A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

名コンビの相方も実は「極上品」・・・・

2012-03-15 | CONCORD
Nonpareil / Al Cohn

アルバムのタイトルに、時々聞きなれない単語が使われる。普段使われない言葉でも、アルバムの内容を一言で言い表すには最適な言葉であることが多い。残念ながら母国語でないと辞書引き引き意味を調べているようでは、その単語のニュアンスが直感的に伝わってこないのが残念だが。
このアルバムのタイトルのNonpareilとは逸材、無比の人という意味らしい。確かにアルコーンの名前はよく聞くし、これまで自分が紹介してきたアルバムにもcreditされていることが多い。名プレーヤーには違いないが、自分はどうしてもAl & Zootの片割れといったイメージが強く、アルコーンの代表作はと言われてもすぐには思い浮かばない。どうしても、ズートシムスと一緒か、フォアブラザースの一員という感じになってしまう。無比の人と言われても・・・・。
それに加えて、アルコーンは比較的早い時期からプレーヤーよりはアレンジャーとして活躍していたのでプレーの印象が薄いのかもしれない。

そのアルコーンはサイドメンとしては何度か登場しているが、リーダー作としてはConcordに初登場したのがこのアルバム。バックを務めるのは、ウディーハーマンオーケストラ出身のアルコーンに合わせてか、世代は違ってもハーマンオーケストラ出身のメンバーが集った。ジェファーソンのメガネに適ったアルコーンだが、果たしてどんなプレーをしてくれるか。コンコルドのアルバムはどれも大きな仕掛けはない。何の飾りっ気もない、プレーヤーの本質がストレートに出てくるのがいい。まさにアレンジャーとしてではなく、プレーヤーとしてのアルコーンのすべてをワンホーンで聴けるアルバムだ。

レスターヤングの流れで、ハーマンのオーケストラの卒業生としてのイメージ、さらにズートシムスとの共演を聴きなれていると感じなかったが、改めて聴き直すと結構力強い演奏だ。ワンホーンでぐいぐい引っ張っていくプレーはいわゆるウェストコース派のテナーの演奏とは一味違う。ジャケットの顔写真をよく見ると、メガネのデザインのせいもあるが、ペッパーアダムスとも何となく雰囲気が似ている。アダムスのゴリゴリ、カミソリプレーが乗り移ってきたような感じだ。

AL & ZOOTの2人はどうしてもZOOTの方が目立つが、相方のアルコーンもまんざら捨てたものではない。Phil & Quillのジーンクイルがそうであるように。

1. Take Four          Cohn 4:20
2. Unless It's You       Mandel 4:39
3. El Cajon           Mandel 4:26
4. Rain Check          Strayhorn 3:53
5. Mr. George          Cohn 4:18
6. The Girl from Ipanema    DeMoraes, Gimbel, Jobim 4:04
7. This Is New         Gershwin, Weill 4:30
8. Blue Hodge          McFarland 5:49
9. Expense Account       Green, Green, Johnson 6:16

Al Cohn (ts)
Lou Levy (p)
Monty Budwig (b)
Jake Hanna (ds)

Carl Jefferson Producer
Phil Edwards Engineer

Recorded at United Western Studios, Hollywood, California in April 1981

Originally released on Concord CJ-155
(所有盤はユピテルの国内盤)

Nonpareil
Al Cohn
Concord Records
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デトロイト出身者が皆で卒業アルバムを・・・・・

2012-03-11 | PEPPER ADAMS
Jazz Men Detroit

ペッパーアダムスは1930年デトロイト近郊のグロスポイントビレッジで生まれた。ダウンタウンから10数マイルのところなので、東京やロスの感覚であればデトロイト生まれといっても不思議ではない。ところが、アダムスをデトロイト出身のミュージシャンとして紹介する場合としない場合がある。それには多分2つの理由があるのではないだろうか。ひとつは、厳密にはデトロイトではないという点。であれば、デトロイトよりもっと遠いポンティアック出身のジョーンズ兄弟もデトロイト出身ではなくなるが。もうひとつは、生まれてまもなく親の仕事の都合でニューヨークに移り住む。デトロイトに戻ってきたのは17歳の時。その点でもデトロイト育ちではない。

そして、デトロイトに戻ったその時初めてバリトンサックスを手にする。翌年、新しいセルマーの楽器に代えたが、その楽器は1978年まで使い続けたそうだ。あの使い古した感じのバリトンはその時がスタートだった。それ以降トミーフラナガンやサドジョーンズなど地元中心にデトロイト出身のミュージシャンとプレーを繰り広げた。したがって、ジャズプレーヤーとしての経歴は正真正銘デトロイト出身のミュージシャンの一員であることは間違いない。その後朝鮮戦争の時には軍に徴兵され朝鮮に渡ったが、途中で日本にも立ち寄ったそうだ。
その後デトロイトに戻った後は、地元のクラブの音楽ディレクターを務め、1955年までジ地元で活躍する。

