万葉短歌-悠山人編

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万葉短歌1335 思ひあまり1205

2014年04月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌1335 思ひあまり1205

思ひあまり いたもすべなみ 玉たすき
畝傍の山に 我れ標結ひつ  

1205     万葉短歌1335 ShuD325 2014-0415-man1335

おもひあまり いたもすべなみ たまたすき
  うねびのやまに われしめゆひつ
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄山」(山に寄す)。五首(1331~1335)の第5首。
【訓注】思ひあまり(おもひあまり=思賸)。いたもすべなみ(痛文為便無)。玉たすき(たまたすき=玉手次)。畝傍(うねび)[奈良県橿原市、大和三山の一、女山]。我れ(われ=吾)。標結ひつ(しめゆひつ=印結)。


万葉短歌1334 奥山の1204

2014年04月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌1334 奥山の1204

奥山の 岩に苔生し 畏けど
思ふ心を いかにかもせむ  

1204     万葉短歌1334 ShuD324 2014-0414-man1334

おくやまの いはにこけむし かしこけど
  おもふこころを いかにかもせむ
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄山」(山に寄す)。五首(1331~1335)の第4首。
【訓注】苔(こけ=蘿)。畏けど(かしこけど=恐常)。思ふ心(おもふこころ=思情)。


万葉短歌1333 佐保山を1203

2014年04月13日 | 万葉短歌

万葉短歌1333 佐保山を1203
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万葉短歌1333 佐保山を1203

佐保山を おほに見しかど 今見れば
山なつかしも 風吹くなゆめ  

1203     万葉短歌1333 ShuD323 2014-0413-man1333

さほやまを おほにみしかど いまみれば
  やまなつかしも かぜふくなゆめ
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄山」(山に寄す)。五首(1331~1335)の第3首。
【訓注】佐保山(さほやま)[奈良市旧佐保山町の山]。おほに(於凡尓)。山なつかしも(やまなつかしも=山夏香思母)。


万葉短歌1332 岩が根の1202

2014年04月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌1332 岩が根の1202

岩が根の こごしき山に 入りそめて
山なつかしみ 出でかてぬかも  

1202     万葉短歌1332 ShuD322 2014-0412-man1332

いはがねの こごしきやまに いりそめて
  やまなつかしみ いでかてぬかも
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄山」(山に寄す)。五首(1331~1335)の第2首。
【訓注】岩が根(いはがね=石金)。こごしき山(こごしきやま=凝敷山)。入りそめ(いりそめ=入始)。山なつかしみ(やまなつかしみ=山名付染)。


万葉短歌1331 岩畳1201

2014年04月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌1331 岩畳1201

岩畳 畏き山と 知りつつも
我れは恋ふるか 並にあらなくに  

1201     万葉短歌1331 ShuD321 2014-0411-man1331

いはたたみ かしこきやまと しりつつも
  あれはこふるか なみにあらなくに
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄山」(山に寄す)。五首(1331~1335)の第1首。
【訓注】岩畳(いはたたみ=磐畳)。我れは恋ふるか(あれはこふるか=吾者恋香)。並に(なみに=同等)。


万葉短歌1330 南淵の1200

2014年04月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌1330 南淵の1200

南淵の 細川山に 立つ檀
弓束巻くまで 人に知らえじ  

1200     万葉短歌1330 ShuD320 2014-0410-man1330

みなぶちの ほそかはやまに たつまゆみ
  ゆづかまくまで ひとにしらえじ
=未詳。作者名・脚注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄弓」(弓に寄す)。二首(1329~1330)の第2首。
【訓注】南淵(みなぶち)[奈良県明日香村稲淵]。細川山に(ほそかはやまに=細川山)[同前]。檀(まゆみ)[真弓]。


万葉短歌1329 陸奥の1199

2014年04月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌1329 陸奥の1199

陸奥の 安達太良真弓 弦はけて
引かばか人の 我を言なさむ  

1199     万葉短歌1329 ShuD319 2014-0409-man1329

みちのくの あだたらまゆみ つらはけて
  ひかばかひとの わをことなさむ
=未詳。作者名・脚注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄弓」(弓に寄す)。二首(1329~1330)の第1首。
【訓注】陸奥(みちのく)。吾田多良(あだたら=安達太良)[福島県二本松市西部の山][14-3734]。真弓(まゆみ)[檀]。弦(つら)。我(わ=吾)。言(こと=事)。


