麗曼(lialieman)」という種の穂を譲り受けた。「努力してこの1穂を200坪以上の畑にします。2年後には魯湾に2束返し、1束は彼女用に、1束は天への感謝用にしてもらいます」こうしたやり取りがまた、品種の継続につながる。
すでに11品種を集めた藍保は、彼の祖父の時代には100種余りのアワがあったが、どんどん減ってしまったのだと言う。「でもタロイモやサツマイモのような品種改良には反対です。経済効率だけを追うと、生産高が見込める品種ばかりが栽培され、やがて品種が減ってしまいます」
「タネは天から降ってくるものでなし、栽培し続けないと種の保存はできません」公的機関勤務の藍保は毎朝6時にアワ畑に行く。「アワの朝食に付き添って」から出勤するのだと笑った。1日18時間労働でアワ復活に努力する彼は、さらに原住民族文化継承のためにと集落で「Talem文化教室」を開き、狩りや革製品作りを教えるほか、アワの品種保存や交換なども行う。
「アワは我々の暦です。種まきは12~1月、間引きは2~3月というようにアワを軸に暦を計算します。収穫の5~6月には、アワの歌を歌いながら収穫して天に豊作を祈り、7~8月には豊年祭についての話し合いを始めます」
「アワは儀式です。収穫祭に欠かせない農作物です」
「アワは遺伝子です。各家族に自分たちの収蔵する品種があります」
「アワは食物です。アワで伝統料理のチナブやアバイを作り、アワ酒も作ります」
と、原住民文化にとってアワがいかに重要か、藍保は一気に語った。
新香蘭教会の戴明雄牧師はこう言う。「我々の世代は差別とコンプレックスの中を歩んできましたが、アワ文化や儀式の復興で、若者たちは確かなアイデンティティを獲得し、自信をもって人々に我々の文化を紹介できます」これはアワ栽培再開時には予期しなかったことだと言う。
台湾のアワは空腹を満たすだけでなく、原住民族の収入増加、文化継承、生態保護など多様な意義を持つ。パンデミックが収束したら、南迴集落に足を延ばしてアワ料理やスイーツを楽しみ、アワ文化の豊かさを体験してみてはどうだろう。
新香蘭教会の戴明雄牧師はこう言う。「我々の世代は差別とコンプレックスの中を歩んできましたが、アワ文化や儀式の復興で、若者たちは確かなアイデンティティを獲得し、自信をもって人々に我々の文化を紹介できます」これはアワ栽培再開時には予期しなかったことだと言う。
台湾のアワは空腹を満たすだけでなく、原住民族の収入増加、文化継承、生態保護など多様な意義を持つ。パンデミックが収束したら、南迴集落に足を延ばしてアワ料理やスイーツを楽しみ、アワ文化の豊かさを体験してみてはどうだろう。
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