次の大きな転機は、1956年新年早々再びニューヨークにアパートを借り、活動拠点をニューヨークに移した26歳の時だった。そこではケニークラークやオスカーペティフォードなどとの接触があり、そのペティフォードの推薦でスタンケントンオーケストラに加わることになる。5月25日にはバンドのメンバーの一員として全米のツアーに住み始めたばかりのニューヨークを後にした。その出発直前の4月30日、5月9日の2日間、ケニークラークの音頭取りでデトロイト出身のミュージシャンが、おなじみルディバンゲルダーのスタジオに集った。

ピアノのトミーフラナガン、ギターのケニーバレル、そしてベースはポールチェンバース。色々なセッションで引っ張り凧になっていたメンバーだが、そこにペッパーアダムスがワンホーンで加わった。レコーディングでは初録音に近い新人だが、一緒に演奏するメンバーはデトロイトでの仲間同士。気軽なセッションになったが、アダムスのプレーはこの時すでに溌剌とした吹きっぷりだ。初のリーダーアルバムより1年以上前、コルトレーントンとのセッションの丁度一年前の演奏

サドジョーンズのアルバムは同窓会的な雰囲気であったが、このセッションはまさに卒業記念のようなものだ。そして、遠くへ旅立つペッパーアダムスの餞別にもなった。音頭とりのクラークも、MJQを辞めて前年から積極的に色々なセッションに加わっていたが、このアルバムを最後にヨーロッパに渡る。本当の置き土産だ。卒業アルバムも各人各様の意味合いと思い出があったようだ。せっかくの卒業アルバムなのに、ジャケットには4人だけ、ケニークラークがいないのが気になる。普通なら先生も一緒に卒業アルバムには載せるのだが。

1. Afternoon in Paris         Lewis 5:52
2. You Turned the Tables on Me     Alter, Mitchell 4:41
3. Apothegm              Adams 5:23
4. Your Host              Burrell 5:17
5. Cotton Tail             Ellington 5:32
6. Tom's Thumb             Burrell 6:37

Pepper Adams (bs)
Kenny Burrell (g)
Tommy Flanagan (p)
Paul Chambers (b)
Kenny Clarke (ds)

Ozzie Cadena Producer, Supervisor
Rudy Van Gelder Engineer

Recorded at Van Gelder Studio on April 30 & May 9,1956


Jazzmen Detroit
Pepper Adams
Savoy Jazz
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「何かが違う」と唸らせるのは一流の条件・・・・・

2012-03-10 | CONCORD
Chromatic Palette / Tal Farlow

タルファーローがConcordで再び復活して何枚目になるであろうか。いずれもドラムレス、もしくはピアノレスの演奏だ。管楽器が加わるとギターはどうしてもリズムセクションの一員となりやすく主役にはなり難い。という意味では、タルファーローのアルバムでは常に主役はファーローだ。今回のアルバムでは、ピアノにトミーフラナガンを加えたドラムレスのトリオ。復帰作の一枚目のピアノがハンクジョーンズだったので、奇しくもここでも両ピアニストの比較になってくる。

ライナーノーツの最初に、オーナー兼プロデューサーのカールフェファーソンが、録音し終えたプレーバックを聴きながら、「タルファーローは何かが違うのだ」と呟いたとか。個性豊かな当代一流どころのギタリストを集めたコンコルドのオーナーが、タルを称して何かが違うと言わしめたからには、本当に何かが違うのだろう。もちろん、音楽的、奏法的な違いはロックやフュージョンのプレーヤーがそれを盗むということもあったそうだが、自分は門外漢なので分からない。しかし、素人なりに聴いてもタルファーローのプレーは何か違うのは確かである。

ギターという楽器は、管楽器と比較すると楽器自体の表現力が豊かだ。単音よしハーモニーよし、リズムもよし。ただし、楽器の持つ機能を使い切るのは人の技。タイトルの“Chromatic Palette”どおり、このアルバムでも多彩な音色を聴かせてくれる。そして、ピアノの注目のトミ―フラナガンとのコラボだが、この2人はこのアルバムが始めての共演だったそうだだが呼吸はピッタリ。ピアノとギターのコラボというのも、つまらない演奏はすぐに飽きるが、うまく嵌ると奥が深くて楽しめるものだ。何かが違うと2人のコラボも当然のように何かが違う。作曲家&編曲家にとって多彩な音を表現するにはオーケストラのアレンジが腕の見せ所だが、演奏家にとっては自分の技術で多彩な音をどう作り出せるかが腕の見せ所。どちらもジャズを楽むには必要だ。



1. All Alone            Berlin 4:09
2. Nuages              Larue, Reinhardt, Williams 5:53
3. I Hear a Rhapsody         Baker, Fragos, Gasparre 3:19
4. If I Were a Bell         Loesser 4:48
5. St. Thomas            Rollins 4:14
6. Blue Art, Too           Farlow 5:16
7. Stella by Starlight        Washington, Young 4:27
8. One for My Baby (And One Morefor the Road)  Arlen, Mercer 5:28