万葉短歌1328 膝に伏す1198

2014年04月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌1328 膝に伏す1198

膝に伏す 玉の小琴し 事なくは
いたくここだく 我れ恋ひめやも  

1198     万葉短歌1328 ShuD317 2014-0408-man1328

ひざにふす たまのをごとし ことなくは
  いたくここだく あれこひめやも
=未詳。作者名・脚注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄日本琴」(日本琴[やまとこと]に寄す)。
【訓注】小琴(をごと)。いたくここだく(甚幾許)[04-0508]。我れ恋ひめやも(あれこひめやも=吾将恋也毛)。


万葉短歌1327 秋風は1197

2014年04月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌1327 秋風は1197

秋風は 継ぎてな吹きそ 海の底
沖にある玉を 手に巻くまでに  

1197     万葉短歌1327 ShuD316 2014-0407-man1327

あきかぜは つぎてなふきそ わたのそこ
  おきにあるたまを てにまくまでに
=未詳。作者名・脚注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄玉」(玉に寄す)。十一首(1317~1327)の第11首。
【訓注】海の底(わたのそこ=海底)。沖(おき=奥)。手に巻くまでに(てにまくまでに=手纒左右二)。


万葉短歌1326 照左豆が1196

2014年04月06日 | 万葉短歌

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万葉短歌1326 照左豆が1196

照左豆が 手に巻き古す 玉もがも
その緒は替へて 我が玉にせむ  

1196     万葉短歌1326 ShuD315 2014-0406-man1326

てるさづが てにまきふるす たまもがも
  そのをはかへて わがたまにせむ
=未詳。作者名・脚注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄玉」(玉に寄す)。十一首(1317~1327)の第10首。
【訓注】照左豆(てるさづ)[人名?]。巻き(まき=纒)。玉もがも(たまもがも=玉毛欲得)。替へて(かへて=替而)。我が玉(わがたま=吾玉)。


万葉短歌1325 白玉を1195

2014年04月05日 | 万葉短歌

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万葉短歌1325 白玉を1195

白玉を 手には巻かずに 箱のみに
置けりし人ぞ 玉嘆かする  

1195     万葉短歌1325 ShuD314 2014-0405-man1325

しらたまを てにはまかずに はこのみに
  おけりしひとぞ たまなげかする
=未詳。作者名・脚注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄玉」(玉に寄す)。十一首(1317~1327)の第9首。
【訓注】白玉(しらたま)。巻かず(まかず=不纒)。箱のみに(はこのみに=匣耳)。嘆かする(なげかする=令詠流)。


万葉短歌1324 葦の根の1194

2014年04月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌1324 葦の根の1194

葦の根の ねもころ思ひて 結びてし
玉の緒といはば 人解かめやも  

1194     万葉短歌1324 ShuD312 2014-0404-man1324

あしのねの ねもころおもひて むすびてし
  たまのをといはば ひととかめやも
=未詳。作者名・脚注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄玉」(玉に寄す)。十一首(1317~1327)の第8首。
【訓注】ねもころ(懃)。玉の緒(たまのを=玉緒)。


万葉短歌1323 海の底1193

2014年04月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌1323 海の底1193

海の底 沖つ白玉 よしをなみ
常かくのみや 恋ひわたりなむ  

1193     万葉短歌1323 ShuD311 2014-0403-man1323

わたのそこ おきつしらたま よしをなみ
  つねかくのみや こひわたりなむ
=未詳。作者名・脚注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄玉」(玉に寄す)。十一首(1317~1327)の第7首。
【訓注】海の底(わたのそこ=海之底)。沖つ(おきつ=奥津)。よしをなみ(縁乎無三)。


万葉短歌1322 伊勢の海の1192

2014年04月02日 | 万葉短歌

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万葉短歌1322 伊勢の海の1192

伊勢の海の 海人の島津が 鰒玉
採りて後もか 恋の繁けむ  

1192     万葉短歌1322 ShuD310 2014-0402-man1322

いせのうみの あまのしまつが あはびたま
  とりてのちもか こひのしげけむ
=未詳。作者名・脚注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄玉」(玉に寄す)。十一首(1317~1327)の第6首。
【訓注】海人(あま=白水郎)。島津(しまつ)[人名]。鰒玉(あはびたま)。


万葉短歌1321 世間は1191

2014年04月01日 | 万葉短歌

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万葉短歌1321 世間は1191

世間は 常かくのみか 結びてし
白玉の緒の 絶ゆらく思へば  

1191     万葉短歌1321 ShuD309 2014-0401-man1321

よのなかは つねかくのみか むすびてし
  しらたまのをの たゆらくおもへば
=未詳。作者名・脚注のいずれもない。
【編者注】題詞は「寄玉」(玉に寄す)。十一首(1317~1327)の第5首。
【訓注】世間は(よのなかは=世間)。結びてし(むすびてし=結大王)。