A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

昔を懐かしみ「ご当地メンバーが」集れば・・・

2012-03-08 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Motor City Scene / Thad Jones Sextet

ジョーンズ3兄弟といえばデトロイト出身で有名。そのデトロイト出身のミュージシャンは、他にもミルトジャクション、ケニーバレル、ドナルドバード、カーチスフラー・・・・と有名どころが多い。実力者が集う場所には、他からも人材が集る。これは何の世界でも共通の世の常だが、デトロイトもモダンジャズの創世記は隣のシカゴに負けないジャズの盛んな街になっていた。

当然、彼らは地元で一緒にプレーをする仲間同士になった。若い頃一緒に遊んだ仲間というのはいくつになっても結束が固いが、彼らの繋がりも強そうだ。その仲間同士でのレコーディングも当然行われたが、タイトルにデトロイトの呼称である”Motor City”と謳われたアルバムも何枚かある。このアルバムもその中の一枚。

サドジョーンズがリーダー格だが、弟のエルビンに続いてピアノのトミーフラナガンがまずは地元出身の後輩。ビリーミッチェルやポールチェンバースなど一緒にデトロイトで育った仲間が集った。
サドジョーンズは、カウントベイシーのオーケストラには54年から63年までの長い間在籍したので、この時もベイシーオーケストラの一員だった。ミッチェルやグレイはこのベイシーのバンドで一緒の仲間だったが、彼の身近を見回しただけでもデトロイト出身や育ちはゴロゴロいたのかもしれない。

納められている4曲ともサドジーンズの作曲。曲作りは以前から数多く手掛けていたが、ベイシーのオーケストラに編曲を提供し始めた頃であり、コルネットのプレーだけでなくアレンジも得意技にし始めている。三管編成の分厚い音のアンサンブルで始まるが、後のアレンジと較べるとまだ発展途上。アレンジを聴くというよりは各人のソロを楽しむアルバムだ。モダンでありながら、どこかスイング系の流れを感じるプレーだが、ベイシーがカンサスシティーの流れを引き継いでいるのに対して、これがデトロイト風の味付けかも知れない。今、マクドナルドでアメリカご当地バーガーが流行りだが、この頃のアメリカでは東西だけでなく各地のご当地ジャズが流行っていたのかもしれない。

ベイシーオーケストラに加わりながら、これまでもリーダーアルバムを何枚も作っていたサドであるが、このアルバムが50年代最後のリーダーアルバム。60年代に入ると、ベイシーを辞めてスタジオワークが多くなったせいかどうかは分からないが、次のリーダーアルバムとなると1966年のペッパーアダムスと一緒のアルバムまで無い。その点では、ひとつの区切りとなるアルバムだが、それまでのプレーヤーとしての活動の節目を昔の仲間との記念に作ったという雰囲気のアルバムだ。このようなアルバムが再発されるとは嬉しい限り。


1. Let’s Play One
2. Minor On Top
3. Like Old Times
4. No Refill

Thad Jones (cor.flh)
Al Grey (tb)
Billy Mitchell (ts)
Tommy Flanagan (p)
Paul Chambers (b)
Elvin Jones (ds)

Recorded on 24 & 31 October, 1959 at Nola's Penthouse Sound Studios, New York City

Motor city scene
Thad Jones
EMIミュージックジャパン

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