Tal Farlow (g)
Tommy Flanagan (p)
Gary Mazzaroppi (b)

Produced by Carl Jefferson
Phil Edwards Engineer

Recorded at Soundmixers, New York City, January 1981
Originally released on Concord CJ-154

Chromatic Palette
Tal Farlow
Concord Records
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子分のリーダーアルバムを作るのも親分の役割・・・・

2012-03-09 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Jon & Billy / Billy Harper & Jon Faddis

デトロイト出身のサドジョーンズだが、サドメルオーケストラの中にもデトロイト出身のメンバーがいる。ピアノのローランハナだ。風貌通りのグルービーなプレー、そして時には似合わないリリカルな演奏も得意としていた。演奏中はむっつり型のメルルイスとは違い、愛嬌たっぷりにサドの相方を務めてバンドの盛り上げ役だった。そのハナはバンドのメンバーが若くなってくると彼らの纏め役としても活躍していたが、中でもハナの一番弟子はトランペットのジョンファディスであった。1974年のサドメルオーケストラの2回目の来日の時に、ファディスはメンバーの一員として初来日した。この時のファディスはまだ二十歳を過ぎたばかり、後見役ともいえるハナの後をいつもついていたそうだ。

親分ハナは、このような可愛い子分のためにファディスのアルバム作りに一肌脱ぐことになった。この来日時には、滞在中にオーケストラのライブアルバムもできたし、ハナのDUOアルバムも制作された。この勢いでハナは、日本のレコード会社にファディスの記念すべき初アルバムをプロモートしたが、結果は残念ながら色よい返事はもらえなかった。ガレスピーの信奉者であったファディスはガレスピーそっくりのプレーをし、オーケストラの中ではファーストで際立ったハイノートで実力は十分であったが、如何せんまだ無名。そして自分のスタイルを前面に出してのリーダーアルバムとなると、誰もがガレスピーの物まねでは二の足を踏んだ。そこで、くじけないのが親分のハナ。再三の交渉の結果、テナーのビリーハーパーとセットであればとの条件で実現したのがこのアルバム。ビリーハーパーのリーダーアルバムのように見えるが、タイトルをJon & Billyとしたのが、最後の拘りかもしれない。

ハーパーも若手で売り出し中だったが、実はこの2人のプレースタイルは正反対ともいえる。オーケストラの中に入ってしまうと目立たないが、ファディスのコンベンショナルなスタイルに対して、ハーパーはコレトレーンライクなプレースタイル。ベースはジョージムラツの確実なプレーだが、ドラムに日本から日野元彦が加わった。ファディスがメインであればメルルイスでも良かったかもしれないが、ハーパーが加わったことによって日野元彦の参加は大正解だったと思う。
このアンバランスの取り纏め役はやはりハナの曲とピアノだ。曲によってエレキピアノも使って2人のプレーを上手く調和させている。
サドメルを辞めた後は、ファディスはスタジオ中心の仕事が多くなり、しばらく一線ではあまり見受けられなくなっていた。最近はリンカーンジャズオーケストラでも活躍していりようだが、2人のデビュー直後の未完成であるが溌剌としたプレーを今でも聴けるもの、来日中の短期間の間のレコーディングに尽力したローランドハナのお陰だ。感謝しよう。

1. Jon and Billy               Hanna 6:02
2. Water Bridge-Mizu Hashi San       Bridgewater 8:06
3. Ballad for Jon Faddis           Hanna 4:03
4. Two 'D's from Shinjyuku, Digand Dug    Harper 7:07
5. 17-Bar Blues                Hanna, Harper 5:29
6. This All                  Hanna, Harper 7:56


Jon Faddis   Flugelhorn Trumpet
Billy Harper  Tenor Sax
Roland Hanna  Piano, Electric
George Mraz  Bass
Motohiko Hino Drums
Cecil Bridgewater Kalimba

Kazuo Harada Producer
Kuniya Inaoka Producer
Shigehisa Nagao Engineer
Recoded at Teichiku Studio, Tokyo on 13 March, 1974

Jon & Billy
Jon Faddis & Billy Harper
Evidence
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昔を懐かしみ「ご当地メンバーが」集れば・・・

2012-03-08 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Motor City Scene / Thad Jones Sextet

ジョーンズ3兄弟といえばデトロイト出身で有名。そのデトロイト出身のミュージシャンは、他にもミルトジャクション、ケニーバレル、ドナルドバード、カーチスフラー・・・・と有名どころが多い。実力者が集う場所には、他からも人材が集る。これは何の世界でも共通の世の常だが、デトロイトもモダンジャズの創世記は隣のシカゴに負けないジャズの盛んな街になっていた。

当然、彼らは地元で一緒にプレーをする仲間同士になった。若い頃一緒に遊んだ仲間というのはいくつになっても結束が固いが、彼らの繋がりも強そうだ。その仲間同士でのレコーディングも当然行われたが、タイトルにデトロイトの呼称である”Motor City”と謳われたアルバムも何枚かある。このアルバムもその中の一枚。

