A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

「何かが違う」と唸らせるのは一流の条件・・・・・

2012-03-10 | CONCORD
Chromatic Palette / Tal Farlow

タルファーローがConcordで再び復活して何枚目になるであろうか。いずれもドラムレス、もしくはピアノレスの演奏だ。管楽器が加わるとギターはどうしてもリズムセクションの一員となりやすく主役にはなり難い。という意味では、タルファーローのアルバムでは常に主役はファーローだ。今回のアルバムでは、ピアノにトミーフラナガンを加えたドラムレスのトリオ。復帰作の一枚目のピアノがハンクジョーンズだったので、奇しくもここでも両ピアニストの比較になってくる。

ライナーノーツの最初に、オーナー兼プロデューサーのカールフェファーソンが、録音し終えたプレーバックを聴きながら、「タルファーローは何かが違うのだ」と呟いたとか。個性豊かな当代一流どころのギタリストを集めたコンコルドのオーナーが、タルを称して何かが違うと言わしめたからには、本当に何かが違うのだろう。もちろん、音楽的、奏法的な違いはロックやフュージョンのプレーヤーがそれを盗むということもあったそうだが、自分は門外漢なので分からない。しかし、素人なりに聴いてもタルファーローのプレーは何か違うのは確かである。

ギターという楽器は、管楽器と比較すると楽器自体の表現力が豊かだ。単音よしハーモニーよし、リズムもよし。ただし、楽器の持つ機能を使い切るのは人の技。タイトルの“Chromatic Palette”どおり、このアルバムでも多彩な音色を聴かせてくれる。そして、ピアノの注目のトミ―フラナガンとのコラボだが、この2人はこのアルバムが始めての共演だったそうだだが呼吸はピッタリ。ピアノとギターのコラボというのも、つまらない演奏はすぐに飽きるが、うまく嵌ると奥が深くて楽しめるものだ。何かが違うと2人のコラボも当然のように何かが違う。作曲家&編曲家にとって多彩な音を表現するにはオーケストラのアレンジが腕の見せ所だが、演奏家にとっては自分の技術で多彩な音をどう作り出せるかが腕の見せ所。どちらもジャズを楽むには必要だ。



1. All Alone            Berlin 4:09
2. Nuages              Larue, Reinhardt, Williams 5:53
3. I Hear a Rhapsody         Baker, Fragos, Gasparre 3:19
4. If I Were a Bell         Loesser 4:48
5. St. Thomas            Rollins 4:14
6. Blue Art, Too           Farlow 5:16
7. Stella by Starlight        Washington, Young 4:27
8. One for My Baby (And One Morefor the Road)  Arlen, Mercer 5:28

Tal Farlow (g)
Tommy Flanagan (p)
Gary Mazzaroppi (b)

Produced by Carl Jefferson
Phil Edwards Engineer

Recorded at Soundmixers, New York City, January 1981
Originally released on Concord CJ-154

Chromatic Palette
Tal Farlow
Concord Records
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