サドジョーンズがリーダー格だが、弟のエルビンに続いてピアノのトミーフラナガンがまずは地元出身の後輩。ビリーミッチェルやポールチェンバースなど一緒にデトロイトで育った仲間が集った。
サドジョーンズは、カウントベイシーのオーケストラには54年から63年までの長い間在籍したので、この時もベイシーオーケストラの一員だった。ミッチェルやグレイはこのベイシーのバンドで一緒の仲間だったが、彼の身近を見回しただけでもデトロイト出身や育ちはゴロゴロいたのかもしれない。

納められている4曲ともサドジーンズの作曲。曲作りは以前から数多く手掛けていたが、ベイシーのオーケストラに編曲を提供し始めた頃であり、コルネットのプレーだけでなくアレンジも得意技にし始めている。三管編成の分厚い音のアンサンブルで始まるが、後のアレンジと較べるとまだ発展途上。アレンジを聴くというよりは各人のソロを楽しむアルバムだ。モダンでありながら、どこかスイング系の流れを感じるプレーだが、ベイシーがカンサスシティーの流れを引き継いでいるのに対して、これがデトロイト風の味付けかも知れない。今、マクドナルドでアメリカご当地バーガーが流行りだが、この頃のアメリカでは東西だけでなく各地のご当地ジャズが流行っていたのかもしれない。

ベイシーオーケストラに加わりながら、これまでもリーダーアルバムを何枚も作っていたサドであるが、このアルバムが50年代最後のリーダーアルバム。60年代に入ると、ベイシーを辞めてスタジオワークが多くなったせいかどうかは分からないが、次のリーダーアルバムとなると1966年のペッパーアダムスと一緒のアルバムまで無い。その点では、ひとつの区切りとなるアルバムだが、それまでのプレーヤーとしての活動の節目を昔の仲間との記念に作ったという雰囲気のアルバムだ。このようなアルバムが再発されるとは嬉しい限り。


1. Let’s Play One
2. Minor On Top
3. Like Old Times
4. No Refill

Thad Jones (cor.flh)
Al Grey (tb)
Billy Mitchell (ts)
Tommy Flanagan (p)
Paul Chambers (b)
Elvin Jones (ds)

Recorded on 24 & 31 October, 1959 at Nola's Penthouse Sound Studios, New York City

Motor city scene
Thad Jones
EMIミュージックジャパン
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最後の詰めが悪いとすべて台無し・・・・・

2012-03-07 | SHOT OF THE DAY
会社勤め時代の友人が新たにメンバーになったというので、早速そのコースを訪れることに。
ゴルフ好きは現役引退を機にホームコースを買ったり、あるいは買い換えたりすることが多いが彼もその一人。歳をとると長距離の車の運転はしんどくなる。自分のホームコースも比較的遠いので最近は身に染みて感じる。
新たにホームコースを選ぶとなるとどうしても近くて足の便がいい所になる。車でなくても行けるところが尚更いい。

コースは千葉の南総カントリークラブ。千葉の市原周辺のゴルフ銀座の中ではインターからも近くて行き易いコースだ。周りのコースは行ったことがある所が多いが、このコースは以前からよく名前を聞くこともあったにも関わらず機会が無く、実際にプレーするには今回が初めて。
丁度その日は定休日のセルフデー。安くプレーできるのは一番。初めてのコースはセルフだと苦労することもあるが、今回はメンバー同伴なのでその心配もなし。東と西の36ホールで、隣には姉妹コースのニュー南総がある広いコースだ。

最初の印象は、コースまでの道は平坦だが、コース内は結構アップダウンダウンがある。打ち下ろしのきついホールもいくつかあってそれまで想像していたよりも変化に富んでいるコースだ。グリーンには打ち上げになる。その日はいきなりバックからのプレーだったが、そのためか思った以上に表示より距離がある印象を受けた。広いグリーンも特徴的。

その日廻ったコースは西コース。スタートホールから打ち下ろしだが、ナイスショットで気分よくスタート。最近第2打のユーティリティーをミスる(それもチョロに近い当たりで)ことが多いが、その日もその兆候が一番から始まり前途多難。ところがその後は、アプローチ、パット供に快調でまずまずの流れ。7番でOBダボのダブルパー。それでも、8番、9番はパーで何とか44。

後半も、7番まで大きな崩れはなく初ラウンドのコースにしてはまずまずと思った矢先に、8番の第2打をロストボール。このミスも第2打のユーティリティーの引っ掛けミスショット。この後を我慢できずに大叩き。最後のホールも2打がグリーン近くまで来てからのアプローチミスの連発と3パットで、2ホール続けてのダブルパー。
せっかくのいい気分が最後の2ホールで台無し。ミスやトラブルが出た時こそ締らなければならないのに、いつもの悪い癖のミスがミスを呼ぶパターンで自滅。
次は暖かくなってから東コースにチャレンジすることも決まったので次回リベンジだ。
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作曲家サドジョーンズが残した曲に、長兄ハンクも敬意を表して・・・・

2012-03-05 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Upon Reflection The Music Of Thad Jones / Hank Jones

サドメルのオーケストラの初期のピアノというと普通であればローランドハナが思い浮かぶ。アレンジなどには参加していなかったが、演奏においてはオーケストラ全体の特徴を築いていく中でハナのピアノの役割はかなり重要だったと思う。リリカルな曲から、ファンキーな曲まで、ハナのピアノはオーケストラの中に入っても実に小気味良い演奏を聴かせてくれた。このハナがサドメル初代のピアニストかというと実は違う。
初ライブである”Opening Night”でも、初のスタジオ録音でもピアノの席に座っていたのはサドジョーンズの長兄ハンクジョーンズであった。歌伴からオーケストラまでオールマイティーのハンクジョーンズの参加は、新しくバンドを立ち上げ、サウンド作りを担った弟サドにとってひとつの安心材料であったろう。

しかし、オーケストラが無事に立ち上がるとハンクはオーケストラを去った。そして、ハンク自身はスタジオワークから自己のトリオの演奏に軸足を移していった。有名なロンカーター、トニーウィリアムスとのGreat Jazz Trioは’70年代以降のハンクのプレーの象徴のようなものであった。このトリオは日本でも人気があり、メンバーは代わってもハンクのトリオの演奏は2008年に亡くなる直前、つい最近まで来日して生で演奏を聴くことができた。

弟のサドが亡くなったのは1986年であったが、その死を悼んでサドの残した曲の特集アルバムを作ったのがこのアルバムだ。作曲家としてのサドを讃えてのSong Bookであるが、曲自体はハンクの為に書かれた曲から、オーケストラでも演奏された曲まで色々な曲が取り上げられている。トリオには、末弟のエルビンも参加している。エルビンのピアノトリオでの演奏というのもオーバーシーズの印象が強いので傾聴に値する。

ピアノトリオによる、サドジョーンズのSongbook集というと、トミーフラナガンの同じ企画アルバム"Let's"があるので、どうしても比較してみたくなる。どちらもサドの曲というものの、共通しているのはサドの曲でポピュラーな“Mean What You Say”と、”A Child Is Born”だけ。
選曲の仕方にも違いがあったようだ。
フラナガンのピアノはいつもどおり流暢で流れるようなプレーを聴かせてくれる。一方のハンクは伴奏役で名を馳せたハンクらしく、主役であることを少し躊躇するようなプレーで、それを支えるエルビンとのコンビネーションも素晴らしい。サドの曲はどれもメロディーが美しい。2人のピアノの個性がその美しいメロディーを料理していき甲乙付けがたいが、自分の好みから言えばフラナガンに軍配をあがるかもしれない。
いずれにしても、あの世に早々に逝ってしまったサドは、自分の書き残した曲を、兄弟たちをはじめとして皆でいつまでも演奏してくれているのをさぞかし喜んでいることだろう。

1. Thad's Pad         Jones 7:25
2. Ah, Henry          Jones 8:10
3. The Summary         Jones 6:00
4. Little Rascal on a Rock   Jones 6:18
5. Upon Reflection       Jones 11:27
6. Lady Luck          Jones 8:04
7. Mean What You Say      Jones 8:21
8. Kids Are Pretty People    Jones 6:36
9. Ray-El            Jones 7:22
10. A Child Is Born       Jones 4:33

Hank Jones Arranger, Piano
George Mraz Bass
Elvin Jones Drums

Jean-Philippe Allard Producer
Rudy Van Gelder Engineer
Maureen Sickler Assistant Engineer

Recorded on February 25 & 26 1993 at Van Gelder Recording Studio, Englewood Cliffs, New Jersey

Upon Reflection: Music of Thad Jones
Hank Jones
Universal I.S.
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オリジナルへの拘りには色々あるが・・・・・

2012-03-04 | MY FAVORITE ALBUM
Double Or Nothin' / Howard Rumsey presents Conte Candoli & Lee Morgan

ジャズの世界ほど過去の録音が何度も再発される音楽は無いのではなかろうか。やはりワンアンドオンリーな演奏は時代を超えて伝えられていく美術品のようなものだ。代表格はブルーノート、手を変え品を変えニューリリースされる。今度は限り無くオリジナルを再現するアナログディスクが発売されているようだが。そして、コレクターの皆様の中には、オリジナル盤をひたすら追い求めていらっしゃる方もいる。中にはプレスにまで拘って。確かにレコードの場合は、いろいろな点で微妙に違いがあるのは確かなので、本の初版本よりは意味があるとは思うのだが、自分はあまりオリジナル盤には拘りが無い。

一方で、アルバムとして世に出てくるものは、何回かの録音セッションからピックアップされて編集された物である。いわゆるお蔵入りした別テイクや、時間の都合でカットされた物など、オリジナルのレコーディングというものはアルバムとは別に存在する。CDの時代になり、収録できる時間も長くなったことによって、ボーナストラックなどと称して、改めて世に出てくる物も多い。これはこれで、オリジナルのレコーディングの意味は大きい。自分はどちらかというと、このボーナストラックの方に食指が動く、オリジナルセッションに興味がある方だ。
ディスコグラフィーにはALBUM INDEXとSESSION INDEXの両方があるので目的に応じてこの使い分けが大事だ。

このジャケットに写る2人のトランペッターはコンテカンドリとリーモーガン。2人とも若いが特にリーモーガンの若い顔つきが印象に残る。接点が見え難い2人の共演の経緯には興味が沸くものだ。
ガレスピーのオーケストラに加わってツアーをしていたリーモーガンは当時まだ若干18歳。そして1957年の2月18日ロスに滞在している時、他のメンバーと一緒に御大ガレスピー抜きでの録音セッションに参加する。そこで生まれたのが有名な“Dizzy Atmosphere”。特にリーダー名も明記されておらず、御大抜きでも御大の雰囲気でということになると、同じトランペットのモーガンの役割が重要になってくる。
そのセッションを跨いで2回の別のセッションが行われた。それが、このアルバムに収められている録音だ。同じようにガレスピー抜きのメンバー同士の録音であれば続編のようなものだが、コンテカンドリ達が加わっているところに別の意味がある。

実は、ロスへの滞在中にガレスピーオーケストラの面々は、当時の西海岸のジャズのメッカでもあったジャズクラブ“Light House”に客演していた。このハウスバンドにコンテカンドリやフランクロソリーノが加わっていたが、当然のようにこの両バンドが一緒にプレーをすることになった。結果は推して知るべし。オーナーのハワードラムゼイはこれを何とか録音したいと思い段取りを始めたが、いかんせんガレスピーバンドの面々のロスへの滞在期間は残り僅か。そこで、自分のグループの録音とのダブルセッションにして録音することにして2日間で録音したのがこのアルバムが生まれた経緯だそうだ。

ハワードラムゼイ自身も当日はディレクター役に徹し、ベースの演奏は仲間のレッドミッチェルにお任せとなった。2つのバンドが集ったが、結果収められている中身はラムゼイのオールスターズの演奏が2曲、ガレスピーメンバーだけの演奏が1曲。残りの6曲が両バンドのメンバーが入り乱れてのセッションとなっている。特に、モーガンとカンドリの競演が聴けるのはMotoとWildwoodの2曲だけだ。
アルバムジャケットの写真とタイトルだけを見ると何か騙された感じはするが、中身がガレスピーオーケストラのメンバーと、Light House All-starsの東西対抗大バトルということが分かると納得の内容だ。オリジナルのリバティーのアルバム(見たことが無いので実際は?)はLight house all starsの演奏除きで チャーリーパーショップのリーダーアルバムになっていたようなので余計中身の演奏の真意が分かり難い。
果たして、何を持ってオリジナルと言ったら良いかどうか?


1. Reggie of Chester        Golson 4:36
2. Stablemates           Golson 5:08
3. Celedia             Golson 4:40
4. Moto               Cooper 5:43
5. The Champ            Gillespie 4:40
6. Blues After Dark         Golson 7:45
7. Wildwood             Gryce 5:52
8. Quicksiler            Silver 3:56
9. Bye, Bye, Blues         Bennett, Gray, Hamm 4:05

Lee Morgan (tp)
Conte Candoli (tp)
Frank Rosolino (tb)
Benny Golson (ts)
Bob Cooper (ts)
Dick Shreve (p)
Wynton Kelly (p)
Wilfred Middlebrooks (b)
Red Mitchell (b)
Charlie Persip (ds)
Stan Levey (ds)

Recorded at Liberty Studio in Hollywood, California, on February 14 & 27, 1957

DOUBLE OR NOTHIN'
Conte Candoli & Lee Morgan
FRESH SOUND
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初対面で印象深く覚えてもらうには・・・・・

2012-03-03 | CONCORD
Piquant / Tania Maria

昔会社勤めをしていた時に、よく採用面接の面接官をやらされた。一次面接だと良くも悪くも色々な人間がいるので印象に残る人物も多い。ところが2次面接、3次面接になると、自然とその会社の社風に合う人材に選別されているので、かえってこれという特徴が無いと覚え難いものだ。面接を受ける方からすると、最初に一発何かをアピールをしないと、ありきたりの面接になってしまって自分を売り込むきっかけができないものだ。

ジャズのアルバムを聴く時もそうだ。特に初めて聴くプレーヤーのアルバムとなると、ジャケット、共演者、レーベルなどは履歴書の基本項目と同じ。何か特徴があれば目を引くこともあるが、何といっても一曲目の最初の印象が全体を左右する。履歴書の自己紹介と志望動機のイントロが大事なのと似ている。
そこに強烈なインパクトがあれば、まずは一次面接はパスだ。

このアルバム、一曲目でぶっ飛んだ。
Picanteレーベルの新人。ブラジル出身でピアノも弾けば歌も歌う。となると、まずはボサノバの軽い感じをイメージするが、実際は歌もピアノも大迫力で、曲も自分のオリジナル。スキャットも上手い。これはただ者ではないのがまずは分かる。曲が進めば、ジョビンのポピュラーなTristeなども登場するが、あまりに一曲目のイメージが強い。

これが、TANIA MARIAのコンコルドへ登場した最初の印象だ。
ブラジル出身の彼女は、まずはフランスで活躍していた。1975年のニューポートにも登場したが、アメリカでの人気は今ひとつだった。カールジェファーソンに彼女を紹介して、このアルバム制作に繋がったリクルート役はギターのチャーリーバード。何でも1980年にインドのジャズフェスティバルに参加した後知り合ったとか。

アルバムのプロデュースは、いつものジェファーソンは名誉職に引っ込んで、実質的なプロデューサーはカルジェイダー。ラテン物であれば彼に任せた方が正解。そして、結果も大成功。彼女の魅力が見事にプレゼンテーションされたアルバムになっている。コンコルドの常連達もプレーだけではなく、オーナーの意を汲んでリクルート役、プロデューサー役と活躍の場を広げ始めた。この活力がレーベルが存続を続けた源であろう。チャーリーバードの面接官としてのお役目も合格だ。



最近の演奏は




1. Yatra-Ta          Maria, Reis 4:21
2. It's Not for Me to Say   Allen 4:49
3. Triste           Jobim 3:34
4. Chiclete Com Banana     DePandeiro 5:59
5. Lemon Cuica         Maria, Reis 3:37
6. Super Happy         Maria, Reis 5:53
7. Comecar de Novo (To Begin Again)  Lins, Martins 5:04
8. Vem P'ra Roda        Maria, Reis 5:38

Tania Maria (p,vol)
Willie T. Colon (per)
Eddie Duran (g)
Rob Fisher (b)
Vince Lateano (ds)

Produced by Cal Tjader
Phil Edwards Engineer

Recorded at Coast Recorders, San Francisco, California on December 1980


Originally Released on Concord Picante CJP-151
(所有盤はユピテルの国内盤)

Piquant
Tania Maria
Concord Records
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ショットが悪くてもスコアがいい時はあるのだが、不思議とショットが良くなると・・・・

2012-03-02 | GOLF LIFE
ロバート・トレンド・ジョーンズの設計のコースは、バブルの時代を経て日本に結構沢山出来ただろう。先日行った美浦ゴルフ倶楽部も確かRTジョーンズの設計だった。自分がゴルフを始めた頃は、RTジョーンズの設計といえば軽井沢72ゴルフだった。当時行けるコースといえば、河川コースか山岳コース、72の平坦な地形とベントのフェアウェイとワングリーン、そしてアメリカンスタイルのレイアウトは何か別世界でゴルフをするような楽しみだった。

先日行った富士OGMゴルフクラブ市原コースもRTジョーンズの設計。確かに言われてみればそのような雰囲気はあるが、昔の72のような感激は無い。というか、それだけ有名設計家のコースに慣れたのかもしれないが。
以前はフジパンだったが、今ではオリックスグループの経営になっている。ここ数年、年に1,2回行くが、まずここのコースのいい所はコースはさておき、朝食のバイキング。そこらのビジネスホテルの朝食バイキングより充実している。普段ゴルフに行く時の朝食は、コンビニか朝マックで軽く済ますのでコースで朝食をとることはない。が、このコースに行く時は早めに行ってゆっくり朝食を済ませてから、腹こなしの運動を兼ねて練習場で多目の練習がルーティンだ。練習場も打席が広々していて、アプローチの練習場スペースも本格的なのがいい。

この日は、練習の時はまずまずだったショットが、コースに出ると何故か悪い。特にティーショットが距離もでずにすっきりしない。どこかで力んでいるのは分かるのだが。ドッグレッグホールか多いレイアウトなので、この様な時は狙い所が難しい。特に池が絡んだりすると。ところが、このような時は2打目以降が慎重になるのか、アプローチが冴えたのか、パットが良かったのか、上がってみればダボ無しの42。うまく噛み合えばこの位のスコアは出るのだが、いつもどうして大叩きをしてしまうのだろうか?

後半は一転ティーショットが当たり出す。当たりだすとティーショットの落とし所が狭くなったり、バンカーが絡んだり、今度は設計者の思惑が気になりだす。だが、いい時というのはそのような懸念は全く関係ないようにピンポイントでいい所にボールが飛んでくれる。流れというのは大事だ。
ところが、これで調子に乗れたと思ったら、今度は2打以降が悪い。アプローとパットでも凡ミスが出る。このハーフは45を切れず47。辛うじて80台にはなったが、何とも後味が悪いゴルフだった。朝からたらふく食べて満腹状態、それで一打一打を最後まで味わう余裕が無くなった訳はないと思うが。

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大先輩のモダンなアプローチに刺激を受けて・・・・ 大先輩のモダンなアプローチに刺激を受けて・・・・

2012-03-01 | CONCORD
Iridescence / Warren Vache

タイトルの“IRIDESCENCE”。まずは、この単語の意味を知らなかった。さっそく辞書を引くと、虹色の輝きという意味だそうだ。ジャケットの孔雀の羽の意味も納得。言われてみれば自然界の中には、空の虹だけでなく虹色の輝きというものはいくつもある。共通して言えるのは、いつも正面から同じものが見えるのではなく、微妙な角度でその輝きが多彩に変化するものだ。その微妙な変化が美しさを増す。

ウォーレンバッシェはコンコルドの若手看板スターの一人。オールスターでは欠かせない人材になっていた。スコットハミルトンとのコンビもこなれてきた。しかし、多くのメンバーの中に入ってしまうと、その個性は見えなくなりがちだ。北村英治のアルバムにもゲストで招かれ参加したが、ついつい張り切ってソロが長くなりすぎて、ジェファーソンから「今日の主旨は分かっているだろうな」と言われてNGが出たとか。ソロの出番があっても個性を出すには至らないことが多い。

とすると、個性をたっぷりと味わうにはワンホーンになる。ヴァッシェもコンコルドですでに、2枚のワンホーンアルバムを出していた。JillianPolished Brassの2枚だ。彼の楽器はコルネット、どちらもトランペットは違った味わいを聴かせてくれた。今回は3枚目。果たして前作を上回る何かを聴かせてくれるかが楽しみだ。

共演メンバーを見渡すと、ちょっと興味を引く。ピアノがハンクジョーンズ。ジョーンズ自身は数多くのセッションに顔を出しているので珍しくはないが、アネスティンアンダーソンのバックを除けはコンコルドには久々の登場だ。ベースのジョージデュビビエ、ドラムのアランドーソン、どちらも実に渋い人選だ。このメンバーを誰が薦めたかというと、スコットハミルトン。もちろん2人で一緒に演奏している仲なので、誰と相性がいいかは分かってのお勧めだったそうだ。ヴァッシェとハンクジョーンズは一緒にベニーグッドマンのコンボでもプレーをしたので、全く知らない間柄では無かったそうだが、その後殆ど一緒にやることはなかった間柄だった。
このアルバムが録音された1981年といえば、ハンクジョーンズは’77年のGreat Jazz Trioで大きく脚光を浴びた後だ。ただの伴奏での参加という訳にはいかない状況だったと思う。

一曲目の「朝日の如く・・・」。いきなり、今までに無くパンチのある演奏だ。若者が大先輩と一緒にやるとなると、先輩が古き良き伝統の教えを守り、若者は今までの枠を超えたサムシングをぶつけ合うのが普通だ。こ今回の場合は立場が逆だ。若いヴァッシェのほうが古いスイングスタイルを守り、ジョーンズが百戦錬磨のモダンアプローチのぶつかり合いだ。ヴァッシェのコルネットが今までに無い、モダンな響きだ。2曲目では形勢が逆転する、古い1930年代の曲らしいが、ヴァッシェが最近良くやっていた曲だそうだ。一転少し古めかしい響きに、ジョーンズのピアノもファッツウォーラー風になる。そして、このアルバムではフリューゲルホーンも多用する。タイトル曲のIRIDESCENCでは、その名の通りフルーゲルホーンでのバラードプレーで多彩な音色を聴かせてくれる。

なるほど、今回のアルバムではハンクジョーンズを起用して、いつものモダンスイングとは一味違う雰囲気を作り出すということだったのか。人一倍音色には気を遣っているヴァッシェだが、音色だけでなくプレー自体も七色の変化を楽しませてくれる。ワンホーンのアルバムというのは、時には単調になりがちだがヴァッシェの場合は余計な心配だった。

このアルバムから30年。そういえば最近のヴァッシェのアルバムは全然聴いていない。きっと枯れた良さが出ているに違いない。何か聴いてみることにしよう。

さっそく、比較的最近の演奏を


1. Softly, As in a Morning Sunrise       Hammerstein, Romberg 4:41
2. Sweet and Slow              Dubin, Warren 4:55
3. Between the Devil and the Deep Blue Sea  Arlen, Koehler 4:35
4. Iridescence                Jones 4:17
5. The Song Is You              Hammerstein, Kern 4:59
6. No Regrets                Ingraham, Tobias 4:32
7. The More I See You            Gordon, Warren 3:29
8. Autumn in New York            Duke 7:04

Warren Vaché   Cornet, Flugelhorn
Hank Jones     Piano
George Duvivier  Bass
Alan Dawson    Drums

Produced by Carl Jefferson
Phil Edwards Recording Engineer

Recorded at Soundmixers, New York City, January 1981

Originally released on Concord CJ-153





Iridescence
Warren Vache
Concord Records
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